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フォールアウト シーズン1

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Fallout Season 1 (2024)

ゲームはまったく知識なし。
ジョナサン・ノーラン、こういう世界好きだよねー! じゃっかん「ウェストワールド」と似た雰囲気もあるなぁと思いながらの8話視聴でした。
Vault-tec、どんだけ大きな力がある会社なんだろ。利益を出すために核爆弾を落とそうっていう発想にドン引きなんですが。いったいどういう人生を送ったらそういう発想が生まれるわけ? もうわけがわからんし、あんなにいくつも爆弾落としたら人類生き残るどころか地球ぜんぶ滅んじゃうよ! 核の脅威をずいぶん甘く見すぎでは。そういう意味ではまったく気持ちの良い話ではなかった。

地下のシェルターで外の世界はいっさい知らない、文字通り純粋培養のお嬢さんだったルーシーが、さらわれた父を探すために地上を旅してたくましくなるのだけれどさ。体全部は無理だから、必要な頭だけ持っていけ、と瀕死の科学者に言われて首を切り落とす勇気があるってすごいわよ。

さてお目当てのマイケル・エマソンは科学者の役でシェパードと仲が良くて、もうこんなの既視感しかない、と思ったら足まで引きずって歩くからもういろいろと懐かしすぎて。そしてEp02以降は頭だけの出演だった……。

さらにわたしはふたたびドラマでカイル・マクラクランに出会ってしまったんだが、Ep08の若返りした姿に思わず変な声が出た。「エージェント・オブ・シールド」どころか「セックス・アンド・ザ・シティ」も飛び越えて、「ツイン・ピークス」の頃のカイルじゃんね。さすがに「ブルー・ベルベット」まではさかのぼってないけどさ。なんでも可能ないまの技術に驚きを禁じ得なかった。

S2はどうなるのかなー。マキシマス、ルーシー、クーパーのメイン3人の行き先が気にはなるけど、けっこう残虐なシーンが多いし、そんなに積極的には見ないかな……。

シーズン2どころか……!

ちょっと! 8年ぶりに決まった「ナイトマネジャー」の続編。シーズン2どころか、3まで制作決定ですってよ! 嬉しい~~~!!

『ナイト・マネジャー』シーズン2&3、ついに制作決定!主演トム・ヒドルストンも続投

トム・ヒドルストン演じる主人公のジョナサン・パインには、ジェイソン・ボーンばりに2以降もいろんなところに行って活躍してほしい。
ヒュー・ローリーは製作総指揮で戻るってことは出演はなし? S1のオリヴィア・コールマンは本当に素晴らしかったけど、S2以降は出ないのかな……。

ナイトマネジャー、これを機にもう一度見直したい。

ブレス あの波の向こうへ

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Breath (2017)

サーフィンを通してパイクレットとルーニーというふたりの少年の成長を描く映画……と一言では説明できない素晴らしい作品だった。
全体のトーンはとても静かで、合間の雨の音や海の波や水中の色が形容しがたい美しさ。
彼らが出会い、師と仰ぐ伝説のサーファー、サンドーと過ごす時間はいつまでも続くかのように思えるけれど、のびやかに成長していくパイクレットとルーニーの姿はまぶしくも危ういし、サンドーとの関係も決して安定したものではない。
パイクレットとルーニーは友人でもあり、サーフィンではライバル。先に大波に挑んだのはパイクレットだったけれど、オールド・スモーキーと呼ばれるさらに大きな波に果敢にチャレンジしたのはルーニー。
落ち着いた性格のパイクレットと対照的に、ルーニーはややアドレナリン・ジャンキーみたいな部分があって、高校もなんらかのトラブルを起こしたかで退学。ヒマしてるルーニーを、サンドーはいい波がくるから、と彼を連れてふたりでアジアに旅立ってしまう。
自分だけ置いてけぼりをくらったこと、ひとりでオールド・スモーキーの荒波に挑戦したこと、サンドーの妻と寝たこと。もしかしたらパイクレットはいつも一緒だったルーニーとサンドーがいないことで、ひとり静かに人生や将来について考える時間ができたのかも。
そして彼の出した答えは、もう今までのような波の乗り方はしない、ということ。パイクレットは、オールド・スモーキーを「あの波は醜い」と言うんだよね。これ、すごく驚きで。波をそういう風に形容するの、すごいと思ったし、大きな波に挑戦するのはかっこいい、もっというと男らしさを誇示することであり、そこからパイクレットは降りると決めた。でもそれは逃げたとか弱虫ではなくて、自分の進む道はこれではない、と知った。それはつまり、もうサンドーとも、そしてルーニーとも別の道を歩むことを決意したわけで。
その後のパイクレットやサンドーがどうなったかは描かれない。でもルーニーは、おそらくアジアで覚えた麻薬から抜け出せず、4年後に売人に頭を撃たれて死亡という最期を迎えたことだけが描かれる。サンドーも子どもが産まれて人生が変わったであろうけど、彼は、そしてイーヴァはどんな風に変わったかな……。


印象深かったのは、そんな息子の姿をずっと黙って見守っていたパイクレットのお父さん。こつこつと手仕事を営む父は、おそらく同じ男としてサンドーのような派手さやかっこよさはなくてすごく地味だけれど、終盤、パイクレットが紅茶を飲みながら、仕事をする父の姿をじっと見つめているの、よかった。親が口を出さずにいてくれたことに対する感謝の気持ちが生まれたのも、パイクレットが成長した証だと思う。

サンドーの妻で、足を怪我してプロスキーヤーとしての復帰はおそらく不可能になったであろうイーヴァを演じるエリザベス・デビッキの、影をまとったアンニュイな雰囲気と視線がまた素晴らしくて。
ひとり残されたパイクレットが、同じく夫が長期不在で妻ひとりが過ごしている家に出入りしてたらそりゃそうなるよね、な展開ではあるのですが。
次々と新しい世界を見せてくれるサンドーと行動をともにして、イーヴァとも性的な関係を結んでしまったパイクレットには、学校生活や、おそらく同じ年の彼女とのお付き合いは物足りなく感じてしまうのも当然といえば当然だよね。


しかしこの作品がサイモン・ベイカーの監督デビュー作ということにびっくりだし、パイクレットとルーニーを演じたふたりがどちらも演技が初めてだと知って本当に驚いた。サイモン・ベイカー、監督としておそるべき手腕だよ。
ヤバい。このままサイモン・ベイカーに恋に落ちてしまいそうだ。以前至近距離で見たこともあるし(そのときの話はこちら)、いまこそ「メンタリスト」を完走する時なのかもしれない。

【レビュー】人気俳優の”罪な”監督デビュー作『ブレス あの波の向こうへ』

ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦

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祝・アカデミー賞受賞ということで、キリアン・マーフィーの作品を見たのだけど。……つらい。こんなつらい話だとは思わなかったよ……。
なんだろな。ハイドリヒの暗殺を企て、いざ作戦実行、標的の乗った車の前に立ちはだかり、手にした銃をさあ撃とうとしたらジャムってうまく撃てないってもうここで運が尽きた感がすごい。
どうにか暗殺に成功したけれど、それを引き換えに彼らが手に入れたものってなんだろう。無駄死にだとは思わないけれど、まだ若く、戦争がなかったら青春を謳歌できたであろう彼らが、ただひたすら愛国心を胸に最後は自らの頭を銃で撃ちぬいて死んでいく姿は、つらいとか悲しいとか、どんな言葉でもっても言い表せないし、あぁつまり戦争ってこういうことだよな……と思わずにはいられない。本当になんというか、生死関係なく、誰も幸せにならなかったんだな、という終わりかただった。
なのでこの邦題はちょっと勇ましすぎるよね。原題の、作戦名になった"Anthropoid"をそのままカタカナ表記でよかったんでないかな。あと、ロンドンからの指令は結局どっちが正しかったんだろう。暗殺未遂後に報復で多くのチェコ人が殺害されたことを考えると、中止が最新の命令だったのかな、と思いましたが……。


キリアンがラブコメとかロマコメになんて出ないって知ってるし分かってるけどでも一度は見てみたい、と思ってしまうのよね。明るい陽のもとで屈託なく笑うキリアン・マーフィーを拝ませてくれ。

落下の解剖学

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Anatomie d'une chute (2023)

最後まで見てようやく、あーこれはミステリではないのだなと理解して、そして「落下の解剖学」という題名がたいへんに秀逸だと感心しました。
この裁判って死んだ男の妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)にすごく不利な進みかただったよね。それをいちばん感じたのは、彼女がフランス語がうまく話せなくて裁判長に断ってようやくきちんと表現できる英語で話すのだけど、サンドラはドイツ出身って出てきてびっくりよ。つまり彼女の母国語はドイツ語なんだよね? ドイツ語>英語>フランス語、という順なのにそのいちばん苦手で不得手な仏語で状況や心情を説明しなきゃいけないのってかなりしんどい。自分の話す言葉が、しかも裁判という場でちゃんと正確に通訳されているのかめちゃくちゃ不安になるな、これ。ちょっとこのへん「別れる決心」(2022)を思い起こさせました。

裁判はサンドラは無実で終わる。けど彼女が夫を殺したかどうかは明らかにはなっていない。真相は最後まで分からないままでした。
見ていてわたしはあの夫がすごーいイライラしたけど、これほかの人や男性はどう見たんだろう。典型的なモラハラ夫じゃんね。あれこれ言い訳ばっかりで環境を変えた方がいい、と家族を連れて国をまたいだ引越しに、子どもの面倒を見ないといけないから書く時間がない、とか言って結局小説をなにひとつ完成させていないのがだめすぎる。お前はごたごた言ってないでまずは話を書きおえてそれを世に出せよ。
あといちばんイヤだったのは、しょっぱなから妻をインタビューしにきた記者を夫が大音響の音楽で追い出すところ。ものすごーく気分悪かったです。妻との口論を録音しておくとかもヤな感じだし、もし自分になにかあったら妻が疑われるようにあらかじめ材料をあれこれ揃えておいたんじゃないかとさえおもう、夫の底意地の悪さを感じる。

わたしの見立てた真相は、夫は普段から音楽のボリュームを上げて作業するのが好きなんだけど、今回は妻への当てつけで曲をかけながら小屋の最上階でDIY。妻(とインタビュアー)にイライラしながら作業してたら誤って体のバランスを崩して落っこちた、て感じかな~。妻を裁判にかけて大騒ぎするほどのことはない、たいした理由もないシンプルでつまんない死に方だったんじゃないですかね?

ダニエルの愛犬スヌープがとってもかわいかった!! 弁護士役スワン・アルローはちょいビリー・クラダップ似のかっこよさでした。