さらば2010年

恒例のベスト選出〜。順位は付けてません。今年観た作品リストはこちら


<作品>

第9地区

インセプション

<監督>

ニール・ブロムガンプ (第9地区)

<俳優>

エマ・ワトソン (ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1)


地味な選出ですが、いいのこれで!(笑)

ブログを訪れてくださった皆様、お世話になりました。良いお年を!

北欧の光のもと (ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女)



Män som hatar kvinnor (2009)

原作を読んでおり、話がどう展開するのかは知っているので映像化された喜びを味わうという鑑賞方法。


上下巻の長い原作をよくまとめてあったと思います。その分ばっさり切った部分もあるということで。で、どこを削ったかというと、ミカエルのモテモテぶりがばっさりと(笑)。ミカエルとエリカの関係が全く描写がなくて、これが3巻の「狂卓の騎士」でどう説明されるのか。あっ、エリカを転職させなければあの嫌がらせもなくなっていいか?(汗)

映画のミカエル役のミカエル・ニクヴィストはけっこうなおっさんで(日本人から見ると外国人は概ね老けて見えるからよけいそう感じるのかも)、えーこの人が活躍するん?と違和感あったけれど、見てるうちにだんだん馴染んできました。

そしてリスベット役のノオミ・ラパス。よくこの役を引き受けたし、十分期待に応えてると思う!あのちょっと猫背でいつも黒い服で、メイクもすごい。でも天才ハッカー。
しかしハリエットが残した暗号をリスベットが解いてミカエルにメールで送るくだりは、リスベットの性格から言ってそういうことするかなー、とこれは私としてはダメでした。彼女はなるたけ世間と関わらないように生きているから。


あとはスウェーデンの風景やリスベット、ミカエルの家、ヴァンゲル家の住むヘーデビー島が映像として見られたのが嬉しい。北欧の光は白い。L.A.のような明るくて眩しい光ではなく。それがまた寂しげだったり猟奇的だったり。
島でミカエルが借りた小さな家。あれは家というより小屋!寒さが厳しいとひたすら原作で描写されてたあの地であの家は寒くないの〜?などと心配もしましたよ。


引き続きオリジナル版の2作、3作目も楽しみにしつつ、ハリウッド版にも期待しつつ。な日々です。
ちなみにモテモテミカエルはハリウッドリメイク版ではちゃんと描写されるんじゃないかと。だってダニボン(ダニエル・クレイグ)だもん!デヴィッド・フィンチャー監督よろしく。

武士の家計簿



武士の家計簿 (2010)

家計簿を通した父と子のお話、でした。堺雅人のお父さん、いいじゃない〜。子をおんぶしている時の飛びきりの笑顔が素敵でした。

作品としては小ぶりだと思うけれど、今のご時勢にマッチしているんじゃないかしら。ヒットしそう。
仲間由紀恵も猪山家に嫁いで来た頃の色鮮やかな着物よりも、節約生活になって地味な絣の着物の時の方が美しさが際立ってみえました。

直之(堺)に「こんな暮らしは辛くないか」
と問われたお駒(仲間)が
「(貧乏生活も)工夫ができると思えばやりがいがあります」

という台詞は心に染みました。

私、そろばんははじけないし、家計簿は付けてないし、学ばなきゃいかんところが沢山ある映画でしたよ(汗)。

でもね、映画表現としては正直物足りない部分があった。HPや宣伝の広告には、

出世したのに、どうして家計が苦しくなるの?

出世したら…

家来・使用人を定人数、雇わなくてはならない
藩からもらった屋敷を維持せねばならない
親戚や同僚との祝儀交際に出費せねばならない
使いの者にも謝礼をしなければならない


などなど。

という理由が延々詳しく書き連ねてあるのに、それが映画の中ではほとんど説明がなかった。その辺を観たかったのですが。親子のドラマに焦点を当てたかったからそっちは重視しなかったのか?しかし題名が「武士の家計簿」と言うのなら、金勘定にももっと時間を割いてもいいんじゃいかと。それなしで124分は長い。100分くらいでいい。


あと私はいっつも洋画ばっかり見てるから、表現方法とか話の展開とかが邦画は分かりやすいなぁ、もっと言えば分かりやす過ぎて物足りない感もあり。

ディパーテッド 再見



The Departed (2006)

実はこの映画、「『インファナル・アフェア』のリメイク」という情報はなしで見たらけっこう面白い話なのかもね。でも「マフィアに潜入した警官と警察に潜入したマフィア」という、ストーリーを面白くしている決定的なアイデアはやはり「インファナル〜」抜きにあり得ないので、無理があるかな?


私はこの映画、4年前はオーストラリアの映画館で当然字幕なしの英語で観たので(その時の感想はこちら)、改めてちゃんと観てみよう!と思い立ったのでした。


それにしても何人ものトップスター(ジャック・ニコルソン、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、マーティン・シーン)が主役級のキャスティングなのに最後はみんな殺されちゃうってある意味贅沢な俳優の使い方だな!というのが2回目見た感想(え、そこ!?)。

「警察にいるけど実はマフィアです」な人より「マフィアの中にいるけど実は警察官なんです」な人の方がどうしても肩入れして見ちゃうと思うので、ビリー(レオ)は大変だったんだな、と思いますが、「実はマフィアです」なコリン(マット)も、後ろ盾のコステロはFBIと通じてた(自分もいつ売られるか分からない)、とか、身内の捜査をするために同僚から嫌われる、とか、けっこう大変な部分もあると思うのですよ。
でもねぇ、ビリーに比べると、ちゃんと正規ルートで受験して合格して訓練受けて警官になって、身分としては何も心配することないからか、あの尊大な態度はすごい感じ悪いヤツだな、と。
あとエリートコースに乗ったからって、いきなりあんなに豪華なアパートメントを借りられるの?かなり高額なのでは(と余計なことが気になる)。

自分の立場を考えると、警察内で出世して結婚して子どもも儲けて、という普通の人生は送れない、と薄々感じていいたのか、最後、上司のディグナムに銃を向けられた彼は、もう逃げられないな、と悟ったような最期だった。

それにしてももう1匹潜んでた警察内のネズミを撃ってまで(あのシーンは本当にびっくりした!)自分の身を優先させたコリンに同情はできないな。彼は最初から最後まで、恋人の前でもひたすら保身に走ってたもんなぁ。そりゃ振られるわ。演じるマットはちょっと残念な役柄で損してると思う。

その恋人、精神科医のマデリンは理性ではコリンを好きになったけれど、本能ではビリーを愛しく感じていたんだろうな(彼女の妊娠、実はビリーの子だったらハッピーエンドかも!?)。ビリーがマデリンに渡したあの封筒。中身はてっきりコリンの正体をバラす内容かと思ってたけど、彼はちゃんと証拠(コステロとの会話を録音したCD)をコリンに送りつけてたから、もしかしたら封筒の中身はマデリンへの感謝や愛の言葉だったのかも。そう考えるとちょっと泣ける。


4年前に観た時「これのマーク・ウォルバーグはいい!」と言ってましたがその後アカデミー助演男優賞にノミネートされてたので、多少は私も見る目はあったな。嬉しかったわー♪すんごいFワード連発の超口の悪い刑事なんだけどね(笑)。


ポルノ映画館でコステロに驚かされたコリンがめっちゃ迷惑そうな顔してたのが笑えた。

人生一期一会 (ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー)



New York, I Love You (2009)

「パリ、ジュテーム」より全体的に暗いトーン(夜のシーンが多いからかな?)のお話だったけれど、実は私はこちらの方が好み。人口の多い街で、ほんの一瞬の出会い(次会うことは多分ない相手)を上手に描いていたからかな。回しっ放しのビデオカメラの前で、自分の描いた画を見せて立ち去る青年(イーサン・ホーク)、同じフランス語を話す南アフリカ出身のタクシーの運転手と客、あなたの絵を描きたいと申し出た年配の画家と漢方のお店の中国人。どれもが些細なストーリーで、これといって特徴はないかも知れないけれど、映画の雰囲気が好みでした。

だからその中でもちょっとハッピーな話が光る。文句言いながらも長年連れ添った老夫婦の話。これから恋が始まる予感がする作曲家とアシスタント(ドストエフスキーの「罪と罰」を渡され、伝言は「ウィキペディアは読むな」に爆笑)。プロムに出掛けた車椅子の女の子。

そして、いちばん不思議なエピソードかつ心を打たれた、体の不自由な若いホテルマンの話。あれはもう引退して歌わなくなった歌手の幻影だったのか。彼女は一番の服を着て、お気に入りのスミレの花を持って、自殺するつもりだったんだと思う。彼女の代わりに幻影が窓から飛び降りたのではないかと。この若いホテルマンを演じたシャイア・ラブーフが素晴らしくて。カーテンの向こうに姿が消えていくシーンなんて、表現も見事。

あと個人的には夜の闇と悪事が似合う(笑)クリス・クーパーが良かったな。実は中国語解りますよ、とニヤリとするシーン。えぇいこの悪党め。

他にもキャストが豪華。うそ臭いフランス語を話すスリにヘイデン・クリステンセン。彼女をローマに連れて行こうとする頼りない(笑)彼氏にジャスティン・バーサ。ブラッドリー・クーパーやアンディ・ガルシアなどなど。いやいや、贅沢な映画だなぁ!