砂上の法廷

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The Whole Truth (2016)


大好きな「フローズン・リバー」の監督、コートニー・ハントの作品。邦題もなかなかよいと思います。
キャストも描き方も音楽も全体的にとてもとても地味なんだけど、それがかえって最後のどんでん返しに向かうじわじわ感がありました。
私は最初、母親のロレインと息子のマイクが結託して夫であり父親のブーンを殺してお互い庇い合ってると思ってたんですよ。そしてずっと黙秘を続けていたマイクが法廷で父親から虐待を受けていたと衝撃の事実を述べるんだけど、その証拠はどこにもなんにもないわけで。この部分が少し弱いとは思いましたが、さて弁護士のラムゼイはマイクがそう言うのをあらかじめ知っていたのか? それとも本当に知らなかったのか?
死人に口なしとはよく言ったもので、母親と息子が証言台に立って話すことで、ブーンという人物を妻と息子に暴力をふるう極悪非道な男だと描き上げて陪審員の心理を操作しているようにも見えました。もしそこまで考えてやってたとしたら、特にマイクは父のように法律家を目指して勉強しているのもあって、ラムゼイよりもずっと策士でそうとうな切れ者だな、とも。
最後の最後にブーンを殺したのは実はロレインと恋仲になったラムゼイだったことが分かるのですが。そこに予期せぬマイクの帰宅で計画が狂ってしまった。マイクはラムゼイがブーンを殺したことを知っている。でもラムゼイはそれを知らない。だからこの裁判で最後に笑ったのはマイクってことになるよね? 今度マイクがそのネタでずっとラムゼイを脅し続けることもできるわけで。
そのすべてを第三者というか傍観者の立場で見ているのが新米弁護士のジャネイル。彼女の得意な分野は人の嘘を見抜くこと。だから彼女はラムゼイもロレッタもマイクもみな嘘をついていることが分かるんだけど、ラムゼイが言う「弁護士は皆 選択を迫られる 真実の追求か 依頼人の利益か」という言葉。ラムゼイは自分の仕事に忠実に弁護をやり遂げた(=裁判に勝った)のだけど、真実は闇に、しかも殺人を犯した当の本人によって葬られたというのがなかなかに背すじの凍るドラマでした。
ハッピーエンドな話じゃないし、暗い終わりかただけど私はこういうの好きです。ちょっと「真実の行方」(1996)に似てるような。もうだいぶ前に見たっきりなのでうろ覚えだけど。
ロレッタ役がレネ・ゼルヴィガーだったことにはびっくりでした。以前の面影がまったくない。エンドロール見てもまだ信じられなかった。
弁護士をしているけれど事務所を構えていないらしいラムゼイは、演じるキアヌ・リーヴスが長いこと家を持たずホテル暮らしをしていたことを反映してるようにも思えました。キアヌにはバイクに乗る姿がほんとによく似合う。

NETFLIX限定公開

「ジョン・ウィック」を見てキアヌの映画ほかにも観たいな、と思っていたところにタイミングよく流れてきた情報。7/14(今日だ!)からnetflixで配信スタートの「こころのカルテ」(To the Bone)。

リリー・コリンズ&キアヌ・リーヴス共演作『心のカルテ』予告編

予告見た限りではとても面白そうだしキアヌが医者役って「へぇ!」となりました。

最近ネッフリは映画館で公開されない良質な作品をどんどん配信しているというイメージがあります。「ハウス・オブ・カード」のS3以降は未DVD化なのもあって、もしかしたら近々加入するかも。でもAmazonプライムが見られるのにもうひとつ別の会社の配信サービスを契約するなんてちょっと贅沢かな……?



ジョン・ウィック チャプター2

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John Wick: Chapter 2 (2017)


いつの間にかキアヌ・リーヴスが枯れた魅力を出す渋い男になっていました。時おり見せる無垢な瞳がまた素敵で、前作も今作もかっこいいぞ。1作目ではヘッドショット一発で敵を仕留めるのを見るのが多少抵抗あったんだけど、そのあと「エンド・オブ・ホワイトハウス」のマイク・バニング見たらだいぶ慣れた。バニングとジョン・ウィックが組んだらすごそうだ。

ストーリーはあるのかないのか見ててもよく分からん。そんだけガンアクションがすごかった。キアヌは銃を構える姿勢はまぁまぁかな……もう少し背中がまっすぐ伸びてもいいような。でも弾をリロードする姿は世界一かっこいいのではないかと!補てんする弾も無くなったら最後は銃そのものを敵にぶん投げるのもすごく好きです。
こういう映画にはお約束の台詞、"kill them all"も出てきて満足です。あ!あと防弾ベストならぬ防弾スーツはかっこいいな、便利だなって思いました。「キングスマン」でいうハリー・ハートの傘みたいな感じで。


あのねこの映画の何がいちばんかっこいいってルビー・ローズ演じる手話でジョン・ウィックと会話するアレスですよ!特に最後の「また会いましょう」「もちろん」はしびれました。だってアレスはもう死ぬと分かっていてジョンに「また会おう」って言ってるのよ。そしてジョンもそれを分かっていて"Sure."と返事をするなんて、もう最高かよ。

しかしラストは世界中の殺し屋たちから追われて今まで使えたコンチネンタルホテルも出禁になっちゃって、ジョンはこれからいったいどうなるんだ。逃げ切れるんだろうか?これ当然続編あるんですよね?気になって仕方ないのでぜひ続きをお願いします。



ビジュアル・エフェクト

先日BSで「スピード」(1994)が放映されてるのをたまたま目にして、冒頭の30分ほど見入ってました。さすがにキアヌ若ーい!冒頭のエレベータのシーンから面白い~って思いながら見てたのですが(この映画は私の生涯ベスト10に入ります)。バスが爆弾で吹っ飛ばされるシーンを見て、うーん、最近の映画やドラマと何か違う、でもそれは何だろうとしばらく考えてました。で、その原因はたぶんこれ。

本物の爆薬を使って吹っ飛ばすと黒煙が多く混じる。

VFXやCG処理した爆発って黒煙がすごく少なく見える。その方が視覚的にきれいな爆発に見えるからだと思う。あと炎のオレンジ色が若干薄いようにも。本物はもっと重たい感じのオレンジかなぁ。
ちなみに「マッド・マックス 怒りのデスロード」は2015年の作品だけど全部リアルで爆発させてるので黒い炎があがるあがる。見てるこっちも燃えます~。

特殊効果って昔はSFXって言ってたけど今はもうそう言わない?VFXとかCGとか?

VFXの会社CoSAが作ったプロモ動画。加工前/後の違いや制作過程が興味深い。

CoSA VFX Main Reel 2015

CoSA VFX Person of Interest Season 5 - VFX Reel


砂上の法廷

キアヌが、敏腕弁護士に!

砂上の法廷

監督は「フローズン・リバー」のコートニー・ハントだよー!3/25公開。


キアヌで弁護士といえば、思い出すのは「ディアボロス」。だーれもいない、車一台走ってないNYの街をあてどなく歩く姿のキアヌをすごくよく覚えてる。