奇妙な友情 (真夜中のカーボーイ)

Midnight Cowboy (1969)

アカデミー賞を受賞した映画だということは後から知りましたが、こぢんまりした、それでいて質の高いストーリーでした。

ハリー・ニルソンの「うわさの男(Everybody's Talkin' )」の音楽と共に始まるストーリー。
ジョー(ジョン・ヴォイト)がハスラーとしてN.Y.で成り上がる夢を抱くのですが、これがまたうまく行かない上、彼の人の良さが幸いして、お金を相手からうまく巻き上げられないのをこちらは歯がゆく見守ることに。でも、そんな彼がなんだか憎めない。
そしてリッツォ(ダスティン・ホフマン)との出会い。言うなれば、お互いの利益が一致しただけのふたりだけれど、不思議とお互いを見捨てず、最後はラッツォの希望だったマイアミにジョーが連れて行っていくまでの過程がいいのです。

客を取れず、ちっともうまく行かないジョーを、あれこれ細かく指導して、大都会で生き抜く方法を教えるリッツォ。後半、うまく行き始めたジョーとは対照に、階段から落ちてただでさえ良くない足を痛め、風邪も治らないリッツォを面倒見るジョー。お金が回り始めたジョーにとっては、リッツォを見捨てる事だってできたのに、風邪薬を買い、厚着をさせ、最後はマイアミ行きのバス代を、自分の取った客を脅して殴ってまで必死にかき集め、もう歩くことさえできなくなったリッツォを連れて行くくだりは、泣けます。

ずっとカウボーイ姿だったジョーは、暖かいマイアミで、派手な模様の半袖のシャツとコットンパンツに着替え、愛用のロングブーツまも通りのゴミ箱に捨て、リッツォに「マイアミに着いたら仕事につくよ。皿洗いだっていい」。故郷ではあんなに忌み嫌っていた仕事をする、と決心までしたのですが、リッツォは既に息絶えていたのでした…。

ジョーはもしかしたら、マイアミでこの先まっとうな仕事に就くのかも知れないし、故郷に帰るのかも知れない。いずれにせよ、きっともう寒さの厳しいニューヨークには戻らないでしょう。でもラッツォのことは忘れないでいてほしいな。

リッツォがジョーに
「マイアミでは俺のことをラッツォ(ネズ公)なんて呼ぶなよ。必ずリコって呼べよ。マイアミでまでネズ公だなんてごめんだからな」
と、冗談めかして目を輝かせながらジョーに説教する台詞が好きです。


ジョン・ヴォイトが若くてもーびっくり。音楽が印象的です。作曲はジョン・バリー。

仲が良いのはよろしいことで…?

毎月21日は、お楽しみの日。なぜなら映画雑誌がたくさん発売されるから!

ここ数年は、色んな映画の情報を満遍なく手に入れたい、という理由でせっせと読んでます。というのは、悲しいのか物覚えが悪くなって、最近新しい俳優さんの名前とか、この映画は何年に公開されて誰が監督で、どういうストーリーか、以前はだいたい記憶していられたのに、ここ最近はさっぱりなんですよ、これが。怖いな〜。

中学、高校のころは、それこそ一度読んだ記事や知った情報は、絶対に忘れない自信がありましたが、今じゃもう…(泣)。


てなワケで、今日もいそいそと本屋へ行ってざっと雑誌をチェック。後でじっくり図書館等で読む予定ではありますが、まずはブラウジング。

キネ旬は、毎年恒例の、アカデミー賞予想座談会。この記事がいつも面白くて、毎年たのしみにしております。

ロードショーやスクリーンは、ざっと写真に目を通すくらいかな?
2日前に発売されたcutも一緒にチェック。相変わらず切り口が新鮮な雑誌です。これは購入すると、のちのち本棚に保管するのが非常に難しい、A4変形雑誌でもあります。書店で陳列棚に挿すと、他の雑誌より頭一つ飛び出てますもん(笑)。

で、ビジネス社から出てる某映画雑誌は、いつもちょっとした特集を組んでは写真や記事を載せているので私の最近のお気に入りですが、今回のプチ特集は
「男たちの熱き友情に乾杯!」
ですよ。うーん、ちょっと古風なタイトル(笑)ですが、これ面白かった。
トム・クルーズとヒュー・ジャックマンが一緒に写ってる珍しいショットあり。
ヒースとジェイクの「ブロークバック・マウンテン」組の記事では、ヒースとミシェルの子どもの名づけ親がジェイクだったなんて、初めて知りました!(情報遅すぎ?)とってもええ話ですね〜。

そして!珍しくヴィゴとオーランドが一緒になってる記事も載ってたんですが、これがねぇ、他にもこのふたりの2ショット写真なんていっぱいあるだろうに、なぜこの写真!?なものして。あーびっくり。慌ててページを閉じてドキドキする私。
当時ネットで話題にはなったけれど、雑誌にでかでかと載ってたのは初めて見たかも。公共の場では心臓に悪いですな。


まぁ、そんなこんなですが、今日は映画の新しい情報をいっぱい頭に詰め込んで、かなり満足な私。単純〜。


疑惑の写真(笑)↓

気球に乗ってどこまでも (Jの悲劇)


Enduring Love (2004)

某レンタル店で、半額レンタルをしてたので、今日こそは!と必死で探したら、あった!ダニエルの映画。うわーい、とパッケージのストーリー解説も読まずに見ましたよ。見ましたよ…!怖!!

私はてっきり、熱気球の事故に居合わせた人々が、その後心を通わせたりなんかする話なのかなー?なんて思ってたら、そうですか、ストーカーですか。結局熱気球も医者の死も全然関係ない話じゃん〜。

最後まで見てから、もう一度冒頭の熱気球のシーンだけ再見しましたが、結局ジェッドはなぜあそこに現れたのか、分からずじまい。

でもね、ビジュアルはすっごく良かった。特に最初の、青い空、緑の芝生、そこへゆっくりと現れる真っ赤なバルーン…。ジョーの顔が画面の左端に、斜めのアングルで映されるのが、これから起こる出来事を暗示してて、あぁいうの好き〜。

ダニボン、今回は眼鏡姿が素敵。どうやら大学で哲学を教えているようですが、ガールフレンドは、芸術家。全てを言葉で論理的に説明するジョーと、うまくやっていけるのかどうか、ちょっと不思議なカップル。

痩せててすらっとした体型の男性が好みの私には、この映画の彼もかなりいいですね!そして多分この先こういうのは見られないだろう(笑)、なラブシーンもありましたし。オットと「するのか、キスするのか!?したーーーーー!!」と大騒ぎでした。

ジョーの職場であるキャンパスで、しかも生徒がたくさんいる前で、あたかもジョーが彼を弄んだかのようなジェッドの台詞には、もうこっちもハラハラ。そんな言い草じゃ絶対誤解されるじゃないー!!と。
でもね、実は、女(この際男でもいい!)を弄んで捨てちゃう悪いダニエルもちょっと見たいかも…と思っちゃいました。ふふふふふ。


ビル・ナイも良い味出してましたね。

邦題の「J」は、ジョー、のこと、ですよね?あ、ジェッドもか!


これ、監督は「ノッティングヒルの恋人」撮った人なんですねぇ。「監督」という職業の人は、本当にすごいな、といつも感服してしまう私です。


原作はイアン・マキューアン「愛の続き」。大好きな新潮社クレスト・ブックスですね。興味あります。読んでみたいですね。

親の心子知らず、逆もまた然り (ママが泣いた日)

The Upside of Anger (2005)

会社の秘書と駆け落ちした夫。残された妻は、人生とどう折り合いと付けていくべきなのか。さらに、4人(!)の娘それぞれとの葛藤、格闘の毎日。あぁ私も母親とつまんないことで色々いい合い、けんかしたよなぁ…おかんごめん、と今更ながら反省、な映画でした。

ダンナが出て行ったことを怒りでしか表せないテリー(ジョアン・"パメラ・ランディ"・アレン)。思春期で、母親と衝突しがちな娘達。どっちの気持ちも分かるから(まぁほんとうの「母」の気持ちは、子どものいない私には「分かる」とは言えないけれどね)、この母娘はみんな好きです。そして、彼女達を見守るデニーは、確かに飲んだくれだし、DJの仕事もスポンサーの希望に全く沿わない話ばかりしてるし、腹は出てる(笑)し、でもでも、優しさはピカイチだと思うのです。

女ばかりのウルフマイヤー家で戸惑う長女の婿や、明らかにテリーには好かれていないアンディの彼に、気まずい思いをさせないよう、さりげない言葉や態度でフォローするきめ細かさが垣間見え、何この人すっごく良いヤツじゃん!と思いました。私、彼なら多少だらしなくてもおっけーだな(笑)。


エミリーの病気が分かった時、テリーは初めて家族の前で大泣きするシーンが好きでした。ダンナが出て行っても泣くことはなかったのにね。

ケヴィン・コスナーが、今の自分の俳優としての立ち位置を充分分かって、楽しく演じている様がマル。

彼は海へ還った (守護神)


The Guardian (2006)

ケヴィン・コスナーの枯れた渋さが魅力の映画。
作品名が日本語なのもいいですね。

ストーリーは、お約束な感じが大部分ですので、キャストで楽しみました。
「バタフライ・エフェクト」で気に入ったアシュトン・カッチャーは、この作品でも時折素晴らしい表情を見せるので、いい役者になりつつあるのかなー、と期待。


しょっぱなから、ベン(ケヴィン)が遭難した人々を救うシーンから始まるのですが、これがもう荒れ狂う海の中へ文字通り飛び込んで行かなければならない、恐怖の救助。これがずーっと続くストーリーだったらどうしよう!と思うくらい怖かった。

ベンが乗ってきたヘリが大破、仲間のカールと一緒に救助用の小さなボートに乗り込んで、ベンが瀕死のカールに話しかけるシーン。
「俺達は必ず生き延びるんだ。そうだろ!?(Don't you!?)」という悲痛な叫びがもうぐっときました。


ベテラン救護士ベンの新人生への訓練は、しごきでもいじめでもなく、現場に出て修羅場をくぐってきた人しか分からない教え方で、好印象。「G.I.ジェーン」とか「愛と青春の旅立ち」の教官はどうも苦手で。
確かに体力測定するよりも、水の中に長いこといられるかどうか試した方が早いよな、と納得ですもん。

アシュトン演じるフィッシャーは、若いっていいなぁ、と思わせるシーンてんこ盛り。厳しい訓練学校において主役が必ず(?)やっちゃう「寝坊して翌日の点呼に遅刻」とか、「他校や他の所属隊員とけんか」とか、「チームメイトの輪を乱すひとり身勝手な行動」とか、数々のお約束がね、もうね。うんうん、あるよねこういうの、とある意味展開に安心して観ていられるストーリーでした。

でも、彼がコーストガードを目指した本当の理由をベンに指摘された時の彼の表情が、ものすごく良いんですよ。
これだけで、この映画を観て良かったな、て思えます。

酒屋のおばちゃんから、「彼は指先だけで遭難した人をずっと支え続けて助けた」ことをフィッシャーが聞いた、というエピソードがあったので、最後、フィッシャーは意地でもベンを離さないままでいきたかったのでしょう。しかしベンは、自らグローブを外して落下していったところに、劇中何度も出てきた、人命救助において、何を一番優先するか、がはっきり出ていて、泣けましたね。


しかしそれって、ベンは救護士を引退して、荷物もまとめて自宅に帰ろうとしたちょどその時に、フィッシャーの危機を救う為に、「人手が足りないんだ」とか言われて現場に出向いてその結果殉職って、どうなのよ、職務上辞職した人を呼んで現場に行かせるなんて問題だろー、と思うのですが。
現役の時にああいう結果になったらもうちょっと納得できたのになぁ、と。そこだけが残念でした。

エンドロールに流れる曲がブライアン・アダムスの"Never Let Go"で、これまた嬉しかったです。
あ!そういえばケヴィンの「ロビン・フッド」もエンドロールはブライアンの曲が流れてましたね。あれはもう…16年前の話か…(死)。そりゃーケヴィンの髪も減るし私も目じりのシワがくっきりしてくるハズだよ。

※"Never Let GO"はiTunesで買えなかった…(泣)。
悔しいのでYouTubeで聞けるのを↓。
注!超ネタバレしてます
http://www.youtube.com/watch?v=KCjN1dlaMWY

思えば高校生のとき「ダンス・ウィズ・ウルブス」を観て、ケヴィンを大好きになった頃から時は流れ、再び輝いている彼を見られたのは嬉しい限り。

ケヴィン、これで「ウォーター・ワールド」の雪辱は果たせたかな?