POI S3 Ep01~07

久しぶりに見た4Cが見ごたえあったのと、もしかしてS5まで見てからまた見たら印象変わるかな?と思ってS3を二巡目してますが、うーん。特筆すべき部分は特になく。やっぱり面白くないんだよねぇ……。
振り返って思い出すとき便利なので備忘録と感想をざっと。

Ep01
海兵隊員のお話
リースが"A concerned third party"って言ってます。S1Ep01でも言ってたね。たぶん他の回でもちょくちょく言ってると思う
「(助けてやったのに)誰もお礼を言わない」とリースがボヤくのは、S4のジャック・フォージ回で初めて出た台詞かと思ってましたがもうここで出てたんだ
地下に潜伏して生活しているイライアス&スカーフェイス。この二人のところにやってきたのはカーター。S4Ep01では同じようにイラ&スカフェのところにリースがやって来ます。シリーズ通して同じことが繰り返されるのに気づくと思わずにやりとしますね
ラスト、今回の対象者に対して、優秀だからいずれCIAからスカウトがかかるだろう。でも本部から誘われたらそれは断れ、と助言したリース。その先は幸せになれなかった自分の二の舞にはなってほしくないゆえの言葉
しかししょっぱなからEp01で後ろからぶん殴られ、次のEp02では撃たれ、S3でのリースの雑な扱いをほのめかしているようなシーンばかりですよ……

こうやってふたりで歩く姿は本当によいね


外に出て階段にちょこんと座ってPC操作するフィンチがなんかとっても可愛い


S3からショウがレギュラーになりますが、彼女がすることなすこと台詞も含めて、私はどれも共感が出来なかったので本当にダメです……しかも今までリースがやってきたことを全部彼女がしちゃうからさ……それは心からやめてほしかったよ……。ショウは確かに有能だしそういう部分はとてもかっこいいから、単体もしくはルートと別枠で活躍したんなら良かったなぁって思う。なぜリースのお株を根こそぎ持っていくの……。しかもリース君、何言われてもどう扱われてもこの人まったく文句言わないからそれがまたよけいに不憫というか、まぁこの人フィンチがいればそれでいいっていうほんとに欲のない人だから……目の色変えて動くのはフィンチ絡みの時だけっていうある意味分かりやすい人だよね……。

Ep02
膨大な個人情報を元に人々をつないで孤独な人をなくします、って豪語する社長が対象者。ネット社会・SNS時代のネガティブキャンペーン全開の見本みたいなエピで、最初から最後まで見ててイヤすぎる話でした。すごいげんなり。同じくSNSの社長だったS2Ep14のピアーズとはえらい違いだな。
「この業界は年間3000億ドルの利益を上げている。情報の悪用は残念だが起きる。止めようはないんだ」そう言った対象者にフィンチは「それは違います。情報にアクセス権を持つ側に損得よりも悪用から守ろうとする気持ちがあれば止められます」の一言が好きだな。というかこのエピでの救いはその台詞のみのような。
終盤でリースはピーター・コリアーから至近距離で撃たれて肋骨折れてたんですね。しかもなんでかこの時は防弾ベストを付けてて、ちょっと都合よすぎじゃないかと。S2Ep04でも思ったけれど、ベストを着用するに至る経緯が何かしら一言、1シーンでも説明があればなー

眼福なスクショを置いとこう。
廃図書館内のこのアングルは初めてかな?新鮮


Run, Reese, RUN!!


頬骨がめちゃくちゃ高い


Ep03
息子の養育権を取り戻したい男性が対象者
リースの言う「ショウ、お前は怒り顔なんだよ」っていう表現がすごくツボでした。「じゃあ(笑顔を)行きの車の中で練習しましょ」ってフォローするカーター。彼女はほんとに優しいなぁって思った
めちゃくちゃ美男美女のふたりなのに同時にとても嘘くさくもあるリースとゾーイのコンビはいつでもまた見たい
 

この頃のイカれっぷりは最高だったルート


ルートの入院先に、なんと彼女を捕えに来たハーシュが来てて、しかもこの人逆にルートに撃たれてるんですよ。うわー、そうだっけ!?とびっくり。全然覚えてませんでした。ハーシュ、こいつほんとに出る度出る度まったく役に立ってなくて大丈夫なのかと心配になる

Ep04
冒頭から男ふたりで大事に飼ってる犬を獣医さんに連れて行くんですよ……素敵すぎか……
このエピも、最後は結局どうなったかはっきりと示さずに終わる、という意味ではS1Ep04に似てるし、夫婦が憎みあって殺しあうのはS2Ep08にも似てるのですが、似た内容なせいか新鮮味に欠ける上、対象者に同情したリースが銃を渡しちゃうって、彼そんなことするー!?ジョン・リースってそんな人間でしたっけ?と疑問だらけのラストでした

フィンチとリースのミラーリングっぷりがすごい。そしてなぜか奥に座っている対象者の女性も同じポーズ


Ep05
ショウメインのエピソード

Ep06
ジェイソン・グリーンフィールドは今後対サマリタンで重要な役割を果たす人物のひとり。というか、なるはずの人物だった、の方が言い方あってるかな。このエピ見て、あーそっか、S3でのルートの役割は、シーズン通してマシンからの指示でサマリタンに対抗できるメンバーをこつこつと集めることだったんですね。たぶん、S3で集めて揃った7人(「七人の侍」、「荒野の七人」、「黄金の七人」等、"7"はお約束の人数)が、S4で潜伏して準備をしつつS5でファイトバック、な予定だったのでは?そうでなければこの回でのジェイソン、Ep16でのダニエル・ケイシー、あとはルートが東京に行って探してきたダイゾー(だっけ?彼を捕獲するシーンは具体的には描かれなかったのもあってかなり曖昧)等、わざわざ世界中飛び回ってルートが彼らに接触する理由がないと思うので
で、その役割を担うルートが廃図書館内に拘束されてしまったことでそのことに対して何か影響は出たのかな、とも思う
同時進行でカーターのHR撲滅へ向けての動きと、ジェイソン・グリーンフィールドが所属していて、以前も接触があったピーター・コリアーと彼が率いる「ヴィジランス」の存在が明らかに
今回はフィンチとリースが別々に行動しましたが、ショウが仲間になる→そのショウが行方不明になりリースが彼女を捜索、フィンチは番号に応対。メンバーが増えたことでかえってふたりが別行動になっていくのが私はとても悲しかった……
全身にあんなにガソリン浴びてびしょびしょの状態だと、倉庫が爆発したら遠くに逃げても間違いなく引火すると思うのですが
今回の対象者のティモシー・スローンは義理の弟思いのめっちゃいい人でした。こういう人だと見ててもあんまり殺伐としないし、ティモシーはジェイソンとほんの少しだけど会うことができたし、見ててホッとしました。ラストで松葉づえ付いて立ってるシーンは役者本人が使い慣れてない様子ありありでずーっとふらふらしてるのが笑えました
以前至近距離で自分を撃ったコリアーにめっっっちゃ怒ってるリース。この人自分に銃を向けた人間にはほんっと容赦ないよね

後ろに手を組んで立つリースの姿って珍しくないですか?



Ep07
冒頭チラッと映っただけだけど、アメリカにもランドアバウトってあるのですね!


こんなに嬉しそうな、しかも悪い笑みで盗撮する人今まで見たことありません


ルートに「上の階にはリース君がいる」と言っているので監禁されているのは廃図書館内の1Fであることが分かりました。でももしかしたら地下かもしれないね
対象者の恋人ナタリーを匿ったのはS2Ep15で最後にフィンチが買収したコロネットホテル
カーターとファスコが死体を偽装するシーンはほんと楽しそう……(笑) このふたりが一緒のお茶目なシーンはこれが最後
最後はナタリーが一枚上手で、恋人とHRを欺きまんまと彼女が金を奪って逃走で終わりました

リースは相手の顔をロクに見ずに何かを要求することが多い


そしてこの伏し目がちで呆れたようなあんまりやる気ないような顔が大好き


カーターはとうとうHRのボスがアロンゾ・クインであることを知る


ひとまずEp07でいったん区切ります。

さらば あぶない刑事

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さらば あぶない刑事 (2016)


邦画は滅多に見ないけど、このシリーズは別格扱い。なにせ男性ふたりのバディもので最初に好きになったのはこのドラマのタカとユージだもの。その後は多分「リーサル・ウェポン」のリッグス&マータフ。あとは……いきなり飛んでPOI、かな?余談ですが「リーサル~」って今ドラマ化してるんですね。

Amazonプライムにドラマのあぶ刑事が入ってて、ひっさしぶりに(たぶん30年ぶり……)第1期(1986~1987放映)を見直しましたが(Ep14の「死闘」が死ぬほど好き)、記憶よりもずっとギャグ多めお笑い多めでびっくりでした。こんなコメディ路線だっけ?当時はもっとシリアスで暗い話だと思ってました。自分がまだ子供だったからかな。
私自身がこの後一気に洋画にシフトしていったので、「もっともあぶない刑事」を最後に、それ以降は見てなくて。でも「さらば~」は最終作ってことで、ご祝儀映画でした!だってまず監督が村川透ですもん。それだけで悶絶でした。レパード出てくるし(あんな懐かしい車、どこに保管されていたんだろう!?)、最後の式典シーンには落としのナカさんがちゃんと扇子持ってるし、その隣には「パパ」こと吉井さんも。そっか、このふたりは一足先に定年退職しているのですね。なんだかしんみりしちゃった。
町山透が課長になってるのにはびっくりしたし、近藤課長のそばにいつもいた瞳ちゃんが現役なのも嬉しい。港署内もすっきりおしゃれになりました。
個人的には、モーターボートで逃げる男を追って大下が川沿いを疾走するシーンを見て、「ボートごとグレネードランチャーで撃ち落としてしまえばいいのでは!?」と思った私はだいぶ海外ドラマに毒されているなと自覚しました(笑)。

ちなみに私、昔々、家族で横浜博覧会に行ったことがあったんだけど、会場となった今のみなとみらい地区だけじゃなくて、横浜の街なかもあちこち歩いたのですが、本牧、山下公園、マリンタワー、みなとの見える丘公園、華正樓、などなど、ドラマに出てきたところと同じ場所を訪れることができたのが、もう嬉しくて嬉しくて。というか、この頃からロケ地巡りが好きだったんですね、私。そして、あぁどうしてそのまま国内ドラマを好きで居られなかったのか!そしたらロケ地巡りも簡単にできたじゃない。ロンドンもパリもNYも、ロケ地巡りするには遠くて大変なんだよ!時間が経つとどんどん変わったりなくなっちゃったりするし(その辺は国内海外関係ないですが)、そういうのを知ったり聞いたりすると、あああぁあああ、早く、早く行かなきゃってなります(なるだけで実際は行けないけど)。
ただ、赤レンガ倉庫はあまりにもきれいになりすぎてちょっと残念だった。もっとこう鬱蒼とした、昼間でもとても近寄っちゃいけない怪しい雰囲気なのがドラマで見てて好きだったので。

……とまぁちょっと話が横にそれましたが、今回「さらば」のラストは、なにせこんな人気作ですからあのふたりが死ぬのはありえないし、今までも何度も死んだと思わせておいて実は生きてましたから、ニュージーランドで探偵事務所を開いてふたりで仲良く生活してるのはベタだけどいいエンディングだと思いました。王道のハッピーエンドですね。

全エピソードを見たわけではないけれど、個人的に思い入れの深い作品でしたので、タカとユージ、港署の皆さん、長いことお疲れ様でした!の気持ちでいっぱいです。


とてもとても美しく撮れているふたり

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鷹山の銃を構えた時の左手の位置がいつも気になる

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ブラックリスト シーズン2

The Blacklist Season 2 (2015)

S1のラスト、ベルリンとは誰か?トム・キーンはどうなるのかで終わったのだけれど、始まってみれば、重要人物かと思われたベルリンから標的はアラン・フィッチに移り、ベルリンはレッドにあっさり殺されて(これはびっくりした)、それと同時期に現れたフルクラムと呼ばれるものが主題になってきたんだよね。同時進行で、トム・キーンは実は最初はレッドに雇われてリズを守るために彼女に近づいたのが途中で寝返ってベルリンの側についたことも分かった。なのでS1でリズが自宅の床下から見つけた何冊ものパスポートはレッドが用意したもの。本名はジェイコブ・フェルプス。まぁこれも本当の名かどうか分かんないですが。
後半はリジーがレナード・コールの協力を得てフルクラムを解読、これをネタに国家機密局の局長(=結社の一員)を脅してレッドの暗殺を止めさせるんだけど、それが原因でテロ行為にかかわった容疑者として追われることになるのですが。S2最終話、黒幕のトム・コノリーをFBI捜査官であるリズが撃っちゃダメでしょう!しかも目の前に上司でもあるクーパーがいて、彼も必死に止めたのに。そんでもってレッドに電話して「助けて」って、そんなの正直納得も同情もできないなぁ。
最終話ラスト、指名手配犯になった彼女を追わざるをえなくなったレスラーが、リズの写真をガラスボードにぺたりと貼ってからの悲しそうな顔が、見てるこっちも辛くて。一緒に働いてきた仲間や誠実なパートナーにそんな表情させないでよって思いました。

トム・キーンがまさかまたリズとよりを戻すのもびっくりでした。彼はリズとそのまま敵対する関係で、ベルリンのことが片付いたら彼ももう出てこないかな、とまで予想してたので。リズも、自分の人生をめちゃくちゃにされたってすっごく怒ってたのに、なんかもう情が移っちゃったというか、窮地に追い込まれた時に助けてくれた、というのもあるかもしれないけど、結婚時とは違う濃密な仲になるのは私としては、ええぇぇ、でした。
エリザベス・キーンってどうにもこうにも真ん中に一本筋の通ったのものがないキャラクターで、そのせいですごくブレやすくないですか?あと、「私のせいで」って何度も言うの、ほんと勘弁してほしい。いやそれあなたのせいじゃないから、て何度も言いたくなった。
だめだ、主役を好きになれないとあまり楽しめないね。
あとはレッドが危機に瀕しても割とあっさりと助かってるので、拘束されたり瀕死の重傷になっても、あーでも大丈夫でしょ?それ、最終的には助かるでしょ、と思っちゃう。あんまり緊張感がない。デンベが超有能だしね。
ブラックリストに載ってる犯罪者の起こす事件にやたらとウィルス性のものが多いのもちょっと気になったり。

最終話でリズの封印されていた過去が明らかになったので、大きな謎は解明されて一応一区切りという感じ。アメリカのドラマはS2でいったん区切りをつけるのがお約束かな?
S3ではレッドとリズの逃亡劇がメインになるのかなとは思うのですが。残念ながら、この先いったいどうなるの!?という切実さは私にはないので続きはいつかまた機会があれば。


あとはキャストのことを。
S2はジェームズ・スペイダーもエグゼクティブプロデューサーに名を連ねています。
レッドの元妻にメアリー=ルイーズ・パーカー。これまた懐かしい名前です!スペイダーとメアリー=ルイーズ・パーカーが夫婦役ってすごい。
Ep09から出演のデヴィッド・ストラザーン。国家機密局の局長って、まんま「ボーン・アルティメイタム」のノア・ヴォーゼンと同じやないか!と突っ込みました。
そしてEp16の監督がなんとアンドリュー・マッカーシー。先日見たばかりの「トゥルー・カラーズ」で、ジェームズ・スペイダーとアンドリュー・マッカーシーは似てるって書いたばっかりだし、前述のメアリー=ルイーズ・パーカーといい、なにこの80年代を思わせる懐かしい名前の数々は!悶絶しちゃいました。

印象的だったエピソード。
Ep14の人身売買という名目のオークションにレッド自身がかけられちゃうのは最高にエロいシチュエーションでしたが、残念ながら体中散々細かく採寸されてタキシード誂えられて髭もしっかり剃られてきれいにおめかしされても、私はレッドには全く萌えないので……(苦笑)。
あとは、Ep03、04に出てきたミスター・ヴァーガス。彼、最高ですね!家主が留守中、家の中に大型犬をお留守番させていたことに対して「こんな狭い室内に閉じ込めておくなんて!ちゃんと散歩させてあげないとだめじゃない!」とか、「私は血を見るのが大嫌いって何度も言ってるでしょう!?レディントンさん!」て常に逆切れしているヴァーガスに大爆笑。レッドにため口きける人物ってみんな個性的で面白いよね。レッドもまったく嫌な顔せずまぁまぁ、みたいな感じでいつもと違ってなだめる立場になるのもお茶目。

で、私のお気に入りは相変わらずドナルド・レスラーなのですが、Ep17のリズの誕生日回がとても素敵で。レッドからお祝いに渡されたワイン。「大事な人と一緒に飲みなさい」と言われたんだけど、その日に発生した事件は夜遅くにようやく解決、リズが友達と一緒に食事をすると嘘を吐いた店の料理を、レスラーはテイクアウトしてくれたのですね。夜中の本部、薄暗い部屋の中、リズはレッドから贈られたワインを開けて、ふたりで一緒にささやかに誕生日を祝いました。「大事な人」に該当したのはレスラーでした。
もうね、このシーンのレスラー、なんて心の優しいいい男なんだ!と涙が出そうだった。一時は鎮痛剤の過剰摂取に傾いて危うくヤク中かと思われたけど、この友達以上恋人未満ってもう大好きすぎるシチュエーションだったし、このエピで私はレスラーに落ちたといっても過言ではない。もしS3を見るなら間違いなく彼目当てだね。


ザ・コンサルタント

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The Accountant (2016)


非常に斬新で展開も見ごたえがあり、最後のオチが、まるでオープニングで子供の時のクリスチャン・ウルフが完成させたジグソーパズルのように、最後の1ピースがカチっとはまったことで全体図が見えるってのが最高に痺れました。

しかしながらいろいろと書きたくも、いざ書こうとすると感想がなかなかに難しくもあるのですが……そうだな、私はクリスチャンの父親の子育てが非常に興味深かった。クリスマスの後に、おそらく障害児の子育てに耐えきれなくなって家を出て行った妻。妻がいなくなって、あのお父さんは腹を括ったんだと思う。どんな理由があろうと、それを「自閉症だから」という言い訳で負けっぱなしだったりうやむやにはしなかった子育ては、おそらく本人が軍人だからというのもあるけれど、やられたらやり返せ、強くなれ、と育てた結果、兄のクリスチャンは会計士となって社会生活を送ることができたという面では成功だったけれど、同時に暗殺者になったという負の面も背負ったかと。でもこれってすごいよな、とも思う。会計と暗殺の両方の仕事がひとりの人間の中で両立している、そしてどちらも一流って、ちょっと普通じゃ考えられない。会計士として優秀だから、超がつく大物犯罪者の傍にいても彼は死を免れている、いうか、もちろん本人の腕もあるんだろうけれど殺されずに済んでいるというすごい人物。
だからこそ、弟はどんな人生を送ってきたのかなとも思ったし、弟から見た家族はクリスチャンとはまた異なった視点があるだろうから、それも見てみたかった。

前半は会計士としてのクリスチャン・ウルフ、15年分の会計監査を任された会社と、帳簿が合わないことを指摘したディーナ(アナ・ケンドリック)との交流。後半は殺し屋としてのクリスチャン・ウルフ、彼を追うレイ・キングの過去、ディーナを殺そうとした相手を追った末に、会社から雇われて自分を狙う敵のボスはなんと自分の弟だった展開は、すごいな、の一言でした。脚本の大勝利。特にオープニングのシーンは後半すべての謎が明かされる劇的な流れで、1度目に見た時と2度目以降に再び同じシーンを見てもその意味が全く違うっていう。

匿名の寄付金(実は寄付しているのはクリスチャン)で自身の娘のためにも自分で自閉症者向け施設を作った精神科医。あの娘さんは、かつて子供の時のクリスチャンが落として見つけられずパニックを起こしたときに、床に落ちたパズルの最後のピースを拾ってあげた女の子だったのも、そう来たかー!でした。
そしてクリスチャンが歌うマザー・グースの歌。あんなに悲しいソロモン・グランディ、今まで聞いたことがないです。

ちらりと映る小物に実は深い意味がある演出も面白くて。明かされた事実を知ると、特にあの水筒はすごい存在感ある。あのへこみ、そういう意味があったんかよ、しかもずっと使い続けてるんかよ、クリスチャン……。

ベン・アフレックの死んだ魚のような目が、つまり今まではマイナスだったその目がこんなにも生かされた映画はなかった。そしてそのベンアフ、でかすぎて(192cm!)、アナケンとの遠近感がものすごい狂ってた。



今回はシネマシティ立川で見てきましたが、ここは極音、爆音じゃなくてもとにかく音響が素晴らしく良いのです。この映画では特に銃撃戦の音が半端なく重低音で凄まじかったです。特にこのスナイパー銃の威力と轟音は凄まじかった。

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基本は置いて撃つものだと思うのですが、クリスチャンがこれを肩に抱えて撃っているシーンもあって、そうとう重いはずなのにベンアフどんだけでかくて力があるのよ、と感嘆。
私は銃器マニアではないですが、大きい男には大型の銃が似合う。

Barrett M82


あとね、始めは家計のやりくりで相談に乗ってもらったはずの会計士がまさかの凄腕の銃の使い手な上に、自分たちを殺そうと自宅にやってきた男たちを逆に殺しちゃったのを目の前で見たあの老夫婦、びっくりしただろうなぁ……(笑)。ここは唯一お茶目なシーンで笑えました。普段感情を表に出すことはないし、例えや比喩表現といった婉曲な言い方がクリスチャンには伝わりにくいからこそ、ボー然としてる老夫婦に無表情のまま手を振るクリスチャンがね、かえっていいシーンでした。



自閉症に関する本だと
ぼくには数字が風景に見える (講談社)
光とともに…~自閉症児を抱えて~ (秋田書店)
が理解するのに大きな助けになるかと。


コーチ・ラドスール 無敵と呼ばれた男 再見

When the Game Stands Tall (2014)

二度目に見て気付いたことを調べてみたら驚きの事実が色々出てきてびっくりだったので覚書。

初見時は、ずいぶん宗教色の強い話だなぁとは思ったけれど(そして後述するように実際その通りでもあったのですが)、私は主人公のラドスールコーチの言葉はどれもけっこう好きなんですよ。こう、胸にすとんと落ちるというか、大事なものは連勝じゃなくて他のことだよってのを色んな言葉で伝えてくれたのが大きくて。こんなコーチの元でアメフトできた生徒はすごく幸せだったと思うの。
で、私は初見時このコーチはチームに必要な信念を聖書の内容やキリスト教の教えを使って説いている人物、つまりあくまで個人的に熱心なキリスト教信者だと思ってたんですよ。だけど、高校の中庭に十字架が建てられてるシーンがチラッと映って、あれ?と思って。もしかしてここはキリスト系の学校なのか?
で、調べたらやっぱりデ・ラ・サール高校は、ローマンカトリック系の男子私立高校で、生徒の99%が大学に進学するプレップスクール(大学進学に重きを置く高校)とのこと。なのでたぶん生徒はみなさんそうとう頭いいだろうし、Wikiには School fees(年間の学費)…$16,800 ってあるので裕福な家庭でないと通えないよね。スパルタンズみたいな強豪チームであればあるほど遠征試合とかでさらなる金額が必要だろうし。まぁこれは日本の高校の部活でも同じだけど。
ただ、父親はもうおらず、母親も病気で亡くして残された弟を養なわなければいけないキャムは、奨学金が約束されているオレゴン大学への進学を決心したけれど彼の家は明らかに低所得ではあるので、おそらくキャムはデ・ラ・サール高校へもフットボールの腕を見込まれて奨学金を得て進学したのかな、とは思うのですが。住んでいる家の場所も高校からとても遠そうだったし。実際他校のコーチが、デ・ラ・サール高校が強いのは奨学金で優秀な選手を集めているからだ、そうでなければなんでうちの学区に住んでるのに1時間もかけてデ・ラ・サールに通うんだ、って怒ってるシーンがあったし。この辺もやはり日本の高校野球と非常によく似てるかな。ただ、咎められたラドスールは、運動部の生徒に奨学金を出すのは禁じている、とも言ってるんだよね。
テレンス・ケリー(TK)の父親は名前の刺繡が入った作業着を着てるから、おそらく清掃とか力仕事の類の仕事についていることは間違いないし、クリス・ライアンの父親は車のセールスマン。どのくらいの収入があると安心してアメリカの私立高校に通えるんだろ?

ちょっと話が脱線してしまいました。
デ・ラ・サール高校のテーマカラーは白、シルバー、緑。だからアメフトチーム、タイタンズのユニフォームやコーチ、スタッフが着る服は緑や白なんですね。
"Les Hommes De Foi"。これは映画の中で撃たれて亡くなったTKを忍ぶ横断幕に書かれていた一文なんだけど、なんでフランス語と英語の両方で表記され、なぜ「信念の男」と書かれてるのかまったく意味が分からなかったんだけど、これはデ・ラ・サール高校の校訓なんですねー。そしてフランス語で書かれた理由は、高校の名がフランス人カトリックの聖人、Jean-Baptiste de La Salle(ジャン=バティスト・ド・ラ・サール)に由来しているからなのです。ド・ラ・サールは高貴な身分の人々だけでなく平民にも教育の必要性を説き、亡くなった後は教育者の保護聖人になったとのこと。あーあーあーだからかー、なるほどねー、と頷くばかりです。

そのド・ラ・サールから派生したラ・サール会が設立した学校が日本にも2校あって、もうここまで言えば分かるかなとは思いますが、それがラ・サール高校です。高校生クイズの出場常連校と言えばいいかしら?初めて聞いたときは変わった名前の学校だなーって思ってましたが由来が分かってすっごい納得。1本のアメリカ映画が日本の高校にまでつながるとは思わなかったので驚きでした。
こんだけ色々情報を得てから見るとこれはフットボールをテーマにしたスポーツ映画ではないことがよーく分かります。普通ならコーチが心臓発作で倒れるエピは中盤に持ってきてもいいくらいなのに、前半であっさり出してるのもそれが理由かと。つまりはっきり言えばずばり宗教がテーマの映画です。
まぁそれを抜きにしても熱いメッセージの映画ではありますが、ここまで上記のような条件が揃ってたら、そりゃこの仕事をジム・カヴィーゼルが受けないわけないよねっていう(カヴィーゼルは超がつくほどばりばりに敬虔なカトリック教徒です)。

話を戻すと、ということはこの学校の先生やスタッフはみんなカトリックなのかな。ラドスールもコーチ業だけじゃなくてデ・ラ・サール高校で授業も受け持つ教師……だよね?校内の廊下を歩いてたし。何を教えてるんだろ?国語とか神学とか?そもそもLadoceurという苗字からいってフランス系かなとは思うのですが、その辺は調べても出てこなかった。まぁ個人情報なので出てこなくてもいいかなとも思いますが。
ラドスールは2013年にコーチ業を引退しているので、それを待って2014年にこの映画が公開されたのかな、とも。さすがに現役の高校フットボールコーチが映画化って、学校とその周辺にそれなりに影響があるものねぇ。

あとは映画の感想をちょこっと。
ラドスールはことあるごとに、信念や助け合い、愛、この先社会に出て生きていくために必要なこと、周りから信頼される人物になれ、と説くんだけど、周りはスパルタンズにとにかく連勝することしか求めてなくて。いったん負けて、また勝ち始めたけどまだ2勝しかしてないのに、もう前回の記録151勝を打ち破れって大騒ぎしている街のひとたち。応援はありがたいけど期待はプレッシャーでしかなく。
生徒は生徒で、ティーンエイジャーという「今」しか見えてない年頃。強豪チームだからマスコミも押しかけるし当然女の子からはモテるし、いろんな世界を知って若者の将来は何が大切か、必要かを知っている成人したコーチが伝えたいと思うことはなかなか伝わらないわけです。自身も心臓を患って健康に不安もあるし、終盤、はー、なんかちょっと疲れたなー、もう大学のコーチのオファー受けちゃおっかなー、なラドスールには思わず同情してしまいました。自分の歳はどんどん上がっていくのに、接する生徒は永遠に15~19歳の子ばかりだもの。そりゃ疲れも出ますよね。
だから最後はタッチダウンの新記録を余裕で打ち立てるチャンスがあるのに、試合の勝利をコーチに捧げる方を取ったクリス・ライアンの姿に、教え子たちはちゃんと分かっててくれたんだな、とラドスールは救われたと思いますよ。

あと、字幕では「コーチ」とか「ラドスールコーチ」って出るけど、原語では頻繁に"Coach Lad"って呼ばれてるんですよ。日本語とは逆で英語はまず役職名が先に来るんだけど、「コーチ・ラド」ていう呼ばれ方、なんかすごく可愛くない?そう思うのは私だけ?
それと吹替ではラドスールを滝さんが演じているのでこれも一度見て(聞いて)みたいなとは思ってます。


Wikipedia - De La Salle High School (Concord, California)

Wikipedia - Jean-Baptiste de La Salle

ウィキペディア - ジャン=バティスト・ド・ラ・サール