いつも前向きに! (地上5センチの恋心)




Odette Toulemonde (2006)

まず題名にくすっとする。だって主人公の名字がToulemonde…これ本当にある名字なのかな?

さて、カトリーヌ・フロ主演ってことで選んだ作品ですが、何が良かったかって、主人公オデットのいつも前向きな姿勢です。夫を亡くして2人の子どもを育てるって、大変だったと思うんですよ。実際、彼女はデパートでの仕事だけじゃなくて内職もしてるし。それでも彼女には、生活のみじめさとか大変さを前向きにとらえて来たんだろうな。そのひとつが大好きな作家の本を読むこと、でもあったんだけれど。

その前向きさと作家への思いが、ラストのハッピーエンドになるんだけれど、素直に、良かったね、お幸せにねって思える。

大好きな作家のサイン会、本人を前にして緊張のあまり…というシチュエーション、あーよく分かる!!私が唯一経験したサイン会はポリスのアンディ・サマーズだったけれど(ちなみにその時の話はこちら)、緊張しながらも言いたいことは言えたから、オデットのような後悔はないので私としては上出来。英語だったしな。

で、この映画。オデットはベルギーに住んでいるという設定なんですね!オデットの家に泊めてもらっていた作家のバルタザールが、「フランスに帰る」と言った時に、私、え!ここフランスじゃなかったのー!だってみんなフランス語話してるじゃん!風景とか言葉とか、見る人が見ればあぁこれはベルギーだなって分かるのかな…。

トゥルー・グリット



True Grit (2010)

天罰なんか、待ってられない


マティは自分の手で父親を殺した相手に復讐することができた。それだけでもう充分思いが伝わる話だったし、それを支えたルースターとラビーフもまた、自分はこうと信念を持って行動する男たちだった。ふたりがぶつかるのはだから当然だったのかも。そんなふたりが最後はマティを助けるのが、やるときはやるぜ!なかっこよさ。そう、男は口じゃなくて行動だ。

ルースターを雇ってマティが旅に出るまでが長いかな、と感じたけれど、裁判のシーンで、ルースターの人柄や仕事ぶりが分かるように説明されてたのかな。


私は最初、3人が仲良く(とは言わないでも)協力してチェイニーを追うかと思いきや、マティの思いとは別にルースターとラビーフがぶつかってばかりなのだったので、おいおい大丈夫か!?と心配でしたよ。案の定ふたりは決別してしまうのだけれど。

負傷してチェイニーを追うことをあきらめた(と思われた)ラビーフがマティと別れるシーン。あれはちょっと切なかった。ラビーフは少し、マティに好意を寄せていたように見えて。それがあるから余計、マティがチェイニーに殺されそうな時に助けに現れたラビーフのかっこいいこと!「スター・ウォーズ」EP4のハン・ソロを思い出す!

酔っぱらいでほんとこの人大丈夫なの?な保安官なのに、いざというときには手綱をくわえて2丁拳銃で敵に向かうルースター。マティを救おうと満点の星の下、ひたすら走るルースターの姿に、涙。あぁいうかっこよさ、本当に久しぶりに見た。


マティがルースターとラビーフを追いかけ、馬を川に向かわせ渡りきるシーン。最後、川からあがる一瞬、彼女の顔がアップになるんだけれど、その時の表情が素晴らしくて!あの表情だけで私はもう、この映画見た甲斐があった。マティを演じたヘイリー・スタインフェルドの、役にあまりにもぴったりな様は、「ピアノ・レッスン」のアンナ・パキンを思い出します。

25年後のエピソードもまたしんみりするものでした。マティ、ルースター、ラビーフ。各々の長い人生の中でのほんの一瞬の交錯。だからこそ、その後はお互い再会することもなかった。それが人生なんだろう。


私、西部劇は苦手なんだけど、これはホントにいい作品だったし、ジェフ・ブリッジスとマット・デイモンのおっさんの格好良さに惚れました。おっさん万歳。

GOサイン出ました (Elysium)

噂の域だと思ってたけど、ホントにGOサイン出たんですね(驚)。

『第9地区』監督の新作、マット・デイモンとジョディ・フォスターが共演 SF映画『エリュシオン』が2013年に公開決定



あんだけ1作目が成功すると、2作目のプレッシャーも大きいかと思いますが、ブロンガンプ監督、期待してます!
あ、2作目もシャルト・コプリー出演するのでそれも嬉しい。


先日、ご縁ありまして友人から「第9地区」のDVDを貸していただきました。特典の「監督のオーディオ・コメンタリ」を見た(聞いた)けど、私、監督や俳優が直に解説してくれるコメンタリが大好きなんですよ〜。

「このシーンはこれとは別にこういうバージョンも撮ったんだ」とか、「後ろに○○が見えるだろ?あれは××なんだ」とか、とにかくトリビア的ネタが満載。今回も楽しみましたし、より一層この映画を理解できたと思います。

そのギャップがたまらん (オーストラリア)



Australia (2008)

オーストラリアの大地の青い空や砂漠の色をデフォルメして映してるのが、虚構の話ですよ、ていうのを強調してて、こう、「(ホントのことではないけれど)こんな話もありますよ」という雰囲気を出してたような。バズ・ラーマンって色彩が特徴あるよね。それとは反対に主演男優の哀しさが強調されてるかな、と。「ロミオ+ジュリエット」のレオしかり、「ムーラン・ルージュ!」のユアン・マクレガーしかり。

そしてラーマン監督とニコールは相思相愛。シャネルno.5のCMもこのふたりでしたし。


で、ストーリはともかく(え!?/笑)、最初っから小汚い格好で出ずっぱりのヒューがですよ、舞踏会に、しかもいったんは断っておきながら、白の!白の!!(←ここ重要)タキシードで現れたらそりゃ誰もがあなたに墜ちますって!やられました。まんまと(笑)。

しかし、王様になったアラゴルン@指輪(ヴィゴ)の時は、「あぁきれいになっちゃって…汚いままでよかったのに…」と思うのに、ヒューだとかっこいいと感じるのはどの辺りに違いがあるのだろうか。自分の感覚がよく分からない。


デヴィッド・ウェナムも出てて、オーストラリア勢頑張ってます!しかし彼は馬に乗れたのだろうか。指輪の時は散々苦労してたからねぇ…(遠い目)。クレジットも3人目、大活躍!そういえば「300」の時も、意外や意外、最後は主役級の活躍だった。実は売れっ子だったんだ!ちなみにウェナムは「ムーラン・ルージュ!」にも出てます。最初にちょろっと出るだけだけど。


この映画、興行面ではあまり振るわなかったそうですが、上映時間が長かったからかな。ストーリーもベタと言えばベタですが。キャストもゴージャスだし。

確かアメリカ版Vanity Fair にこの映画の撮影中のニコールをモデルに写真家が撮った特集があったんだけど、検索しても見つけられなかった。素晴らしい写真の数々だったので、もう一度見たい。


「大切な儀式を踏まなければ、物語も夢もない人生になる」



死生観 (ヒア アフター)



Hereafter (2010)

死んだ兄に会いたいマーカス。

死後の世界を垣間見、世界観が変わったジャーナリスト、マリー。

死者と対話できる能力を「呪われた」と思っているジョージ。

この3人がどうやって絡んで話が進んでいくんだろう?と興味深く観れました。そしてロンドンで行われたブックフェアで3人が交錯するのがとても自然で、いい演出だなーって思いました。「バベル」や「クロッシング」の絡み方が私には唐突すぎるというか、無理やりそっちの方向に持ってきてるように感じたから、この演出は良かったです。

そしてイーストウッド映画としても私はこの作品、好きです。終わり方がハッピーだからかな。何か特別明確な答えが出たわけではないし、死を扱っていながらも、生きている今が大事だよ、というポジティブな内容だったからかな。
マリーは本を書いたことによって、マーカスはジョージの能力を介して兄と話せたことによって、前に進めたと思う。そしてジョージはマリーと出会ったことで、これからの人生が今までと違っていいものになるだろうという予感で終わるからかしら。

死んだジェイソンが死後「ここはすごいよ、なんにでもなれる世界なんだ!」と楽しんでる様子でほっとした。小さな子どもが死んだり犠牲になったりする映画は辛いから。


マーカスがジョージに兄と話せるよう依頼したあと、

「死んだらどこへ行くの?」
「分からない」
「死んだ人と話せるのに分からないの?」
「分からないんだ」

のやりとりがすごく好き。ジョージができるのは霊と話せるだけだし、彼にだって分からないことはある。万能の能力ではないのに、おそらく周りは彼にそれ以上のものを求めてくるんだろう。ジョージは死者と対話できるだけじゃなく、依頼してくるひとたちにも疲れきってしまったんだろうな、と思わせるシーン。

そのジョージ。家で過ごす様子を見てると、TV、ネット、新聞、ラジオに至るまで、外部の情報が入ってくるものは一切生活にないのが驚き。そんだけ色々疲れちゃってるんだろうな。唯一の楽しみが、ディケンズの小説の朗読テープ。だから、ひとりサンフランシスコを離れ、大好きなディケンズの生家を訪れるツアーに参加した彼の嬉しそうなこと。当てもない行き先にイギリスに選んだのも納得。

彼のお兄さん、本人の意思に関係なく弟の能力が金になるって、すげー分かりやすい人だけど、ジョージはもっと早く兄から離れても良かったのでは。

ジョージが料理教室で出会ったメラニー。彼女のハイテンションが作品に会ってないんじゃない?と感じたんだけど、彼女は結婚寸前までいった相手と破局してるという過去がそうさせているのか。ちょっと彼女の雰囲気はあの映画にあってないと感じました。

ジョージの「能力」が、留守電の兄の話でメラニーにばれてしまうシーンもうまい。この映画って、さらりとさりげないようでいて、実はものすごく緻密に脚本が練られているのに感心。


海外のブックフェアって、作家さんが直接朗読をしてくれてすごく興味深いイベントですね。一度参加してみたい!日本で本の見本市には参加したことあるけど、それとはまたちょっと違うイベントみたいだし。


キャスト。ジェイソン・ボーンに負けず劣らずな孤独っぷりがすごいジョージ役マットいいです!!日々の生活を変えようと参加したのが料理教室。エプロン姿のマットを見られるとは思いませんでした(笑)。メラニーとジョージじゃ10週間後でも料理コンテスト優勝は程遠そう(笑)。

セシル・ドゥ・フランスが冒頭で津波に巻き込まれるシーンがすごく怖かった。私、「水中でどうにもならない状況」ていうのが苦手。見てるだけで窒息しそうで怖くないですか?しかも、マリーはいったんは大木に捕まって、周りの人も手を差し伸べてるから、助かりそう、と思ったら後から流れてきた車(かな?)がぶつかってきて頭を打ちつけ、これじゃもう絶対死ぬだろ、という状況が怖かった(泣)。

ホスピスのドクター役にマルト・ケラー。なんとこの人、「ブラック・サンデー」(1977)で女テロリスト役をやってた人だ!「ブラック〜」をつい最近見たから驚いたし、いったいどうやってこういう俳優を見つけてくるのか。それを言うならディケンズの小説を朗読してるのがデレク・ジャコビ。


それにしてもイーストウッドの映画は、本当に静か。音楽がさりげなくバックで流れているだけだから、映画館内も非常に静か。多くのハリウッド映画は音楽が本当に多く、まぁ悪く言うとうるさく流れてるんですね。そんなことにも気付きました。あと、予告で流れてたSiaのLullabyという曲は劇中には使われなかった。ちょっと気に入ってたので残念です。

まぁだいぶ甘い評価ですが、こんな感想の私でも最後のキスシーンはいらなかったかな、と。あと目隠しテイスティングシーンも。見てるこっちが恥ずかしかった!