ヤング・アダルト・ニューヨーク

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While We're Young (2014)


あーこれはアダム・ドライバーの魅力が全開の映画だった。中年の危機に直面しつつあるジョシュを演じるベン・スティラーは「LIFE!」と似た部分もあるけれど、こっちはもっと後ろ向きなドキュメンタリー映画作家。あのね、周りの人がみんな口を揃えて言いうようにジョシュはまず10年取り組んでる映画を完成させるべき。どれだけ高尚なことを述べても作品を作り上げていなければなにもカウントされないでしょ? それが妻コーネリアの父親であり著名なドキュメンタリー映画作家のレスリーとは違うところであり、若く前向きでチャレンジ精神に溢れるジェイミーが積極的にアプローチしてきたなら当然誰もがその手を取って助けを申し出たりアドバイスを与えるよね。
私は年齢からいってもジョシュとコーネリアの夫婦とほぼ同じ年齢なので彼らの悩みとか割り切れない思いとかすごくすごく身に染みたし、若い夫婦に出会って人生の幅が広がったり今までの自分たちの生活にはまったくなかった新しいできことをいろいろ経験して刺激のある毎日に変わっていくのもすごーく分かるし自分よりもっと年上の人たちが悩んでると思ってた体の不調が自分の身に降りかかるあたりはもうすごい身につまされるというかそうそうそうだよねーってものすごい同意してしまった。特に膝を痛めて「関節痛です」って言われてもまだ納得できないジョシュに「昔ながらでも今ながらでも関節痛は関節痛です!」ってきっぱり言い切った日系のお医者さんに爆笑だったしこの翻訳はうまい!って思いました。

アダム・ドライバー演じるジェイミーはしたたかな人間で。住んでる家の中にあるものはレコードや古いタイプライター、ボードゲームなどなど、どれもアナログなものばかりでちょっと意外だったけれど、映画を最後まで見るとこれもまた彼が周りを欺くフェイクみたいなものなのかなぁ、と。この人のドキュメンタリー映画って妻のダービーも言うように、ジャンル:自分 であることはじょじょに分かるのだけど、それくらいでないと成功できないのかなぁとも思うしこの先同じ手法でやっていけるのかな、という疑問も。ジェイミーがジョシュと同じ年になったらどうなってんのかなっていう興味はあった。
向こう見ずで怖いもの知らずな若者。年上から見るとうらやましくもあり見てて冷や冷やすることもあれば嫉妬心を感じることでもあり。その大胆さや複雑な心境をアダム・ドライバーとベン・スティラーは非常にうまく表現してました。
アダム・ドライバーは帽子がとてもマッチしてた。この人は秋色の服が似合うね。



つつつつかれましたーーーーー

映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!(2015)

初日、2日目に入場の際に配られる限定のメダルが欲しい、という息子の希望を叶えるべく、公開初日に行ってきたのですが。映画館のロビーは、私の映画人生史上最高に混雑しておりました。そう、スター・ウォーズが封切られたから。グッズショップで行列、コンセッションで行列、チケットもぎりで行列。「行列の最後尾はこちらでーす!」と叫ぶスタッフ。とにかく子供たちが迷子にならないよう必死でした。


そしてまさかの、夫に急に仕事が入り、私が子供3人全員連れて映画館に行く羽目に。いちばん下の1歳児(先週誕生日でした♪)は、たくさん遊ばせてから連れて行ったのに、上映中、寝ない。全く、寝ない!隣の人の腕を突っついたり、姉にちょっかいを出したり、でも眠くなってきて途中からぎゃんぎゃん泣き出し、真ん中の娘も出てきたキャラクターが怖くて泣き出して2度退席したり、と、たいへんに疲れる2時間でした。もうほんと、なんの修行か罰ゲームなんだ。

というわけで、映画、ほとんど見てません。5話からなるオムニバスだったんだけど、赤丸(ジバニャン)は、エミちゃんのような素敵な人に飼ってもらえてとても幸せだったね!

ていう感想。

歓びを歌にのせて

Så som i himmelen (2004)

のっけから鼻血出しながら一心不乱にタクトを振る指揮者のおっさんにびっくりさせられるのですが、このおっさん=ミカエル・ニュクビスト演じるダニエルがもんのすごい魅力的で、観て良かったなーとしみじみ感じるお話。

ダニエルの、人付き合いを避けようとしてひっそりとした村の、使われていない小学校を住処にするのですが、自分が7歳まで住んでいたところな上、有名な指揮者が村にやってきた、と周りが放っておかないわけです。で、聖歌隊の指導をすることになったのですが、彼は音楽への情熱をみなに伝え、指導する以外は、物静かにものごとを見ているし、飄々としてる人なんですね。でも興が乗ると、自らバイオリンを手に取り弾いちゃうあたりが妙にかっこよくて、魅力的な人物なのです。

聖歌隊のメンバーも、なかなかに皆さん家庭のトラブルや、夫婦仲であったりと、問題を抱えて、それでも歌いたい、歌が好き、という気持ちをひとつにしてハーモニーを奏でていく課程が素敵でした。

デブとからかわれてた男の人が、35年間の鬱憤を大声で訴え、怒りで体を震わせているのに、DVの旦那持ちのカブリエラと目が合うと、お互い微笑みあい、笑い出すそのシーンに、人の強さを感じました。

ダニエルが心臓発作の気がある、という設定でしたので、最後はなんとなく予想がついてはしまいましたが、それでも感動しました。むしろ、コンクールまでよく心臓持ったな…と見てるこっちがハラハラしちゃいましたよ。

しっとりと (やさしくキスをして)


Ae Fond Kiss... (2004)

ケン・ローチの作品を久しぶりに見ました。
ずっと前に見た「レディ・バード、レディ・バード」があまり悲惨なお話で辛かったので、それよりは軽い感じの作品にほっと一安心。

でも描かれているのは、身分、世界の違いや、お互いがそれを理解しあう難しさ。

カシムが、家族、人種を選んでロシーンと別れるか、映画のようにロシーンとの人生を選択するか、どちらも私はありだな、と思います。
まだ若くて世間を見ていない20代の前半(カシムってそのくらいの歳だと仮定して)って、やっぱり若さゆえ突っ走ってしまう部分もあるし、家や環境から来るしがらみって、絶対になくならないものなので、そっちを優先する生き方もまたあり、だと。自分自身が結婚する時、親しい人からの反対にあって本当に大変な思いをしたし、今でも未解決でいる部分もあるから、余計にそう思っちゃうのかね。

原題の Ae Fond Kiss... が古い英語で、どういう意味なんだろ?と不思議でしたが、劇中コンクールに出る予定の女生徒が歌う歌詞の出だしだったんですね。この曲がまた、ロシーンとカシムの行く末を暗示しているような撮り方で、シーンによっては歌詞がひどく悲しく響くのでした。