地味だけど! (クライシス・オブ・アメリカ)

The Manchurian Candidate (2004)

主役はもちろんデンゼル・ワシントン、次にメリル・ストリープの映画なわけですが、私は断然リーヴ・シュレイバーが良かったっす!デンゼルとメリルはもう、見てて安心の俳優さんなので、何をやっても心配ない、てのが逆に新鮮味ないのかも知れませんが…(汗)。

役柄に恵まれたのもあるな、とは思いますが、最後のあの、レイモンド・ショー(リーヴ)が下した決断が心を打ちましたね。彼は友人を守り、母との決着を付けて自分の人生を終わらせたその潔さに。こういうエンディングを迎えるアメリカ娯楽映画ってあまりないと思うし。

リーヴ、地味な俳優ですが実は監督もしてるし、ナオミ、いい人捕まえたね、なんて思いました。そうそう、彼、目元がちょっとジュード・ロウに似てるんですよ。


メリル・ストリープが珍しく腹黒な悪い人、という感じなのも意外でした。そうそう、ジョン・ヴォイトも出てましたが、このおふたり、何でこうも政治関係の仕事に就かせるとぴったり来るんでしょうねー。ホントにこういう議員、めちゃめちゃいそうですもん。

面白さにあと1歩及ばず (バンテージ・ポイント)

Vantage Point (2008)

リワインドものをもう1本チョイス。

面白い!と人に薦めるにはもう一歩全体的に勢いが足りなかったお話…かな。
面白い作品って、後からよく考えると、あれはちょっとおかしい設定でない?とか、それは無理があるだろう!と思うも、でも面白かった!と思わせる勢いがあると思うのね。でもこれはそこまでに至らず、つい見ながら「うーん」と思ってしまう時間ができてしまったかな。

事件に居合わせた色んな人々の異なる視点で真相を明らかにしていくのだけれど、バーンズの視点から見たその先に知った真実、それは…!という所で、時間が巻き戻され、違う人物の違う視点の話が始まるんだけど、それが4,5回繰り返され、で、犯人は誰なのよ、事実はどうだったのよ、という肝心なところを知らされずに何度も同じ事件を、視点が違うとはいえ再生されるので、ちょっとじれった感じがしたまま話に付いていくと、とうとう真実が明かされるのね!と思いきや、最後は派手なカーチェイスにすり替わっちゃったような終わり方だったのが、なんとなーく消化不良でした。

あと、犯人の目的とその手段がものすごく気に入らなかったのも乗り切れなかった理由ですかね。人質に取られた弟は、あっけなく殺されちゃうんだけど、私は取引の手段として弟を使ったのなら、目的が果たされた時点で彼は解放されるべきだと思うのね。それが約束だから。弟が何かしたわけでもなく、邪魔だからという理由で撃ち殺したのはいかがなものかと思うし、それに広場に爆弾を仕掛けて、多くの姿勢の人々を殺す必要はなかったと思う。犯人たちの、筋が通らない犯罪の遣り方に私はかなり腹立ちました。

最後は、キャスト全般に魅力がなかったことかな。イマイチどの人にも感情移入できなかったので、残念。

爆発に巻き込まれてもあのビデオカメラは壊れなかったのか?とか、シークレットサービスは車の運転もあんなにうまいのか?とか、まぁ色々突っ込みたいところがたくさんあったけど、私としては、エドガー・ラミレスが出てたので、何となく「ボーン・アルティメイタム」アナザー・ストーリーな感じでしたよ!(だって髪型全然変わってないし。やってることよく似てたし)

以下勝手にアナザー・ストーリー。
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殺し屋パズはブラックブライヤー作戦下の任務に嫌気が差して退職、しかしある時彼の前歴を知った連中に弟を人質に取られ、大統領暗殺を請け負うことに…。そう、パズの本名はハビエルなのさ(笑)。

過去を書き換える (デジャヴ)



Deja Vu (2006)

お話もスリリングですが、私はクレアを演じたポーラ・パットンが素敵でしたねー。


いわゆるタイムトラベルものであり、今流行ってるリワインディング(同じ映像を巻き戻して違う視点から見る)ものでもあるかな?とは思います。タイムトラベルが主題の映画はいつも私は頭がごっちゃになって分からないのですが、過去、または未来から現在に来た人(この映画の場合はダグ〔デンゼル・ワシントン〕)と、その「現在」のダグ、つまり同一人物が同じ時間に2人存在することになるけれど、それに矛盾は起こらないのでしょうか?

映画の最後、車と一緒に海に沈んだ過去から来たダグは、爆発で死亡しますが、その後その爆発事件の捜査に来たのが現在に存在するダグ。これは「ストーリー上矛盾しない」でおっけー?


ストーリーはよく練られていると思います。一度出てきたシーンがもう一度出てきた時、初めてその意味が分かり、「そうだったのか!」と膝ポンになることが多い。クレアがダグに掛けた電話、電話番号をメモした飴の紙、クレアの自宅に残された、血の付いた布地やガーゼ、などなど。

犯人の心理描写はちょっと薄いかな、と。捕まった犯人が取調べで言った言葉は、いかにも、実は他にも爆弾が仕掛けてあって、その内大惨事が起こるよ、というような意味だと私は思ったので、あの言葉の意味はなんだったの?と。


でも最後はハッピーエンドで終わって私はほっとしました。何せオープニングで船が大爆発を起こして何百人という人が亡くなっているので、ちょっとげんなりしてましたので。

ふたつの家族、深い愛情 (アメリカン・ラプソディ)



An American Rhapsody (2001)


親子の間には、育った環境や時代が違うという理由で何らかの摩擦が起こるのは普通でしょう。それに加えて、ティーンエイジャーの反抗期が加われば、こう、怖いもんなしだな!と。私自身も親に向かってけっこうひどいこと言ったと思うんですよ。全然覚えてないけれど(汗)。

このお話は、さらに、母と娘で育った国が違い、その上しばらく親子が離れ離れになっていた、という要素が加わり、お互いを理解するのにひどく大変な思いをせざるを得なかった母と娘、という、非常に複雑な内容でした。にも関わらず、私はすごーくいい映画だなって思いました。

ハンガリーからアメリカに亡命した両親と上の娘、そして赤ん坊だから連れて行けず、手違いでハンガリーに残り、里子に出された下の娘ジュジー。このジュジーを育てた親が、本当に、愛情を注ぎ、暖かく見守り、6歳近くまで育て上げたその思いに、なぜかもう、涙、涙でした。
ある日、おばあちゃんと一緒にブタペストを見に行くんだよ、と言われ、育ての親がペンキを塗って用意してくれた赤い自転車に乗ることなく、そのままブタペストからアメリカ行きに飛行機に乗せられ、付き添いの人がいるとは言え、たったひとりでアメリカに住む本当の家族の許へ向かう姿がもう号泣。

母は母で、本当だったら最初から一緒にアメリカで住むはずだったジュジー。おそらくもう二度と手放したくない、との思いから、反抗期のジュジーの部屋に鉄格子を付け、部屋に外からしか開かない鍵を付けたのだろうと思います。他人が見るとぎょっとする行為ではあるけれど。

でも私は、ハンガリーの里親、そして本当の両親、どちらからも、深い愛情でもって育てられたジュジーは本当に幸せだと思う。そして高校生になったジュジーが、ハンガリーの里親に会いに行ったのも、正解だったと思う。その時は疎ましく思うことも、歳を重ね、初めて本当に意味や愛に気付いた時、その相手はもういないこともあるのだから。


キャストはナスターシャ・キンスキーやスカーレット・ヨハンソン、と豪華ですが、私は幼少時代のジュジーを演じたラファエラ・バンサギに100点をあげたい!!