4/1に公開決定

ヴィゴ主演の"Captain Fantastic"。2017年1月公開予定だったのが、邦題「はじまりへの旅」になって、4月1日公開に決まりました。あと4か月。

公式サイト

めちゃくちゃミニシアター系のみでの公開な匂いぷんぷんですが、いいの、公開されるだけマシ。楽しみ♪

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

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Fantastic Beasts and Where to Find Them (2016)


ハリー・ポッターと言ったら仕事で本屋にいた時めちゃくちゃ予約を受けまくって、発売当日は売って売って売りまくった思い出しかない…のですがなぜかこの本のことはほとんど覚えてない。あんまり人気なかったのかなぁ。
そして私は読書は好きだけどなぜかファンタジーだけは子供のころから読んでこなかったので、あまり夢を抱くことのない現実的な大人になってしまった。

ということで、この映画もそんなに乗り切れなかった。空想の生き物が出てくるとさらに乗り切れないっていう…ほんと残念な大人だなって自分でも悲しくなってきますが。
ただし、エディ・レッドメインの演技は本当に本当に素晴らしかったです!やせっぽちの体を青いコートに包み、ちょっとばかり神経質でちょっとばかり人付き合いが苦手で、でも動物とは心を通わせることはとってもうまくて。全編エディ・レッドメインのプロモーション映画だった。あの独特な上目遣いに薄い色の目をカメラが何度もとらえてて、これ、ニュートのキメ台詞ならぬキメ表情だなと思いました。

しかし映画自体はちょっとバランスが悪いように感じてしまって。ニュートが逃がしてしまった動物を探すのがメインなんだけれど、終盤はクリーデンスの正体が明かされるのとパーシバル・グレイブスとクリーデンス・ベアボーンの関係とふたりの対決を描くのにけっこう時間を費やしてて、ちょっと主題がとっ散らかってしまった印象が。
あと、グレイブス=グリンデルバルドていうのがラストに明かされたけれど、冒頭で髪の白いグリンデルバルドの後ろ姿のあと、すぐにNYにいる髪の黒いグレイブスの後ろ姿が映って、このふたりは同一人物なんだって分かったから、ラストの正体を明かした部分に特に驚きがなかった…。

そのグレイブスを演じるコリン・ファレルとクリーデンス役のエズラ・ミラー。どっちもファンタジーって感じの役者さんではないと私は思ってたので、このキャスティングには驚いた。エズラはどんな映画に出ても闇が深い感じするな。コリンも悪役顔なので、そう考えるとこの映画でのキャスティングも案外ぴったりなのかもしれない。
あとグレイブスの着るコート(?マント)の造りがめっちゃくちゃ凝っててものすごいおしゃれだった。

サイモン・ベイカー@東京競馬場



ロンジンのアンバサダーを務めるサイモン・ベイカーがジャパンカップにプレゼンターとして来日すると聞いたので、友人と一緒に行ってきました。実は東京競馬場は自宅からすぐそばなので、こんなチャンスめったにないよね!ってことで。ちなみに彼の作品は「プラダを着た悪魔」しか見た事ありません。ごめんなさい。

予報では雨だったのですが、当日はなんとか小降りで済みました。せっかくだから馬券も買って(残念ながら外れました)、ゴール前、表彰式が行われる場所から一番近い柵の最前列を確保して、そのまま30分ほど待ってたかなぁ。
レーススタート直前、場内の大きなスクリーンに、スタンドの上の階からレースを観戦するサイモンの姿が映し出され、場内拍手。肉眼でも見えましたが、眼鏡かけて少し髭生やしてました。
レース終了後、表彰式のお立ち台が組み立てられた後にご本人登場。私たちのいる前、30mほど先を通っていったので、この時がいちばん近くていちばんよく見えました。時おり手を振りながら表彰台のそばに到着すると、たくさんの関係者と一緒に並んでました。スーツの左胸にはロゼット付けてました。

G1の表彰式は初めて見たのですが、今回はちょっと異色だったかもしれない。というのは一着でゴールしたキタサンブラックの馬主は北島三郎、そして騎手は武豊。華やかですよね。そこへさらにプレゼンターのサイモン・ベイカーっていうとってもゴージャスな式典になりました。
そして私、あんな嬉しそうなサブちゃんは初めて見たかも(笑)。自分の馬がG1で一着だったんですもん、そりゃご機嫌ですよね。観客の拍手と共に、ほんのさわりですが持ち歌の「まつり」まで披露してました!
表彰式自体は色んな関係者が出てきては馬主と騎手に記念品みたいなのものを贈呈、というのが延々続き、最後に記念撮影という進行でしたが、サイモンも途中から壇上に上がり、お辞儀して記念品渡してはまたお辞儀して、を何回も繰り返してました。律儀にお辞儀するサイモン・ベイカーが好感度大でとっても素敵でした。
贈呈式の後は記念撮影。関係者全員が並んで撮るのもあれば、北島三郎とサイモン・ベイカーのふたりが並んで撮影もあって、とっても不思議な光景が展開されておりました。日本の演歌歌手とハリウッドスターのツーショットって、ほんとびっくりよね…(笑)。

表彰式が終わると、サイモンは出てきたのとは逆の方へ歩いて退場。私たちのいる場所とは反対側だったのでまったく見えませんでしたが、先に彼を追いかけていった友人は、「観客に投げキスしてた!」そうです。サインや写真撮影等のファンサービスは特になし。
一緒に見に行った友人は、「眼鏡は外してほしかったな」と言ってましたが、私は逆に、へぇ、オフは眼鏡してるのね、私生活が垣間見えていいじゃなーい♪って思いました。ふふふ。

写真はgettyやロイター等に素敵なのがたくさん上がっているかと。私はiPhoneをズームにしただけな上、夕暮れで暗くなる中切ったシャッターだから、ボッケボケのブレブレ写真を大量生産。なんとかまともに撮れたのを上げときます。



ハリウッドスターを間近で見られる楽しいイベントでした。行ってきて良かったです。

そうそう、表彰式が始まる時に、私の斜め後ろあたりにいた若い男性が、「誰が来るの?えっ『メンタリスト』の人?俺そのドラマ見てる!めっちゃ面白いよな『メンタリスト』。うわ、マジで!?その人がこれから来るの!?」って興奮気味に話してて、でもとっても嬉しそうだった…(笑)。

POI S5 Ep13 John Reese and Harold Finch

S5Ep13の別立て記事です

・ジョン・リース
"When you find that one person who connects you to the world, you become someone different. "
リースのこの台詞で始まったこのドラマ。S4に続いてS5でもリースとフィンチが一緒にいるシーンは決して多くはなかったし、話が進むごとに彼らのいる場所がどんどん離れていくので、ふたりの関係がどのように描かれて終わるのか実はとても心配してました。また、私はリースについてはこの記事この記事で書いたように、最後はおそらく彼が死んでしまって終わるのだろうな、とも思ってました。実際、S5で決定的なシーンだったのは、Ep03ラストで普通の人生に背を向けて歩き出すリースの後ろ姿、そしてそこにかかってきた電話と「リース君、新しい番号だ」「今行く」の台詞でした。あぁもう最終話を迎えたらリースにその先はないな、と。
ですが、フィンチとの絆をここまで深く感動的に描いてくれるとは思わなかったです。これはもう、私の予想をはるかに超えていた。そしてこのドラマが完璧に終わるためには、実はリースは生きているのでは、という可能性は微塵たりとも残さないことが求められますが、そういった描写は一切なかったのは潔いくらいでした。打ち切りが決まり、最終シーズンは13話に減ってしまいましたが、それでもこんな素晴らしい終わり方をしたことには心から感謝です。

そしてやっぱり私にとってはこのドラマはジョン・リースの物語。闇と孤独の中にいたリースに手を差し伸べてくれたのはフィンチ。そのフィンチに救われたリースは、自分を世界と繋いでくれたフィンチのために生きて、フィンチを護って死んでいった。彼が死んでしまったことは本当に本当にとても悲しいですが、それと同じくらいこのドラマのラストは彼の死で終わることがふさわしいし、それ以外は考えられない。だから終わり方としては私は大満足してます。完璧でした。
Ep13で、リースの父が4人を助けて死んでいったことでまだ幼かった彼の中に英雄願望が芽生えた描写がありましたが、私はリースがもともとそういう考えを持っていたことより、いったんはすべてを失って死んだも同然だったリースが、救い出してくれたフィンチのために生きたという面を重要視したい。ここにきて突然父親のエピソードが挿入されたのは少し違和感も感じてて、なおさらそう考えてます。リースには英雄願望も自殺願望もないでしょ?って以前考察で書いたしね。

私はS4Ep22の感想で、

自分のせいでリースが死ぬのは望まないフィンチと、自分が死ぬのはフィンチを護る時と思っているリース。このねじれっぷりがまさしく「パーソン・オブ・インタレスト」というドラマ

って書いたけど、ラストはまさにその通りになっちゃったんだなとも思いました。リースもフィンチも、お互いがお互いを絶対に死なせまいと最後の最後まで深く深く思いあっていた。それはどうしてかと問われたら、誤解を恐れず言うならそこには愛があったからだと思う。それはふたりの間に確かに存在していた。なのにどちらも相手を思いあって行動した結果が相手が最も求めていない方向になったり、相手を苦しめてしまうのがこのドラマの核であり、そこから生まれる猛烈な切なさや抗いがたい深い魅力が、見る側を捕えて離さなかったんだと思う。
フィンチもリースも、相手を守ろうとすればするほどその人を自分から遠ざける。お互いがいちばん相手のことを思いやってすることが、相手がいちばん望まないことだなんて、このふたりは最後の最後まで思いが届くことのなかった両片思いのようなもんだったんじゃないかな…。
今までたくさんの命を救ってきた。でも最後、救う必要があったのはたったひとつ。それはフィンチ。リースはこの言葉を屋上で言いましたが、屋上といえば過去にも彼らが死線ぎりぎりのところまで行った出来事があった。S2Ep13でフィンチがリースの体に括り付けられた爆弾を解除したのは夜のビルの屋上。あの時ふたりの間には過去のしがらみは何もかも消え失せ、生きるか死ぬか、その一瞬に全てを懸けた姿が最高に心震えました。そしてその時背景にはライトアップされたクライスラービルが映っていましたが、今回のEp13でも、時間帯こそ朝ですがやはり同じようにクライスラービルが映ってました。しかし爆弾回の時とは違い、フィンチとリースは別々の建物にいてお互いとても遠い距離のところにいたけれど(画面でも、フィンチから見たリースの姿とリースから見たフィンチの姿が本当に小さくてものすごく悲しかった)、でも心の距離はS2Ep13の時以上に、今まででいちばん近かったと思う。
何も持ってなくて、何も残されていなかったリースの人生にたったひとつだけ存在した、いちばん大切な人を護ってこの世を去ることができた。リースはこれ以上ないほど満たされて逝くことができた。それは長い長い旅路に果てにリースがようやくたどり着いた場所。5年かけて描かれた、リースとフィンチの究極の愛の物語だったとも言える。
そしてマシンが学んだこと。人は死んでも誰かが覚えていればその人の中で生き続ける。これはつまり、S1Ep01でフィンチの言った「遅かれ早かれ共に死ぬだろう」が本当になったともいえる。リースは死んだ後もフィンチの中で生き続ける。フィンチが死んだ時がリースの本当の死。だから彼らは一緒に生きて一緒に死んでいく。あくまで私なりの解釈ですが、1話目の最も印象的で、最も彼らふたりのその先の運命を的確に言い表した台詞を、最終話で見事に回収してくれました。これ以上のラストはないです。本当に、本当に、素晴らしいエンディングでした。

人は何のために生きるのか。人が生きる目的とは何か。大切な人、愛する人に対して自分はどう生きていきたいか。ハロルド・フィンチと出会って彼からその答えを得ることが出来たジョン・リースは、とても幸せな人生だったんだなと思う。今も時々、ふとリースのことを思うと涙がぽろりとこぼれますが、私は彼の死はそんなに辛くはないと思えるようになってきてます。時間が経てばまた違う解釈も生まれてくるだろうけれど、今の時点ではこう考えています。

・マシンとリース
Ep13でリースは「マシンと取引をした」と言っていましたが、それはいつの時点だったのかな、と考えた。
リースは機械なんて信じてないし、S3Ep13を見ても分かるようにマシンとも仲が悪かった。でも、S4ラストでリースの方からマシンに"Can you hear me?"と尋ねた時には取引は成立していたのかなぁ。いやもしかしてS2Ep01で今までのルールを変えてAdminのフィンチを探せと言った時かなぁ…さすがにそれはちょっと早すぎるか。そうするとやっぱりS5Ep03の直後かなぁ。その時はオープンシステムだったし。
マシンもマシンで、Ep02で再起動してまだ時系列がごっちゃになってた時、フィンチが一生懸命自分たちを敵ではないと教えていたけれど、フィンチやルートのことは味方と理解したのに、リースのことだけは最後まで敵性ありとみなしていたんだよね。だからそんなリースとマシンの間で取引が成立する理由は何かといったらそれはたったひとつしかなくて、フィンチの命の為なのです。
だからたとえフィンチがリースを金庫に閉じ込めたとしてもそうでなかったとしても、フィンチを守るための他の道はいくらでも用意されていただろうし、どの道を選んでもフィンチは生かされ、リースの死は免れなかったと思う。

・ハロルド・フィンチ
リースに比べて私のフィンチに対する考察は浅いのでちょっと申し訳ないですが…S5の最後の方は、フィンチ自身がどんどん孤独になり闇の中に進んでいったので、最後はどう落とし前をつけるんだろう、というのが私は気になっていました。自分自身に戦闘能力はないフィンチは、最後の方こそマシンの力でゴッドモード化していたけれど、フィンチを守ることができるリースをあんな分厚い扉のある金庫に閉じ込めてまでひとりで片をつけようとした彼は、もう誰も巻き込みたくない、大切な人ならなおさら、と考えているんですよね。もしあの後マシンの助けと共に全ての片を付けて生き延びられたら、そしてリースの命を守れたら、それがフィンチにとっての一番望む幸せな終わり方なのかなぁと思った。
ただ、金庫の柵越しにリースに"Good-bye"と言っているので、その先フィンチは自分は死ぬだろう、もしくは死ぬつもりであったことは間違いない。
フィンチはリースとはあくまでビジネスライクな関係を保ちたかったんだろう。それは前任者のデリンジャーを亡くしているのもあるし、リースに対してはラップトップにまつわる罪の意識もあったから。ところがジョン・リースという人間は、フィンチが思った以上に情が深く心根が優しくとても繊細で、そしていちばんの誤算だったのは彼がフィンチを恐ろしいほど大切にするようになったことだと思う。フィンチが思っていた以上にリースの愛情は深く大きかったし、そしてフィンチもいつの間にかそれを受け取っていて、リースの愛があることが当たり前の人生になっていたんだと思う。
そのリースがフィンチを救って死んでいったことは、彼にものすごい喪失感をもたらすと思うんです。そしてこの先のフィンチの人生にどう影響を及ぼすのか。フィンチにとって仕事上のパートナーとして存在した人間はネイサン、デリンジャー、リースの3人。そしてその全員を亡くしている。これってものすごい悲惨なことだと思うのですよ。
ラスト、フィンチはグレースの元に行ったけれど、彼女に再会した時の顔があまりにも悲しげで、私は彼が幸せそうにはあまり見えなくて。フィンチは大切な人たちを喪った痛みと共にこの先ずっと生きていかないといけないのが一番つらいことなのでは、と思った。リースの生死にかかわらず、フィンチ自身は死んでしまった方が実は楽なんじゃないかとさえ思う。S5Ep11で「私はまだ裁きを受けていない」と言ったけれど、死ぬまで大きな喪失感と共に生き続けることがフィンチが受ける裁きなのかなぁ。
正直、グレースとハロルドがこの先一緒になったとしても、お互い幸せになれるのかな、という疑問もある。彼は1ドルで世界を売り渡した男。助けた命もあったけれど、自分が創り上げたもので多くの人生を狂わせてきた。自分の目でたくさんの死を見てきた。そんな経験をした後で、5年ぶりに会えた愛する人と、この先ごくごく普通の平和な人生を築いていくことはできるのだろうか…まるでこれは初期のリースと同じではないかとさえ思うのです。そうすると、ドラマの一番最初のリースのモノローグは、全てが終わり、ひとり残されたフィンチにも当てはまるのか…。
グレースもグレースで、彼女から見たハロルドは、IFTに勤める知識が豊富で話や趣味も合う5年前の素敵なハロルド・マーティンのままで止まっているんですよ。だけど数年ぶりに再会は出来たものの、思い出の中のハロルドと違って、目の前にいる彼は大きく変わってしまっているはずでしょ。それってとてもショックを受けるんじゃないかなぁ。
なのでふたりが再会したラストも、決して後味が悪いわけではないけれど、ハッピーエンドではないと思ってます。もしかしたらフィンチはすべてをグレースに話した後、再び彼女の元を去るのかもしれない。
それでも、フィンチがこの先長い時間をかけて笑顔と前向きに生きていく気持ちを取り戻せますようにと願わずにはいられません。



POI S5 Ep13 (Grand Finale)

私はS5はEp05あたりから冷静になってちょっと醒めた感じで一歩ひいた見方をするようになったので、最終話も淡々というか粛々と落ち着いて見るんだろうなと思ってたんです。でも見始めたらそんな気持ちはどこかへ吹っ飛び、もうこれで最後なんだ、この先新しいエピソードはもうないんだと思ったら、かなり最初の方で涙腺崩壊してしまって。あとはずーっと泣きっぱなし。握りしめていたタオルハンカチがびしょびしょになるまで泣きました。人間こんなに泣けるのかってくらい泣けて泣けてどうしようもなかった。見終わった後も大号泣で、結局その夜は一睡もできませんでした…。なので冷静なレビューではないし正確さには欠けます。

Return 0

冒頭でビルの屋上にやって来たフィンチ。押さえている手を腹から離すと、着ているベストも手も血でぐっしょり濡れている
マシンはとうとう声だけでなく、姿もルートとなって可視化されました。そしてこのルート、息を飲むほど美しい。とにかくこのエピソードは誰もが非常に美しく撮られています

 

全編を通してマシンが学んだことが随所に挟まれていき、冒頭ではいくつかほんの短いフラッシュバックがスローモーションで差し込まれるんだけど、跪いた状態で銃を向けられて目を閉じ、再び開けるリースの瞳の色が独特でめちゃくちゃ美しくないですか!?あまりに綺麗でここ何度も見返しちゃいました
八分署に戻ってきたリースとファスコ。しかしここも既にサマリタンに押さえられてて、署内でそのまま逮捕という形で捕まったリースとファスコ。手錠と足かせつきで港に連れてこられてしまう
リースに「ルルー捜査官はどうした?」と訊かれて、トランクに詰めてある、とニヤリとするファスコ。そう、これはS1Ep01を思い起こさせる台詞ですね。ここで私の涙腺は崩壊しました。思えばこのふたりはいちばん最初のエピで、片や得体の知れない男を車に乗せてオイスター・ベイで殺して埋めるつもりの悪徳刑事、片やその悪徳刑事が防弾ベストを着けてることを確認するといきなり背中から至近距離で数発撃ちこむ元CIAっていうすごい出会いをしたのですが、あそこでファスコが生かされた意味は間違いなくあったんだなぁ…
あわや射殺というところでソーンヒルインダストリーズの人間が遠方から狙撃してふたりは助かるのだけど。ここでこうやってふたりの命を助けることができるなら、他の場面ではなんでできないんだって思っちゃうけど、マシンは死にかけてるからもうそういう手助けは出来なくなってるんだね
「あんたには借りができた」「なるべく早めに返してくれ」「いつかまとめて返すよ」…フィンチとリースのこのやり取りは、のちの屋上でのシーンに繋がります
港を立ち去る時の監視カメラに映ったファスコがとうとう黄枠になってるー!!!ってもう前になってましたっけ?あ!リースにあの橋のたもとに連れてこられた時になってたか!なってたね!なってたよそういや
フィンチと対話するマシン。シャットダウンまであと8分半。マシンはたくさんの人の死を見てきた。でも、死は美しいものではあるけれどそれに意味を見いだせない、と
マシンの「誰もが最後は一人で孤独に死んでいく」("Everyone dies alone.")は、リースがジェシカに言った言葉、「人は結局最後は独りだ」("In the end, we're all alone.")を思い起こさせます
地下鉄の基地で、リースはファスコに"Try not to die."と言いましたが、これが彼らが最後に交わした言葉になったんだね…
マシンはルートのメッセージをショウに伝える。あなたはあなたのままでいい。それがいちばん美しい。あなたはまっすぐな矢印。他人の感情を理解できないショウは、今まで自分を欠陥品だと思っていた。だからこの言葉は嬉しかったと思う。自分を肯定してもらえたから。一筋の涙を流し、そのままそれをぐいっとぬぐい取ったショウ。ここからラストまでのショウはとても美しい。私は彼女のすがすがしい笑顔がいつも好きなのですが、ラストでは口紅も心なしか明るい色になったし、ファスコと話す顔が本当に爽やかで。前はリースから怒(おこ)り顔って言われてたくらいなのにね
ショウがマシンに"Good-bye"と別れを告げました
そしてあの古い地下鉄の車両が動くことにはびっくりしました!まだちゃんと通電するんだ!一緒に見てた夫と「これ動くんだ!」って驚きでした
ちなみにニューヨークの地下鉄には閉鎖された駅があって、今もそこを見ることが出来るよ、という記事をたまたま読んだのですが、その記事の写真を見てみるとこのドラマの地下鉄の駅は間違いなくこの廃駅をモチーフにしてますね。しかも今も訪れることが出来るそうで、行ってみたいものです

『70年前に閉鎖となった美しい廃駅The Ghost Station / ザ・ゴースト・ステーション』

ファスコとショウがサマリタンの戦闘員やジェフ・ブラックウェルに立ち向かう一方で、フィンチはマシンのコア部分のコピーが入ったブリーフケースと共に、リースを連れて連邦準備銀行の地下の巨大な金庫に到着。ここにはサマリタンのサーバーのコピーがあるのでそれにもウィルスを入れて潰してしまおうというわけで
銀行の入り口の警備員に、このブリーフケースの中には熱核兵器があるよって大嘘をぶちかますフィンチ。フィンチの少し後ろにいるリースがそれを聞いてる時の表情がなんともおかしくて
「あんたにそんな新しい面があったなんてな。空恐ろしいけど そんなあんたも好きだよ」(Oh, I like this new side of you, Finch. It's terrifying, but I like it.)…この後の展開を思うとリースのこの台詞さえひどく愛しい。だって2回も"like"を言ってるんですよ!もうリース君どんだけフィンチが好きなのよ
そしてガスで館内の人間をみんなを眠らせてしまう計画に、なんだかとっても楽しそうなリース…(笑)
リースとフィンチ、ふたり揃ってガスマスク姿だよ。ちなみに眼鏡は外さないといけないんですね?
マシンが開けてくれた巨大な金庫。ものすごく重厚な扉には圧倒されました。ここで敵に襲われたリースが最後は近くにあった金塊をひっつかんでぶん殴ってとどめを刺すのですが、この敵役の男性はジム・カヴィーゼルのスタントをずっと務めてきた方だそうです。なかなか憎い演出だし、同時にお互いやりにくくないのか?とも思うし(笑)
フィンチは腹を撃たれるのですが、もしかしてリースってフィンチが撃たれたことに気付いていない?
感染を逃れようとサマリタンは回線を伝って地球を脱し、なんと宇宙にある衛星に逃げ、さらに邪魔されないよう軍艦内のプログラムを乗っ取って巡航ミサイルを作動させる行動に出る。これ、私は見てて本当に怖いと思いました。意志を持ったAIがここまでできるなら、人類なんかあっという間に滅んじゃうよ
巡航ミサイルの標的にされたアンテナがあるビルに行って、マシンのコピーをアップロードした人間は生きては帰れない。マシンからそれを聞いてフィンチはちらりとリースを見るのですが、ここで決意したかな、リースを死なせないようここに閉じ込めよう、と。そしてフィンチがそう考えたようにリースもまた、フィンチと同じ決断をするのです。悲しいほど似た者同士
シミュレーションでは一度もサマリタンに勝てなかったマシン。やはりここで、誰かの犠牲があればもしかしたら勝てるかもしれないという、かなり不確定な要素の上に成り立つ最後の大きな賭けに出るんですね。もし失敗したらマシンは完全に敗北するのだから
そのミサイルを阻止するために、ブリーフケースを手にしたフィンチは先に金庫を出て、リースがまだ中にいるのに柵を閉めてしまう。愕然とするリース
金庫の柵越しのフィンチとリース。この「柵越し」という、お互いがお互いを助けたい、生きていてほしいという同じ気持ちを持っているのに、その結果取る行動は相手がいちばんしてほしくないことになっちゃうのが、彼らが永遠に越えようとしない、越えられない境界線がある描写に思えて。フィンチもリースもいつも自分のことは二の次で、相手のことだけを一番に考えてて。そして大切に思えば思うほど相手を遠ざける。もしもここで、お互いの生死にかかわらず、共に、一緒に、と考えれば良いのに、でも決してそうはならないのがこのふたりなんだよね…
そしてフィンチがリースに言った言葉。

When I hired you, I suspected you were going to be a great employee.
What I couldn't have anticipated was that you would become Such a good friend.
I'm afraid this is where our partnership ends.
Good-bye, John.

雇った時に、君は優秀な部下になると分かっていた。だけど予想外だったよ、こんなにもよき友人になれるとは。
でもその関係はここでおしまいだ。さよなら、ジョン。
そう言って立ち去るフィンチ、ゆっくりと閉まり始める金庫の扉。フィンチの後ろから、必死に彼を呼ぶリース。
フィンチ 待て ハロルド ハロルド!
リースは普段からあまり取り乱すことはないしいつも冷静な話し方をするけれど、だからこそこの時のリースがフィンチを呼ぶ悲痛な声が本当に本当に切なくて。こんなリースは今まで見たことがない。ここは断然原語で聞くに限ります!
あんな頑丈な金庫に閉じ込めてまで、フィンチはリースを守りたかったんですね…
リースはどうやってあの金庫から出られたのかと謎だったのですが、入る時もマシンが開けてくれたから、マシンが助けて開けてくれたのか。またこれは後述する、リースはマシンと取引をしたからなんですよね
外に出たフィンチに、マシンは他に誰かあなたを手助けできる人を見つけるわ、と言うのですが、フィンチはそれを断り、私が始めた事だから、私が終わらせる、ひとりで。ときっぱり断っている
翌朝、ようやくビルの屋上にやってきたフィンチ。背後で聞こえた物音に過剰に反応して、とっさに銃を向けている。S4で「私が銃を手に取るのは全てを失った時だ」と言いましたが、まさしく彼は、リース以外は失った、または失おうとしている時だと思っている
フィンチが訝しげに「本当にこのビルでいいのか?」と問うたのに対し、マシンは「あなたはここでいい」、そして向かいのビルの屋上に現れたリースも「フィンチ、あんたはそこでいい」 ("Right building, Finch. For you.")と
マシンとリースの言う「その場所で合ってる」は、フィンチを助けるための場所という意味で「合ってる」で、フィンチにとっては自分の場所は間違っている、というこの台詞のうまさとそれを知ったフィンチの絶望の深さ
マシンはAdminのフィンチに嘘をついた。なぜならリースと取引をしたから。ずっと前にした、とリースは言いましたが、いつ取引したのだろうか。これはすごく重要に思えます。だってマシンはその取引後はフィンチに対して出す指示が変わってくると思うので
そして屋上でのフィンチとリースのやり取りは、すべて書き起こしたいくらい素晴らしい
「言ったろ?借りはまとめて返す主義なんだ」…これは冒頭で射殺されそうになったことだけでなく、2011年に死ぬ間際だったリースをフィンチが雇ったことも含まれている
フィンチの持つブリーフケースの中は実は空(重さで気が付かなかったのかな?とは思いましたが撃たれてたしギリギリの状況だったからかな)。金庫の中でリースがフィンチに背を向けて何やらこっそりしてましたが、中を入れ替えていたのですね

At first, well, I had been trying to save the world for so long, I saving one life at a time seemed a bit anticlimactic.
But then I realized sometimes one life If it's the right life That's enough.

長い間、世界を救おうとしてきたけれど、ひとりずつ助けるのは物足りなかった。でも気付いたんだ たった1人の命を救うことが大事なんだと。それで十分だ

「君には生きる目的が必要だ」。そう言ってフィンチはリースを雇ったけれど、長い時間を掛けてリースが知ったその「生きる目的」はたった一つ、フィンチの命をまもること。向かいのビルの屋上から立ち去るフィンチを見送ったリースが見せた笑み。なんて穏やかなんだろう
私は出来る限りジョンを助けるわ。あと30秒しか残されていないの。そしてマシンはそっとリースの肩に手を掛ける。彼らはどちらもまもなく死にゆく身。リースの最期はマシンと一緒だったことも感慨深い。同じ目的を持ち、意志を分け合い、共にフィンチを守り切ってこの世を去っていきました。リースはフィンチの前で、スーツの男として最後まで自分のなすべきことをしたんだね
そして最後は銃弾を浴びて死んだリース。それは軍人を経てCIAに行き、その手には常に銃が握られ、多くの人間に手を掛けてきた彼にはある意味ふさわしい最期なのかもしれない

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雨の中、父親の葬儀で立ち尽くす幼いジョンの肩にもそっと手をかけていたマシン。私はここはちょっと分からなくて。4人の命を救って亡くなった父親は、リースが「死ぬ時は誰かの役に立ちたい、誰かのために死ねたら」という思いを持つようになった存在だったという意味なのかなぁ

たくさんの間違いをおかしてきた。助けられなかった命もたくさんあった。それでも助けられた命もあった。そうでしょう?そう尋ねたマシンに、"Yes, we did."と、一言一言区切って肯定したフィンチ
マシンがたくさんの死を見てきて学んだものはなにか。人はみな一人で死んでいく。でも、助けたひとや愛する人が、ひとりでもその助けてくれた人のことを覚えているのなら、それは生きているのと同じ。彼らの思い出の中で生きる。だからリースも今まで助けてきた人たちが彼のことを覚えているならその中で生き続ける。フィンチの中でも。そしてフィンチが死んだ時がリースにとっての本当の最後の死。
リースを見つめるフィンチがものすごく透明度の高い表情で。今までふたりとも何度も生き延びてきた。どちらかが危機に直面すれば、なんとしても助けに行った。でも今回ばかりはリースを助けることはもうできない。彼が生きて帰る可能性はもうない。自分を生かすためにリースがこれからしようとすることを全て受け入れた顔なんだよね、あれは…



ラスト、フィンチがグレースの元に行ったことは、私はそれが特にいいとも悪いとも思わなかったです。フィンチにはそういう人生が選択肢として残されていたんだな、と。ただ、この時のフィンチの表情がとても悲しげなのが私は気になって。マシンの創造主としてやるべきことをやりげた彼が最後を飾るには、あまりに悲しい顔で
すべてが丸く収まってめでたしめでたし、で終わるドラマではないことは重々承知だけれど、フィンチの中では何かこう、心残りなものがあるままで幕が下ろされたことで、笑顔になれないというか。グレースと再会はできたけど、でも…みたいな感じかなぁ…。フィンチはこの先も生きないといけないですが、これはこれで辛いことだと思う

そして墓標。リースはずっと前に「俺も本名では死ねそうにない」(S1Ep08)と言ってましたが、墓標は "JOHN TAL"までは映ったので、本名で死ねたのですね(でも刻まれている誕生日が5/1じゃないんだよねー!)。リースの本名は最後まで明かされることはなかったですが、私はこれでじゅうぶん満足。彼は他の誰でもないジョン・リース。その方がミステリアスな感じでいいな。それを言ったらフィンチもですが。そしてリースの墓はフィンチが弔ってくれたのでしょう。棺の中は空っぽだけどね…

ファスコは刑事の職を続けました。そして死ななかった。良かった。私の予想はあたり!あの遠慮ない物言いと、良い意味でリース達の場所にずかずかと入ってくるファスコは間違いなく最後まで愛されていました。今回はリースの"Try not to die."の返事が"Yeah, I love you too."には、どこまでもファスコらしいぜ!って思いました。もう大好き!
彼は最初こそ悪徳刑事として登場だったけれど、誰よりも普通の人生を送ってきたとも思うの。だからこそファスコもまた、人生のある短い時期にメガネのジーニアスとワンダーボーイとイカれねーちゃんと暴力女と一緒に過ごした時があって、長い時が経ち、歳取って振り返った時に、あぁそういやそんな奴らがいたなぁ、あいつらほんとどうかしてたよなって笑いながら思い出すんだろう
ダイナーでショウと会話してた時は、ふたりともフィンチとリースの行方は分からないと言ってましたが、おそらくファスコはファスコなりの解釈をしていると思います

マシンは生き残った。そして無人の地下鉄駅に壁にある公衆電話が鳴ると、そこから線が伸びた先にあるオープンリールデッキ(これはS1Ep01でフィンチがリースにDV被害者の声を聞かせた時に使ったものかと)が動き出し、S5冒頭の「私たちが残せたのはこの声のみ」(マシンが選んだルートの声ではなくて、ルートが予めデッキに吹き込んだルート自身の声)が流れ、そしてPCが起動、システムが動き出して指示待ちの状態に。電話のベル音でデッキが動き、システムが再起動する条件に設定されていたんですね。これは生前のルートが仕込んだコードでこうなったのかと。でもフィンチの指示でしか作動しないって言ってたし。そう考えるとフィンチ自身の声と、マシンに言った"Good-bye"という言葉が作動の条件なのかな。そうするとやっぱりこのシーズンの鍵は間違いなく「声」ですね。
ラストは、S1Ep01とS1Ep23でリースが監視カメラを見上げたあの交差点にベアーを連れたショウが現れ、そしてS1Ep23とS2Ep01でリースが出たあの公衆電話が鳴り、ショウがその受話器を取りました。そしてS1Ep01のリースのように笑みを見せるとショウはそのまま人ごみの中に姿をくらませるシーンで締めくくられました。音楽も過去の同じシーンとほぼ同じ。同時にこの世界からリースがいなくなったことをはっきりと認識させられたシーンでもありました

このエピはたくさんの"Good-bye"がありました。フィンチがファスコとショウに、ショウがマシンに、フィンチがリースに、リースがフィンチに、マシンがフィンチに、そしてフィンチがマシンに。どれもみな、涙なしでは見られない別れの言葉
しかしこうやって書き並べると、ファスコだけはさよならを言ってないんですね!いやほんと、ファスコ愛しすぎる。以前リースが「あいつの生命力はカビ並み」って言っていたのを思い出しました。ファスコ本当にすごい

あまりにも美しく圧倒され、忘れがたい13話のレビューはこれにて。これとは別にもう一本記事を別立てします。

劇中に使われた曲は以下の通り。1曲目は映画「エクス・マキナ」の挿入曲でもありました。あちらも人工知能を描いた作品なので、この曲が選ばれたことは非常に興味深い

CUTS - Bunsen Burner (Ex Machina)

この曲はもう…涙が止まりません。ダメだろこんなぴったりすぎる曲探してきてさぁ…

Philip Glass - Metamorphosis 1