G.I.ジェーン

G.I. Jane (1997)

この映画のデミ・ムーアはtoo muchだよなぁ……と思うのですが他の人、特に女性の感想はどうなのだろうか。ヴィゴが出てなかったら絶対観てない。だから2度目の視聴だけどやっぱりヴィゴしか観てなかった(笑)。なんだろう、この映画でデミは強い女性、男性と同等になれる私、を演じたかったんだろうか。女性のマッチョイズムというか。ついでに言うとこの辺はジェニファー・ロペスにも似たものを感じる。もちろんこういう強い女性を好む人もいるとは思うんですが。私は男性/女性、お互いできることをしてできないことは助け合って生きていけばいいじゃんって考えるので、できない、もしくは不可能なものを性別が理由でむりやり求められる状況だとしたらそもそも最初からその基準は間違っているんじゃないかと思うのですよ。
海軍の特殊部隊SEALsはこの映画で描かれたようにそうとう厳しい訓練と最終テストをクリアしないと入れないんだろうけれど、どれだけ厳しくても女性が志願してきたら最初から拒否せずにまずは門を開けばいいと思うんだけどな……でもマスター・チーフ(ヴィゴ)の言う通り、女性であるという理由で作戦の足を引っ張ったり他の隊員も巻き込んで犠牲になるなら女が入るのは迷惑、という考えも分からなくはない。じゃあいったいどうすりゃいいんですかね?こういう命題に明確な答えや解決法を見つけるのは難しいですね。
チーフは確かに鬼軍曹だしめっちゃくちゃ厳しいけれど、仲間であるオニール(ムーア)を疎ましく思って彼女を助けようとはしない他の候補生に対しては、容赦なく叱責したり海に突き落としたりするのは男女関係なく公平だよね?
終盤の、全員が訓練生の身分なのにいきなり実戦に出ることになって、チーフが負傷したものの無事任務を終えて帰還するってのはそれはさすがにないだろうとは思いましたが、無事最終テストに合格したオニールのロッカーにD.H.ロレンスの詩集が入っていたのはちょっとぐっときました(もちろんその詩集を置いて行ったのはマスター・チーフ)。
でも彼女を巡るワシントンでの政治的駆け引きは結局どうなったんだとも思うし、わりと都合よく終わった映画だった……。

全体的にシリアス調ですが、実地訓練でどろどろに疲れているところに座学で作文の時間が入れられて、おまけに薄暗い部屋の中にチーフの意地悪な計らいでスローテンポのオペラが大音響で流されたら、そりゃ訓練生のほとんどが寝るよねっていう。このシーンには爆笑だった。


スナイパー・ヴィゴ!

あとなぜか実地訓練の設備の中にある、木の板で作られた模擬の壁に「終」って書いてあるんですよ。漢字で。

なんで漢字なんだ。


ところでこの映画ってジム・カヴィーゼル出てたんですね!まったくノーマークだったので慌ててimdbを確認してきました。ものすごくびっくりした。女が入ってきたぜってオニールに対してあれこれ絡んできたり嫌味を言ったりしてたんだけど、訓練中の自分の行動のせいで全員が捕虜になる原因を作ってしまうけっこうなバカ野郎でもあるんですが。拷問を受けても屈しないどころかマスター・チーフをフルボッコにしたオニールを見直したスロヴニック(カヴィーゼル)はそのあとバーで彼女に向かって困ったような顔をしながら素直に謝って。その表情がね、やだなにそれかわいい!それ以降はいつも彼女の後ろで見守るようにそっと立っているのがまたいい感じで(背が高いからそういう風に見えるだけなんだけどここは都合よく解釈させて~)。

ヴィゴとカヴィーゼルが共演してるという事実を知ったら内容はともかく私にとっては突如美味しい映画になった。

はじまりへの旅




Captain Fantastic (2016)


とてもとても考えさせられて、そして胸にずっしりと響きました。子供を持ち、子育てをして、これでいいのかな、とかこれが本当にベストな道なのかとか、迷わなかったことが一度もない親なんていない。この映画のお父さんベンも悩んだり迷ったりして選んだ道はとてもとても極端だけど、たくさんある選択肢の中からほとんどの人は選ぶことのない、森を買ってその中で生活して学校には行かず自宅学習をするという道を選んだけれど、子供たちは他の選択肢を知らないし選べない。周りの人たちは「学校に通わせていないなんて」、「みんなと同じことをしていないのは間違っている」「子供たちがかわいそう」とい言ってくるけれど、いいか悪いかを判断できるのは誰だろう?とも思う。

家族みんなが住むところにあるのは、とにかくたくさんの本、本、本。ベッドがあるテントの中にも、スティーヴと名付けたバスの中にも、たくさんの本。お父さんは本から得られるものに重きをおいていて、子供たちにはちゃんと自分の言葉で説明しろ、と言う。そして"interesting"(興味深い)は使っちゃいけない。きっと抽象的で便利な言葉だからつい使っちゃうんだろうね。でもそれ分かる!「すごい」「面白い」「興味深い」「よかった」あたりで終わらせてはダメなんですよね。もーすごいよく分かる。
そういう考えのお父さんだから、ベンは相手が何歳の子供であろうとも包み隠さずすべて話して説明する。お母さんが自殺したことも。興味があることは何でもやらせる。だから妹夫婦の家で出されたワインに興味を示したら未成年でも飲ませちゃう。それ見たらふつうは顔をしかめたり怒ったり問題ありとみなされるだろうし児童虐待で警察に通報されそうになっちゃうけれど、しかしベン側がすべて悪いのだろうかと疑問にも思える。


なんとしても妻の遺体を取り返したい、土葬をやめさせたいベンが墓場へ押しかけようとするのを子供たちは必死になって止めようとするその時の言葉、「お母さんが死んだのに、この上お父さんまで失ったらぼくたちはどうすればいいの!?」の叫びはベンの心にぐっさりと刺さったはず(私はここ号泣した)。子供たちにはお父さんが必要。そして同じくらいお母さんも必要。それを痛いほど実感したに違いない。おそらくベン自身は多分一生森の中で生活してもやっていける人物。妻を亡くし、もし子供たちがいなかったらこの人あっさり世捨て人になっちゃうだろうね。欲のない人だと思う。
文明社会から離れて森の中で生活して6人の子供たちを立派に育て上げることは、ベンにとって妻のレスリーが病気から快復するようにと一種狂信的な願掛けのようなものだったのかもしれないね。だから彼女の死で今まで必死でやってきたエネルギーがふっつりと途絶えてしまったのと、成長した子供たち自身が自分の人生を選び取ろうとする時期に差し掛かってきたのがもしかしたら同時に来たのかもしれない。森の中での生活を否定はしないけれど、外の世界も見たいと願うようになった長男ボウ。彼の大学受験の手続きを手伝ってくれていたのは入院中の母親だった。子どもたちだっていつまでも森の中に留まるわけではない。外の世界を知りたい、外に出たいと思った時が自立の時かなぁ。学校に通ってないのならなおさら本人自らそう思った時がそのタイミングなのかな、と。でもとても自然でいいなとも。
ノーム・チョムスキーの考えがとても色濃く話に反映されているんだけれど、ごめん、私はそっちは全然知識ないので分からなかった。多分そこを詳しく理解していないとこの映画の本質は見抜けないんだろうな。
劇中、妻のレスリーがどういう人柄だったのかは、もう亡くなってしまっていていまいち掴みにくかったのですが、彼女を火葬して「ママの好きだった歌を歌おう!」って言って歌い出したのが、なんとGuns N' Rosesの"Sweet Child O Mine"!そして遺灰はトイレに流してねっていう遺言を実行した家族みんなが狭い便器をのぞき込んで思わず吹き出してしまうシーン。「バイバミ、マミー!」の言葉とともにレバーを押してじゃあっと流してそれでおしまい。あぁ彼女は本当にユーモアを忘れない人だったのだな、というのが伝わってきてすごく素敵だった。

ラストを見ると彼らはスティーヴに乗って移動することはやめてひとところに留まり、子供たちは学校に行くという生活を選んだようなので、それはそれで子供たちはその先どんな人生を送っていくのだろうと続きを見たかった。
ナミビアに旅立つ長男を見送るベン。アドバイスをいくつかするんだけど、最後は「死ぬな」と。生き続けろ。人生は理不尽なことばかり。でも生きている限り、美しいものを見られたり素晴らしい経験をすることができる。人生はファンタスティック。ベンの生き様をまさしく題名が言い表していると思いました。まだ見ぬ未来に向かって足を踏み出そう、と語り掛けてくれる美しいラストでした。

「普通ってなんですか?」がこの映画のキャッチコピーだけれど、まさしくそれに尽きると思う。
塾に通ったりして一生懸命勉強して中学受験に合格していい学校に行くのも人生の選択肢。でも私は人生にいちばん必要なのは無人島でも生きていけるような生き抜く力を身に着けることかな?("live"というより"survive"のニュアンス)と思っているので。そしてそういう力こそ現代社会において身に着けるのはとても難しいとも。この映画はすごく共感できたし(でもスーパーで万引きはダメだと思うよ!)、何よりベンを演じたヴィゴ・モーテンセンという俳優自身がそういう能力が非常に高い人物だと私は思っているので、もうほんと、この役は彼以外の誰が演じればいいというの?と思うほどにベストマッチでした。もしかして最初から彼を当てて書いたのかなぁ。ヴィゴ自身、多彩な才能があるしきっと他の職業についたとしてもそれなりにちゃんと食べていけるに違いない人ですが、こんな素晴らしい作品を見ると、彼が俳優という職業を選択してくれて本当にありがとう!と感謝したいし、アカデミー主演男優賞にノミネートという形で評価されたことは言葉にできないほどとても嬉しい。

それにしてもあの真っ赤なスーツ!似合ってるのがまたすごい。そしてその赤スーツの中に着ているシャツ。これ「インディアン・ランナー」で着てたものと同じですよね……?(下の写真だと腰に巻き付けているそのシャツ!)



テンガロンハットは多分「LotR/二つの塔」で来日した時にかぶってたのと同じものだろうと思うし。ほんとに物持ちいいねぇ。

「偽りの人生」以来久しぶりにスクリーンでヴィゴを見ることができてうっきうきでしたが(笑)、しっかしこの人なんだかまた若返ってませんか?私の中で三大年齢不詳俳優のうちのひとりだよ(あとのふたりはキアヌ・リーヴスとマイケル・エマソン)。

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新宿ピカデリーで見た布地のポスター(縦が2mくらいある)。これもし家の壁に飾ったらそうとう大きいに違いないですし、物欲じたいあまりない私ですがそれでもこれは欲しいなー!と思った。






4/1に公開決定

ヴィゴ主演の"Captain Fantastic"。2017年1月公開予定だったのが、邦題「はじまりへの旅」になって、4月1日公開に決まりました。あと4か月。

公式サイト

めちゃくちゃミニシアター系のみでの公開な匂いぷんぷんですが、いいの、公開されるだけマシ。楽しみ♪

Happy Birthday, my dearest actors!!

今日はベン・ウィショーの誕生日だ!おめでとう36歳!私が好きになった唯一の年下俳優だよ。

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うぃしょくんはきっとおじいちゃんになっても舞台に立っていると思うので、いつかまた必ず彼の舞台を見に行けると信じてる。

ついでに(ついでですみません)他の愛する俳優たちも祝いますよ!私の好きな俳優はなぜか9、10月生まれが多いな!
もう過ぎちゃったけれど、
9月7日 マイケル・エマーソン!御年62歳は年齢詐欺だ。先月末はL.A.で舞台に出てたのもあって、彼の劇も一度見てみたいのです!

9月26日 ジム・カヴィーゼル!えーと何歳?って調べたら48歳!立て続けに何本か新作の撮影に入って忙しそうです。日本で公開されますよーに、されなくてもDVD化してくれますよーに!

10月8日 マット・デイモン!46歳。この人の作品はほぼ100%日本で公開されるので何にも心配ない(笑)。いい歳の重ね方してます!

そしてこれからお誕生日を迎えるのは

10月20日 ヴィゴ・モーテンセン!58歳になります。この人も相変わらず年齢不詳だな~。なんか数年前から折り返して若返ってるんじゃないかと思うくらい。「キャプテン・ファンタスティック」、楽しみだなー!

明日はケーキでも買ってきて勝手に彼らの誕生日をお祝いしちゃおうかな~。素敵な俳優さんと彼らの作品に感謝、そして今後のさらなる活躍を心から祈っております。

公開決定

やったー!ヴィゴの新作、"Captain Fantastic"が2017年1月に公開決まってた。

松竹株式会社 公開予定作品 2017年1月

まぁきっとミニシアター系での上映だとは思いますが、でもでも劇場公開って本当に嬉しいこと。なんとかして観に行きたいものです。