歓びを歌にのせて

Så som i himmelen (2004)

のっけから鼻血出しながら一心不乱にタクトを振る指揮者のおっさんにびっくりさせられるのですが、このおっさん=ミカエル・ニュクビスト演じるダニエルがもんのすごい魅力的で、観て良かったなーとしみじみ感じるお話。

ダニエルの、人付き合いを避けようとしてひっそりとした村の、使われていない小学校を住処にするのですが、自分が7歳まで住んでいたところな上、有名な指揮者が村にやってきた、と周りが放っておかないわけです。で、聖歌隊の指導をすることになったのですが、彼は音楽への情熱をみなに伝え、指導する以外は、物静かにものごとを見ているし、飄々としてる人なんですね。でも興が乗ると、自らバイオリンを手に取り弾いちゃうあたりが妙にかっこよくて、魅力的な人物なのです。

聖歌隊のメンバーも、なかなかに皆さん家庭のトラブルや、夫婦仲であったりと、問題を抱えて、それでも歌いたい、歌が好き、という気持ちをひとつにしてハーモニーを奏でていく課程が素敵でした。

デブとからかわれてた男の人が、35年間の鬱憤を大声で訴え、怒りで体を震わせているのに、DVの旦那持ちのカブリエラと目が合うと、お互い微笑みあい、笑い出すそのシーンに、人の強さを感じました。

ダニエルが心臓発作の気がある、という設定でしたので、最後はなんとなく予想がついてはしまいましたが、それでも感動しました。むしろ、コンクールまでよく心臓持ったな…と見てるこっちがハラハラしちゃいましたよ。

Cairns 旅行日記 エンターテイメント編

今回の旅行では、前回のアメリカ・カナダ旅行では出来なかった、「現地で映画を見る!」がやっと叶いました。外国の映画館で映画鑑賞したのはなんと9年ぶり。選んだ作品は予告どおり The Departed。



しかしながら、台詞の理解度は、原作の「インファナル・アフェア」を見ていたとは言え、40%かなぁ…(低すぎだ)。なので、私がその40%で評価した内容なので、信用、というか目安にはなりませんが、感想を。

なんといっても原作は、「無間」(地獄)や「阿鼻」(永遠に助からない)という、仏教に則った大きなテーマがありましたが(詳しい解説はこちらをどうぞ)、ハリウッドリメイク版にはこの概念がないので、ストーリーが似ているけど別物、と捉えて観た方がいいかな、と思いました。加えてスコセッシ監督となれば、当然アメリカが舞台で、マフィア色は濃くなって当然ですよね。そして上映時間が長い(2h30m)。長すぎる。もっとさくさく話を進めてもいいと思うんですよ。特に冒頭。題名の The Departed が出るまでどれだけ時間がかかったか。

しかしながら、レオの演技がなかなかに良かったです。彼の映画を観るのは「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(なんとかならんかねこの邦題…)以来でしたので、ちょっと寝かせておいたらおいしくなってたワイン…みたいなもんか? だんだんおっさんな雰囲気が出てきて私としてはマル。バーにいるのにいつもクランベリージュースを飲んでるビリー(レオ)が好きでした。
さらに、ビリーの上司であるマーク・ウォルバーグとマーティン・シーンが良かったので、反対に警察に潜入しているマット・デイモンとその親分(笑)、ジャック・ニコルソン側が印象薄くなりました。どうもマットもジャック・ニコルソンも苦手で。

私は原作の、ラウがヤンの警察官としてのデータをパソコン上で削除してしまうシーンが緊張感があって気に入っているんですが、ラウがカーソルを「削除」のところに持ってきたとき、ためらいを見せるのが好きだったので、今回は、コリン(マット)があっさりさくっとDeleteキーを押しちゃうのが、何だかなぁ、という感じ。こう、間、とか、一呼吸、が欲しいんですな、日本人の私としては。

話の筋はほぼ原作どおりですが、ラストだけは違っていて、これにはびっくり!この時のマーク・ウォルバーグがとっても良かったです。
これ以上のネタバレは、しないんじゃなくて、話が100%分かっていないので、出来ません(泣)。

亡くなったビリーのお葬式の際に、彼の遺影がアップになるんだけど、このシーンでなぜか原作のヤンを思い出しちゃって、泣けてきた私っていったい…(苦笑)。こう、「あぁヤン死んじゃったんだ」(スクリーン上ではレオだっつーの)、と思ったら、だーっ、と泣けて来ちゃいました。

The Departed は以上です。


お楽しみの機内映画は「プラダを着た悪魔」だったので嬉しい〜。吹替えの話し方がちょっとうそ臭くてなんだかな、でしたが、半分コメディで面白かったし、SatC好きな人にはとってもなじみのブランドがたくさん出てきて楽しいかと思います。私はたくさん笑ったし楽しみましたよ。メリル・ストリープの貫禄ある編集長が、理不尽な要求ばっかりの上司、だけじゃない、とてもかっこいい女性なのでした。


さて、海外に行ったときは必ず映画雑誌をてきとうに見繕って買ってくるのがお楽しみなのに、今回は苦労しました。全く見当たらない。SF関連の映画雑誌しかないのはなぜ!?
ようやく1冊だけ残った、もう表紙がぼろぼろのプレミアを、あまりにもボロいのでキャッシャーのおじさんが1割引で販売してくれました。その書店以外で見つけることは出来なかったので、後から思うとラッキーでしたが。映画雑誌不毛の国なの?

びご と いぬ!!

かわいいわんわんをプレゼントされたびご。
どっちもかわええ!私はびごも犬も両方ほしいよ…。



(ICALNEWS.com)




(ABC.es)

犬が白目向いてます…(笑)。

とにかく音のよさに驚き (LotR FotR SEE@豊洲)


The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring (2001)

さて11日に訪れた豊洲のメインはもちろんLotR FotR SEE なのですが。

正直、この映画館はScreen1と10が音響が一番よさそうなので、SR-D とSRD-EXのみ(もちろんこれだけでも十分贅沢な音響なんですよね)のScreen7はどうなんだろ?と思ってましたが…すごかった。ほんとすごかったです。地の底から地響きの様な音がして、特にモリアのシーンは迫力満点でぴったりでした。大満足♪
そして、今まで何度も見てきたのに今回初めて聞こえた「音」もありまして。
それは、「指輪が持ち主や周りの人間に囁きかける声」であったり、モリアの洞窟を脱出した後、アラゴルンが剣を布で拭くシーンでは、剣先を拭いた時「キュッ」と音がした(これには本当にびっくりした!)、などなど新しい発見が色々あって、とても新鮮でした。それくらい音響が良かったと言えます。

「旅の仲間」は実は、アラゴルンのキャラクターがまだきちんと固まってないような感じがして実はそれも好きなのですが。もちろん撮影は話の順に撮ったわけではないので、私の勝手な考察ですが。
エルロンドの館に向かう為、ストライダーにひっついて歩くホビッツが2度目の朝ごはんを用意しようと立ち止まっちゃうと、アラゴルンが彼らに向かって「Gentlemen!」(きみたち!)と呼びかけるのですが、怪しい身分のストライダーなのに口調は丁寧っていうギャップが妙に好き。


朝ごはんは一日一回ですよ。



それと、彼は先頭切って歩いているとき、やたらと顔(鼻?)をしかめるのですが(なんか匂ってるの?)、これも「旅の仲間」にのみ見られるしぐさで、ちょっと気になる♪

あと、SEEで追加したばっかりに犯してしまった編集ミスのようなんですが、ロリアンの森に入る前のレゴラスの衣装が違う…(首の周りのカラー(というのかな?)がない衣装になっている)。


さて、FotRだけじゃなく、この映画全編を通していつも思うのは、スローモーションの使い方が上手だなぁということ。エモーショナルな部分をゆったりと見せて、思い入れや感傷、切なさ、辛さを表すのが抜群にうまいと思うのです。
今回で言うと、落ちていったガンダルフを信じられない、という風に振り返り振り返りモリアを脱出するアラゴルン、モリアを出た後悲しみにくれる仲間、メリピピを助太刀するため飛び出してきたボロミア、などなど。

これはTTTのボロミアとファラミアのシーンでいちばん生かされてるのですが、それはまたTTTの感想の時にでも。

しかし、ユナイテッドシネマ豊洲のHPを改めて確認したら、TTTの上映時間が、一日2回、朝と夜しかやってないよ…。夜は上映終わったらもう帰りの電車なくなってるから無理。
ということは、朝いちで起きて、ちゃんと観にいけるんだろうか、私?

真夜中のピアニスト

De battre mon coeur s'est arrêté (2005)

主人公のトムがいつも焦燥感を抱いているのがこっちに伝わってきて、ギリギリなテンションが最後まで続く、全体がとても雰囲気のある内容でした。期待してたロマン・デュリスは最高の演技で、夫も「役者がすごくいいよなこの映画」と褒め褒め。

10年ぶりに弾くピアノは指が全く動かず、それにイラつくトムの気持ち、よーく分かります(恥ずかしながら私もピアノを10年習っていたので)。でも、不動産会社の同僚に、オーディションのためのピアノの練習を「だんだん楽しくなってきた」と、宝物を見つけたような、嬉しさを顔いっぱいに表して話す彼がとても輝いてた。

しかし運命は彼を弄ぶかのように、コンクール前日の真夜中に不動産契約のために会社の連中にたたき起こされ、その結果、オーディションではまったく弾くこともできず、楽譜とコートをつかんで立ち去るしかなかった彼の気持ちはどんなにかみじめだったか。そして、ロシアのマフィアといざこざのあった父は自宅で殺されていた…。

この後あっさり「2年後」になる展開が驚きでした。
ロシア人マフィアに偶然再会して、殴り合いの末、トムは彼の銃を奪い、殺そうとするのですが、最後にはそうしない、その選択のギリギリ感もまた良し。

決して分かりやすいストーリーではないと思うんですね。特に、監督の前作「リード・マイ・リップス」に比べると。でも、前述のように、とにかく醸し出される雰囲気が素晴らしくて。
特に、バーでカウンターをピアノの鍵盤代わりに練習するトムの姿とその手が素敵。うーん、ロマン・デュリス恐るべし。

私がもうひとつ好きだったのは、中国人留学生の女性にピアノを習いに行くシーン。一度、トムがうまく弾けず、イラついて投げ出すのを、彼女は中国語でものすごい剣幕で怒るんですよ。その後トムが「…すいません」みたいな感じでおとなしくまたピアノのスツールに腰掛けなおすシーンが大好き!彼は絶対彼女には勝てないですね(笑)。
言葉は通じなくても、音や芸術でお互いの意思疎通を図ることができるのってなんだかどきどきしますよね。ちょっとエロティックな感じもするし。

だから、2年後にトムが彼女のマネージャーっぽいことをしてたのは、実はちょっと嬉しかったのでした。