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Single Father

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Single Father (2010)


全編登場人物が全員めちゃめちゃスコティッシュ訛りの強い英語を話す全4時間、かつCCもないので、理解度は30%!
題名のとおり、ある日突然妻のリタを交通事故で亡くした男がその後の生活に奮闘する話、なんだけど。妻を喪った夫デイヴ(デヴィッド・テナント)の心情を細やかに描くお話なのかなと思ったら、妻が亡くなった10週間後には妻の親友サラと寝てて、えー! ってびっくりしちゃって。わたしは考えが古い人間でアレなんですが、亡くなったあとも大切な妻(or夫もしくはパートナー)をずっと想う人っていうのが好きなので、ちょっとこれはnot for meだな……って思いながら最初から最後まで見てて。誰に感情移入すればいいのやら、って悩んでいるうちにお話が終わってしまったのであった……。

リタとデイヴ、どちらも離婚歴ありのふたりは事実婚で、籍は入れてない。さらに子供たちも、いちばん上のターニャはデイヴと前妻の間の子ですでに成人済みで家も出て、カメラマンの仕事をしているデイヴが経営する写真館のアシスタントの仕事をしている。
ルーシーはリタと前夫との間の子、そしてポール、ユアン、イーヴィはリタとデイヴのあいだに生まれた子どもで全部で5人の子がいる家庭。妻を失って育児を一手に引き受けることになったデイヴ(当然、経済的な問題ものちのち出てくる)に妻の死を悲しんでいる時間は正直ないだろうなと思いましたが、でもその悲しみを埋めるかのように妻の親友と寝るようになってって、ダメだ、やっぱりわたしはこのへんのくだりはちょっと受け入れられない……。

で、母親の死がきっかけかどうかはちょっと分かんないのですが(求むスコティッシュ・イングリッシュのリスニング能力~!)、ルーシーが本当の父親に会いたいと言い出したのもあって、リタの死を伝える必要があると感じたデイヴはルーシーより先にその父親と会うんだけど。実はその父親、スチュワート(ルパート・グレイヴスが演じててびっくりでした!)は、ルーシーが生まれたあともリタと定期的に会ってはルーシーの様子を聞いたり写真を送ってもらったりしていたんですね。
デイヴはそのことをまったく知らなかったので、どことなく妻に裏切られたような気分になっただけでなく、じゃあリタとのあいだに生まれた3人の子は本当に自分の子供なのか? という疑問が生まれて。まぁそのへんは当然な流れではあるよね。意を決してデイヴはDNA鑑定を申し込むんだけど、結果は3人とも自分とリタとの子だと分かって。
それでホッとしたというか、吹っ切れたのかな。新しい人生に足を一歩踏み出すには、サラが一緒であってほしいと願ったデイヴは、職場である小学校をとつぜん辞職して、引っ越そうとしているサラのもとに駆け付け、愛しているよと伝えてハッピーエンド、でした。サラの恋人マットはどうなのかなってちょっと引っかかったけど。お料理上手でサラのこと心から愛していたのでね。

これ、こどもたちの心情はどうなんだろう? あ、決してお父さんが恋をしちゃだめっていう意味じゃないですよ! でも子供たちは前からサラのことを知ってるから、お父さんの恋愛をすんなり受け入れられたのかな。ルーシーは多感な年頃ではありますが、ほかの子たちはまだ幼いのも幸いしているのかなぁとか色々考えたけど。うーん。


……とまぁこんな感じでたぶん全体の2~3割くらいしか理解できてない感想でした。
バイクに乗るテナントはかっこいいね! この人の細身でしゅっとした体型はもろ私の好みだし、黒目が大きくていつもびっくりした表情だけどそれがまたよいなって思うし、じゃあなんでわたしは「グッド・オーメンズ」はさらっと見て終わったんだろうって考えたんだけど。あの蛇の金色の目がどーーーーしても苦手で。爬虫類全般がムリ(ついでに言うと両生類もダメ)なので、クロウリーのあの目をずっと見るのがつらい……。

ということで、次は9月レンタル開始の「バッド・デシジョン」、続けて「ドクター・フー」を見る予定です。年内はテナント祭りだわっしょい。

シンプル・フェイバー

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A Simple Favor (2018)


「息子のお迎えを代わりにしておいて」というささやかなお願い(=シンプル・フェイバー)を電話口で伝えたまま姿を消した友人の行方を捜すことになった女性のお話……なんだけど。ポスターがかっこよくて楽しみにしてましたが、全方面で詰めが甘くてゆるい、ミステリーなのかコメディなのか謎な映画だった。アナ・ケンドリックとブレイク・ライブリーの服がスタイリッシュで素敵だったけど、あとはまぁどうでもいい話だった。脚本もうちょっとなんとかならなかったのかな。

そもそも出会ってまだ半年しか経っていないの相手を「親友」って呼ぶのにびっくりしたけど、マティーニ飲みながら互いの秘密を打ち明けあったのが理由だとしたら、それはそれでそういうもんなのかなーって。友達の定義とは案件再び。
ステファニー(アナケン)がなくなった夫が掛けていた生命保険で安泰した生活を送れているというのを知ったエミリーと(ブレイク・ライブリー)ショーン(ヘンリー・ゴールディング)の夫婦がエミリーに掛けた保険金を得ようと偽造殺人を企てるんだけど、その計画がゆるすぎてもう。そんなのすぐにばれるにきまってるじゃん! な計画性の杜撰さもすごければ、本人たちの堪え性のなさも逸品で。

どうもよくわからないんだけど、NYの有名ブランド会社に役職付きで働く高給取りのエミリーがなんで1時間半もかかるコネチカット州に住んでるんだろう。エミリーの性格も着ている服もなにもかも明らかに浮きまくってるし、田舎住まいが好きなタイプでもないだろうし。夫の希望で広い家に住みたかったからなのかなとは思ったけど、とにかく謎。

「クレイジー・リッチ!」の時もそうだったけど、ヘンリー・ゴールディングがもっと活躍する映画を見たいなー! 同じくポール・フェイグ監督のもうすぐ公開される"Last Christmas"を待てばいいのかな?

 

ブロードチャーチ シーズン2

Broadchurch Season2 (2015)

シーズン2も3日で駆け抜けましたがS2もS1に負けず劣らず胸くそ案件なドラマですごいなってある意味感心してしまった。このドラマに出てくる俳優、みんな気持ち悪いくらい演技うますぎだよ!! だって町を出て行ったスーザン・ライトが戻ってきたとき、私うれしかったもん。ダニーの死を追求するなら、彼女もいないと。だからスーザンがふたたびブロードチャーチに姿を現したとき、まさしく「これで役者が揃った」と、完璧だと思った。そのうえまさかのシャーロット・ランプリングが2話目で出てきて、もうどんだけ豪華キャストなのって口あんぐりでした。

あくまで個人のあいだで住民の秘密が明かされたS1とは違って、S2では裁判で証言台に立った住人がその秘密を公にせざるを得ないのがもう見てて嫌になってきちゃう。そもそも最終話でエリーが言うように、ジョーが罪を認めていればこんなにも大勢の人を巻き込んだゴタゴタにはならなかったわけで。自分のしたことから逃げてばかりのジョーに本当に感情移入ができないので裁判が行われているあいだ、見てるこちらはほんと気分悪い状態がずーっと続くわけで。
そのジョーが胸くその悪さぶっちぎり1位なら、次点はマーク。ベッカと寝た後、妻に別れの手紙を書いてましたって、えーー、もうお前、ほんと反省の文字はお前の辞書にないのかよ……妻のベスは妊娠してるんですけど!? はー、これも腹立たしくて、なにこいつは身勝手なこと言ってるんだ? S1に続いてまったくブレない人物像。ある意味製作陣あっぱれでした。ラティマー家は赤ちゃんが生まれてなかったら即崩壊なのは間違いない。
それに比べると女性の強さというか、エリーとベスの関係はとてもよかった。ぶつかりながら、戸惑いながらも変化が訪れ、やがてジョーに裁きを下したあとに平穏な日々が少しずつ戻ってくるであろうエンディングは、唯一の救いに思えました。
しかし法廷ってある意味舞台のような場所ですよね。検察側対弁護側で激しくやりあうところに証人が何人も呼ばれ、感情をさらけ出させられ、それを陪審員がつぶさに観察して最後に有罪か無罪の裁定を下すって、すごく恐ろしくてドラマチックな場所だ……。

アレック・ハーディは、S1ではよい意味で部外者だったので、ブロードチャーチの事件を住民たちから一歩引いた場所から冷静に見ていられ、ゆえに正しい判断を下せる人物かな、と思ったのですが。S2では過去にかかわったサンドブルックの件が新たな展開を迎えて、彼にも焦点があてられるんだけど。本人の性格ゆえか、エリーを巻き込んでサンドブルックの件を解決しようと躍起になるのだけど、いかんせん彼はひとりで動くのを好む結果、クレアを独断でかくまったり、そのクレアと夫のリーをひそかに会わせた結果、まんまとふたりに逃げられたりと(当然、他の警官の応援はない)、ちょっと詰めが甘いというか、それはないだろー、とつっこみたくなるシーンはちょいちょいあった。
サンドブルックの事件が未解決で自分の妻の浮気が露呈したこともあってそうとう堪えただろうし、人間不信にもなるだろうけれど、それでも仕事上では周りにもうちょっと歩み寄ってほしい。
そんな性格だからか、エリーとの距離は相変わらず縮まらないし、そのエリーも遠慮なく言いたい放題なふたりのバディと呼べるのかも謎なバディ感が不思議な魅力をかもしだしていて、それがとても良かった。エリーなんてアレックのことを面と向かって"You're such a bloody terrible company!"ってぼろくそに言ってますもんね。でも"company"(字幕では「相棒」)なんだよね~。このへんはエリーのやさしさだし、クスッと笑うところでもあるのかな。
もう本当にオリヴィア・コールマンが愛しいのよ。彼女にとても親近感を感じるし、彼女の苦悩が直で伝わってきて、唯一の救いでもあるように思えた。夫を絶対に許さないあの姿勢がこのドラマの芯かつ救いだと思った。

アレックには水がつねに付きまとうというか呪われているというか。彼は幼いころ家族で夏にブロードチャーチに来てたんですね。そしてサンドブルックの事件では、自分の娘と同い年のピッパの遺体が浮かぶ川(? 沼?)に入ってその体を引き上げたことで、それ以来悪夢にうなされているようで。ブロードチャーチに滞在しているときもやっぱり水辺の家を借りて住んでいて。彼自身、あの事件を解決しないかぎり悪い夢や発作から逃れられない自覚があるのでしょう。
でもアレックがペースメーカーを入れる部分の描写があまりにもあっさりでちょっとびっくり。そこがメインの話じゃないから分からなくはないけれど、でもペースメーカーってかなりの大手術じゃないのだろうか。前日までしゃきしゃき仕事してるし。入れたあともわりとあっさり退院してるし。NHSだからさっさと退院させられたのかもしれないけどさ。でもこれで彼の心臓について心配する必要がなくなってホッとしたよ~。

そして。裁判で導き出された「正義」と町の住人が求める「正義」は同じではない。でもエリーをはじめ、ジョーがしでかしたことは絶対に許さない。ジョーを追放するのは、あの小屋に集まったメンバーで話し合って決めたことなんでしょうね。神父であるポールが、ジョーを追い出すときだけはいつもしている襟元のカラーをしていないんですよ。ジョーに対して、これは神父としてではなく、私的な行為であることをはっきりと示してました。わたし、まさか彼らはジョーをリンチするかなにかで最終的には殺しちゃうのかな、とはらはらしましたが、それをしたら自分たちもジョーと同じになっちゃうからそんなことは絶対にしないよね。
小さな田舎町で、みんながこれからも生活を営んでいくためには、どうしてもジョーを追い出す必要があった。それでも前と同じにはもう戻れない。とても苦しく、重く、悲しく、でも、特にラティマー家には、この先にどうか少しでも希望がありますようにと願わずにいられないラストでした。

ドラマはS3もありますが、続きはどうなるんでしょう? サンドブルックもダニーの件も無事解決したから、新たな事件が起きるんだろうなと容易に予測はつくけれど。しかし残念ながら、S3は日本語DVD化されてないようで。うーん、どうしようね。海外のDVDかiTunesで買えば見られるようだし、CCがついてたらなんとかなりそうな気がする。

期待のジェームズ・ダーシー演じるリー・アシュワースはみずから殺人を犯したわけではなかったからほっとしたけど、でも未成年の女の子と寝てたからここはアウト。そのダーシーさん、相変わらず細いし190cmの長身だと知ってたので、リーとアレックがタイマン(違う)張ったときにふたりの身長がそう変わらなくてびっくりしました。テナントってシュッとした体型のせいか178くらいかなって勝手にイメージしてましたが、調べたら185cmっておわ~、まじか。そりゃあの細さなら長い足が輪をかけて長く見えるわって納得。

というわけで、ゆるやかにテナント沼に入沼です。次はなにを見ようかな。

The Making of " Broadchurch" Season 2 ( XXI ).

あーーーちょっと待って、ベス役ジョディ・ウィテカーって「ドクター・フー」の13代目に抜擢された人じゃん!! これでテナント以外にもマット・スミス、ピーター・カパルディと認識できる俳優さんがかなり揃ったので、つまりこれはついに「ドクター・フー」を見るべき時が来たのか……。


ブロードチャーチ シーズン1

Broadchurch Season1 (2013)

1話目がGyao!で無料配信されているのを見たら、一気に引き込まれました。そして俳優たちの圧倒的な演技力による、最高に胸くそ悪い結末のドラマだった……。なんかもう、褒めていいのかけなしていいのか分からない。なんだあれ。まさか犯人がエリーの夫ジョーだったなんて。えええええええーーーー、ですよ。いやもうね、あなたはその事件の取り調べをしてる刑事の夫ですよ? あなたの息子はなくなったダニーと仲の良い友達だったんですよ? 大丈夫なのかこいつは???
ドラマのクオリティはたいへん高くて心理描写をじっくりしてくれてすごく見ごたえあってどきどきしながら見ました。こういうのってたいがい怪しそうなやつほど犯人じゃないのがセオリーなので、疑わしい描写をされる人は除外していったらあと誰が残るんねん、みたいな感じで見てたら。おい。ちょっと待て。待て待て待て待て。思わず画面に向かって問いかけてしまったくらいびっくりした。
正直、マークもジョーも子供っぽい男だとしか思えなくて。ブロードチャーチという誰もがほぼ知りたいみたいな狭い世界でずっと生きていくことに閉塞感を抱いてなにか新鮮もしくは刺激がほしくてホテル経営者のベッカと浮気しちゃうマーク。いや、あなたがその閉塞感とやらと感じているあいだずっと、ベスは家で15年間子供の面倒見に明け暮れてたんですけど??? しかも妻はまた妊娠がわかって。マークの身勝手感がすごい。彼にまっっったく同情できませんでした。
ジョーも、妻は仕事で忙しくて年ごろの娘はもちろん、息子のトムもだんだん親の手を離れて行ってしまうそのさみしさを埋めるように、たまたま距離が近くなったトムの友人ダニーと「親しく」なったけれど。その関係性を知られたくないという自らの保身のみに走った結果首絞めて殺しちゃうって、見てるこっちはそんなのありかよ、ですわ。だったら! 最初から!! 手を出すなよー!!! 妻が刑事なせいか、証拠隠滅に長けているのもまた腹立たしくてしかたなかった。
自宅の寝室の壁のペンキを半年経っても塗りなおさないのは、ジョーの心が家族以外のことに向いてしまったなによりの証明でもありました。

誰にでも知られたくない過去があって、それがダニーの殺人事件によって浮き彫りになった町がもとに戻れる日は果たして来るのか。住民が口をつぐんで「なかったこと」にするのか。どう考えてもうんざりするような未来しか見えない終わり方なのに、シーズンフィナーレで"Broadchurch will return"って出て、マジかよーってなりましたわ……強いなITV……。
住人の過去という意味では、やっぱり雑貨店のジャックかな。服役して罪は償ったけど、世間(というかイギリスの執拗なマスコミ)はいつまでも彼を追いかけ、過去をほじくり返すわけで。ブロードチャーチの前はウィットビーにいた、とありましたが、ウィットビーも港町なんですよ。リゾート地なんだけど、朽ちた修道院が残っているせいか、ちょっとうら寂しい感じの場所にわたしは思えました。きっとジャックは海のそばが好きで、海のそばに住んで、亡くした息子の代わりに少年団の面倒を見たいと思ってたんだよね。幸せだったころの家族みんなで撮った写真が新聞社に暴かれたとき、彼はもう生きる意味を失ってしまったんだと思う。ここ、ベスとマークの夫婦がアルバムを広げて自宅で死んだ息子の赤ちゃんの頃からの写真を見てなごやかな時を過ごすのと交互に映し出されて、残酷なシーンだと思った。
壮絶と言えば、スーザン・ライトの過去もまた同様で。親権をはく奪されて子供を福祉局にとられるってまんまケン・ローチの「レディバード、レディバード」(1994)で。スーザンの夫が実の娘に性的虐待をしてたと聞いたエリーが、あなたは妻なのに「(そのことに)気づかなかったの?」と尋ねたその言葉はしかし、夫のジョーが逮捕されたあと、ベスにまったく同じ言葉を言われて、ブーメランのようにわが身にかえってくるという皮肉な結果となりました。
アレックがエリー宛に掛かってきた電話を横取りして、通話相手にダニーの携帯の追跡結果は自分の携帯に送るよう言ったのは、エリーにはナイジェの取り調べをするよう命令するから、エリーがジョーに出くわさないよう、また、夫が真犯人だと知って隠蔽等に走らないようにも考慮したのですよね?
自分から「早く(署に)行け」と急がせたのに、そのエリーを呼び止めて「よくやった」とねぎらうのは、それ以外にかける声が見つからなかったからだろうね。

ドラマの舞台となった高い崖とその前に広がる海が劇的に美しい。ロケ地はWest Bay Harbour。

お話自体の感想はこのへんで。書いてて辛すぎる。

エリー・ミラーを演じるオリヴィア・コールマンのどこにでもいる普通のおばちゃんな雰囲気は「ナイト・マネジャー」と変わらずで、ほんとにこの人うまいなって。逮捕された夫が「トムに会える?」って尋ねたその瞬間、んなわけないだろ!!! とばかりに夫に掴みかかってなぎ倒し、床に落ちたその体を何度も足蹴にするシーンはただただ圧巻でした。
エリーは休暇から戻ってきたら昇進する予定だったのに、そのポジションを外部から来たアレック・ハーディ警部補(デヴィッド・テナント)に取られて面白くないところにダニーの死体が発見されて。いやいやながらも彼と組まざるを得なくなったふたりのコンビがとてもよかった。エリーもアレックも相手に歩み寄る気はさらさらないのがね、面白いというか、さっぱりドライな平行線の関係で、すぐくっつかなくていいなって。
エリーの自宅に呼ばれたアレックが、どれにするか迷ったから全部にした、と赤ワインとチョコレートと花束を手土産に持ってくるのだけど。向こうでは家に招かれたときのお約束なアイテムなんでしょうか? 夕食を一緒にするそのテーブルにはさっそく贈られた花が飾られ、ワインの封も切られてみんなで飲んでたし。チョコレートはさしずめ夕食後のデザートといったところかな? チョコレートはじゃっかん恋人どうしの贈り物って感じがするけど。
相手のファーストネームをかたくなに呼ぼうとしないアレック。エリーに対してもそうで、ずっとファミリーネームの「ミラー」呼びだったのに、真犯人の名を告げるときだけは、もちろん同じ苗字で混乱を避けるためという理由もあるんだろうけど、アレックが初めて彼女を「エリー」って呼ぶんですよ。わーもうここ、すごく切なかった。
あと「スコットランド人なのに!?」とエリーが驚いたように、フィッシュ&チップスが嫌いなアレック。ほんと、そんな馬鹿な、ですよ。コーヒーも嫌い、紅茶を淹れるけど自分のぶんだけどかもう……(笑)。めっちゃ偏食っぽいよねアレックって。
1話目で細いチョコが刺さったソフトクリームをブロードチャーチ署の女性(所長なのかな。たぶんアレックより身分が高い人だと思いますが……)におごってもらったアレックが"Thanks for 99."っていうのが意味わかんなかったんですけど、「グッド・オーメンズ」にも出てきた、棒状のチョコが刺さったソフトクリームのことを「99」って呼ぶんだそうです。へー! そしてそのチョコバーはキャドバリー製なのがお約束らしい。
なんか久しぶりにイギリスのドラマ見たせいか、犯人を逮捕するときミランダ警告しないんだな、とか、銃が全然出てこないなぁとか、そんな些細なことにいちいち驚いてしまった。だいぶアメリカのドラマに感化されてるなーって思いました(笑)。
あ! そうそう、アレックがやたらと"DI"って呼ばれてて、なんのことやらと思って調べたら、D.I.=Detective Inspector のことでした。だから字幕では「警部補」って訳されてたのですね。
そのアレックはサンドブルックの事件で心臓を患った……のかな? Ep04で犯人を追ってる途中で倒れて病院に運び込まれて、この人もう一回倒れたら今度こそ死んじゃうのでは? と思うと、見てるこちらも犯人捜しでどきどき、アレックの体調にはらはらで気が休まることがなかったのですが。しかし真犯人がジョーだったことで、私の心臓がぎゃー! でした。人様の心配をしている場合ではなかった……。
デヴィッド・テナント、役作りかどうかはわかんないのですが、めっちゃくせのあるアクセントで話すのですね。そして声がけっこう高い。あと黒目がめちゃくちゃでかい。そのせいか、いつもくわっと目を見開いているように見える。眼鏡をかけるシーンが多いですが、さすがにまだ老眼鏡って歳じゃあないですよね? あとシーンによってはコンタクトレンズしてるような。


そんなこんなで本当に後味悪い終わり方でしたが、続きが早く見たいです。S2ももちろん、デヴィッド・テナントとオリヴィア・コールマンが続投ですが、刑事を辞めたふたりがどのように活躍するのか? 事件は収束したのに、アレックはブロードチャーチにとどまってまた新しい事件を解決するのか? 彼が過去にかかわった未解決のサンドブルックの事件についての新展開はあるのか? などなど、いろいろ期待です。
そしてS2にはジェームズ・ダーシーと、今話題のフィービー・ウォーラー=ブリッジが出ているのだ。楽しみ~。

Making of Broadchurch part 1
Making of Broadchurch part 2

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Recovery

Recovery (2007)

「ドクター・フー」以外のデヴィッド・テナントの作品を見たかったので。BBCのTV Movie。映画とドラマの真ん中、みたいな位置づけなのかな……? かなりなまりが強くて、英語字幕頼りの鑑賞。理解度は70~80%くらい?

家族と幸せな生活を送っていたある日、突然交通事故に遭い、命は助かったけれど脳がダメージを受けて高機能障害を負った男、アラン(テナント)の話。
本人も含め、家族全員が辛い思いをする話で、こんなん見たら当然、もし同じことが自分の身や家族に起こったらって想像してさらに辛くなるという負のループ……。以前の面影がいっさいない夫の世話を一手に引き受けざるをえなくなった妻トリシアのケアをする人が誰もいないってのもとてもつらかった。
退院はできてもおよそ日常生活が送れるとは言い難いアラン。こういう場合はソーシャルワーカーとかが自宅訪問等で介入しないんでしょうかね? とても素人が扱える症状じゃないし、突然怒り出したり直前のことを忘れてしまう父親の姿を間近で見ざるをえない子どもたちが気の毒でもあった。
特に大学入試を控えている長男は、そちらのプレッシャーもあるだろうけれど、仕事にいく母に代わって自宅で父のお目付け役みたいな役割を担うことになって、否が応でも大人にならざるをえなかったんだろうなぁ、と思いました。まだ幼い次男にとっては、子供に戻ったような父親はいい遊び相手ではあるんだけれど、でもそれとアランが自立した生活を送れるようになるのとはまた別の話で。
後半は、長男が大学に入り寮生活のために家を出、家賃が払えなくなったので夫妻と次男の三人は、今まで住んでいた戸建てから(たぶん)セミデタッチトの狭い家に引っ越し、アランはケアハウスみたいなところに通所をし、自分をコントロールするための訓練に励みながら日々の生活のなかでできることを増やしていく、という、その先に少し明るさが見える道筋ができたところで終わりました。希望の見えるラストではありましたが、でもこの先、まだまだ苦難も多いだろうな、とも感じました。
ダウントンのカーソンさんことジム・カーターも出演。

全体に暗いし悲しい映画ではあるけれど、見ごたえありました。デヴィッド・テナント、目が大きいな~。そして気前よく脱いでました。彼、パッと見はヒュー・ジャックマンに似てるかな、て思いましたが、演技すると全然違うね。

そういやわたしが初めて見たデヴィッド・テナントって何だろう? てざっと過去作品をさらったら、あれだ、リチャード2世の舞台での、長髪に白い服、金の王冠被った画像ですわ。不思議な雰囲気の人だなぁと思いましたが、他の映画ではどんな感じの人なのかな? DVD化されてる舞台も見てみたいです。