さすがのポール・グリーングラス! (キャプテン・フィリップス)

captain-phillips-poster.jpg



Captain Phillips (2013)


ただ貨物船が出航するだけでドキドキ緊張するのは、ポール・グリーングラスの作品だけ!


…ってなんか、「この先生の作品が読めるのは週刊少年ジャンプだけ!」みたいなノリですが。


どうしてこの監督は、こうもテンションを最初から最高にして、そしてそれを最後まで持たせられるんだろう。前作の「グリーン・ゾーン」はストーリー的にはちょっと残念でしたが、でもやっぱり観賞中ずーっと緊張してたもんなぁ。

今回は珍しく上映時間が長めの134分。そして、前半:海賊が貨物船を乗っ取る、後半:船長が人質に取られて救出されるまで(&アメリカ海軍とネイビーシールズの活躍)、と、分かりやすい2部構成。

たった4人の、しかも少年のような若い男4人で、あんな大きな貨物船を乗っ取っちゃうなんて!あぁそうか、貨物船だから、武装してないのか。そして船の周りに近づけないように、ばんばん放水してても、ボロっちい梯子を掛けてしまえばもうこっちのもの。あっという間にすいすい乗船してきて、本当に乗っ取った…。びっくり。


船長っていうのは、船に関する知識や経験だけじゃないんですね。何でもそうだけど、上に立つ者は、人をまとめる能力がないと。いかにして海賊たちを追い払うか、だけじゃなく、乗務員を守らなければ。そのためには、自身が犠牲を払うことをも惜しんではならないのですね。

救命船に、人質としてそのまま一緒に乗せられてしまった船長に、副船長や他の乗務員が、船長!船長!!と叫ぶシーンが、すごく良かったのですよ。ずっと今まで、淡々と、かつ的確に、テキパキと指示を出してきたフィリップスを、あぁ皆彼に敬意を払って一緒に働いていたのだな、と思えて。


海賊たちも、お国事情が垣間見え、決して、船長たち=善人、海賊=悪人、と、紋切り型の描写ではないのも良い。

金を手に入れたら、俺はアメリカへ行くんだ。そして車を買う。

この海賊の言葉だけで、今置かれている彼の国と彼自身の状況が、はっきり目に見えてくる。そして海賊行為をしても、直接彼に大金が入ってくるわけでもないことを、フィリップス船長は指摘してたけど、その通りなんだろうな。


結局主犯格の海賊ミュゼは逮捕、後の3人は射殺、で事件は幕を下ろすんだけど。射殺を請け負ったシールズのメンバーは、仕事を終わらせて淡々と現場から引き揚げ、救出されたフィリップス船長は、すぐさま医務室に連れて行かれてメディカルチェックを受けるんだけど、ちょっとの間でいいからさ、彼をひとりにして泣かせてやれよ、と思った。あの辺アメリカ人ってあんな感じ?

特に船長は、一番年下の、ガラスで足の裏をケガした海賊には少し同情、というか、おそらく自分の息子と同じくらいの歳だったんだろうね、何かしら思う部分があったので。


この映画のトム・ハンクス。一言で言おう。最高。


いやー、いい映画観たわー!!と大満足。

トランプ

trump.jpg



息子がトランプで遊べるようになったので、プラスチック製のを買いました。柄や大きさが、外国のたばこみたい。

今まで使っていたのは、紙製。そして絵柄は、なんと映画「ダンス・ウィズ・ウルブス」のなんですよ。これ、公開時にテレホンサービスを使ったクイズでもらったものです。だから23年ほど前のものか。よく今まで大事にとってあったなぁ。

ちなみに我が家の実家の電話はだいぶ長いことダイヤル式だったので、テレホンサービスがなかなか利用できなかった。プッシュ式でないとだめだったのよ。

6つの話がすごく上手にまとまってました (クラウド・アトラス) 追記あり

Cloudatlasofficialposter.jpg


Cloud Atlas (2012)


3時間ある、とか、話が複雑、とかいう理由で避けてたんですけどね。ベン・ウィショーが出てるんだ、ってことで俄然張り切って見始めましたが、いやいや、6つのストーリーが並行して進んでいくけれど、どの物語も面白いじゃない!私、「マトリックス」は1作目以外は苦手なんだけど、この映画だと、多分ウォシャウスキー色が一番強いのは2144年のネオ・ソウルのパートじゃないかな?橋のシーンは面白かった!で、おそらく1936年の作曲家のパートはトム・ティクバが撮ってるんじゃないかなぁ。定かじゃないし、あくまで想像だけど、そう思う。

話のつながりは、深い部分は多分、何度も見ないと分からないけれど、初見でも十分楽しめたし、逆に、3時間でよくまとめたなぁって思う。

1892年のユーイングが経験したことが本になって、1936年の作曲家がそれを読み、その作曲家が作った「クラウド・アトラス六重奏」を1973年の記者がレコード店で見つけ、その記者の自伝を出版したのが2012年のカベンディッシュ。カベンディッシュの体験した老人ホームドタバタ騒動記が映画になって、それを2144年のソンミ451が見る。ソンミの残したメッセージが、2321年の世界で宗教になっている、ということですね(ですよね?)。

私が一番好きだったのは、1936年の作曲家のエピソード。もうね、悲恋で泣ける。あと数分、あと数十秒で、シックススミス(ジェームズ・ダーシー)はフロビシャー(ウィショー)に再会できたのにと思うと。
そしてフロビシャーは、「クラウド・アトラス六重奏」を自分の名前で発表しようとするビビアンから、断固作品を守るために、まさに命を懸けたんですね。私は最初、自分の過去をばらされるからかと思ったけど、そんな低レベルの話じゃなかったですね。

はぁー、このエピソードだけで、90分くらいの話にして作ってほしい…。ほんっとに。

そしてフロビシャーの恋人だったシックススミスは、そのまま年を取り、1973年のエピソードにも登場。時間をまたいでいるのってこの人だけだよね。

そしてそして、フロビシャーを演じるベン・ウィショーが本当に美しくて!これと、007のQ役で、世の8割の御嬢さん方は彼に落ちるのではないでしょうか(はーい、落ちました)。
フロビシャーの腰の下あたりにあるほうき星のあざ。「このベスト借りていっていい?」を無言のジェスチャーで示すシーン。
ビビアンに、世間にお前の過去をさらしてやる、と脅された時の顔(ちょっと涙が浮かんでるところが~!)。
シックススミスが幻想で描いたふたりの再会(あの、陶器がいっせいに持ち上がって落ちる瞬間の素晴らしさ)。

何もかも、もう本当に、美しい、の一言でした。

cloudatlas_ben-2.jpg

涙目ベンがネットに落ちてなかったのでキャプってきた

cloudatlas_ben-1.jpg

個人的にはこの表情がすごい演技うまくてかなり好きだ(ビビアンに「お前ほどの美青年ならこの老いぼれもなびくと思ったか?」のシーン)

cloudatlas_frobisher-1.jpg

cloudatlas-b-whishaw-j-darcy.jpg


しかしベンはすごい痩せてるよ~。なんだかおかーさん目線な私は、ご飯をお腹いっぱい食べさせたくなります。


1973年の女性記者のエピソードも好き。基本、70年代のアメリカのサスペンスモノが大好きなので。個人とファイル抹消のために飛行機ごと爆破って!怖~。少年との交流があるのが、ちょっと「グロリア」っぽいし(あっでも「グロリア」は1980年の作品だった)。このパートのハル姉さんかっこいい。

ハル・ベリーは、力強さが自身の美しさになったような女優ですね。素敵です。


あとは好きなシーン、好きな登場人物を羅列。

・2012年でのフーリガンのジム・スタージェス。多分ノリノリで演じてる

・1892年、帰国後元気になったユーイングのジム・スタージェスが、「ファミリー・ビジネス」(1989)の頃のマシュー・ブロデリックにそっくり!

・1973年のメキシコ人女性(ペ・ドゥナ)。飼っていた犬を殺されてあんな怖そうな暗殺者(ヒューゴ)に怒りの一撃!どころか二撃、三撃!大爆笑!

・1936年のフロビシャーが続きを切望した本の後半部分は、なんと机の高さ合わせに使われていた!

・2012年の強制収容老人ホーム?みたいなところの看護師。ごっつ過ぎるわ!(ヒューゴ・ウィービングが演じてるからね…/笑)

・1936年のヴィヴィアン・エアズの家と、2012年の老人ホームは同じ建物。2012年にはサンルームが増設されている。ロケ地となったのはOVERTOUN HOUSE。なんと、B&Bになってて、泊まれます!場所はグラスゴーのもう少し北。これ次回のイギリス旅行にぜひ組み込みたくってよ…!

・ついでにもうひとつロケ地。フロビシャーがシックススミスと会えなかった(会わなかった?)塔はScott Monument

・1892年のユーイングのべストのボタンと、1936年の、シックススミスが着ていてフロビシャーが借りて行ったベストのボタンが同じな理由は?

・物語終盤に流れる「クラウド・アトラス六重奏」が美しい!


輪廻転生している人たちの体にある、共通の、ほうき星のようなアザがある設定はあまり生かされてなかったなぁ…。最後の最後、夜空にシュッと流れ星が現れるので、ちょっと残念だな。


さて、同じ俳優が色んな役を演じている、ということで、特殊メイクがおのずと気になるところではありますが、なぜアジア人ペ・ドゥナの西洋人化はばっちりなのに、欧米人のアジア人化はあんなにうまく行ってないのでしょう…。2144年のジム・スタージェスとヒューゴ・ウィービングが…ちょっとひどすぎやしないか。

そう考えると、「恋するリベラーチェ」で、マット・デイモンの特殊メイクを手掛けたのが日本人、そしてその技術でエミー賞受賞、というのはやはりすごいことなのでは。


ずいぶん長い感想になりました。


Cloud_Atlas-Hugo_Weaving.jpg

またこいつが追ってきた!逃げろ~


Cloud-Atlas.jpg

今回はベン・ウィショー多めで


【追記】
ワーナーブラザーズの公式サイト内に、なぜかpdfで映画のプロダクションノートが落ちてて、これ、私が細々とかき集めたネタが全部ここに入ってるんですけど…。最初にこれを見つければ良かったのか!
こちらでどうぞ。

俳優じゃなくて、ほうき星のアザを持っている人繋がりでみると、違う側面が現れる、ということを他の方のレビューで知りました。素晴らしい観察力と洞察力。こういうの読むと、もう一回見たくなる!中毒性のある映画化もしれません…!

【レビュー】クラウドアトラス

時空を超えてまた会おう 映画「クラウドアトラス」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

恋は盲目 (恋するリベラーチェ)

behind_the_candelabra.jpg



Behind the Candelabra (2013)

うわー、もうマイケル・ダグラスとマット・デイモンの熱演、怪演にただただ拍手、というか、すげえなおい!というのが正直な印象でした!

恋すれば「あばたもえくぼ」。嫌いになれば「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」。お互いの、こってりな愛情が憎しみに変わったその瞬間から、すさまじい執着心や嫉妬心に変身。愛していれば愛しているほどその反動も大きいのね。

でもでも、歳取って、髪も薄くなって(波平さん状態…)、整形して若く見られるよう手も加え、などなど、リベラーチェのスコットに対する愛情は本物だったし、必死な感もあった。スコットは、すんごい年上のおっさんから見染められて、生活が何もかもゴージャスになり、でも彼の自分への愛情が以前よりも少なくなってきたことによる不安で薬に手を出し、堕ちていく人生。どっちも切ない。切ないんだよなぁ。

スコットは、あのままなら、里親もよい家庭に恵まれたみたいだし、獣医師になって、ゲイではあるけれど、地に足の着いた人生だったのかもしれないとも思う。


いやー、とにかくもう、マイケル・ダグラスの熱演。あのギンギラの衣装。深くスリットの入ったローブとか、オネエ言葉とか、物腰のやわらかーい感じとか。これはマイケル・ダグラスではありません、て言われた方が信じるわ。ほんまに。エミー賞受賞は誰もが納得でしょう!

対するマット・デイモンも、リベラーチェと出会った時は17歳!それをマットが演じるなんて、すげー!あのふくふくほっぺを、指でぷにぷにしたかった。

スコットの整形後の顔が、リベラーチェの「私に似せてね」のリクエストはあったけれど、80年代のジャニーズ系アイドルっぽい!この話が1977-1987の話なんだから、80年代風で当然、なんだけど、ワム!、カルチャー・クラブ、デヴィッド・ボウイとか、なんかそんな感じの髪型や雰囲気で、あれほんと、どうやって顔とか造ったんだろう。メイクの力もあるだろうけれど、全然マットと違う顔で、驚いた。

しかし自分の若かりし頃の顔に整形させるって、どんな心理なんだろ?自分が大好きってこと?


あとは、普段は見られない、マットの背中とかお尻とか足首とか色々…うん、色々見られました(笑)。


なんで原題が「燭台の後ろで」なんだろ?と思ってましたが、リベラーチェはグランドピアノの上に、必ず燭台を置いてショーを行っていたからなんですね。"canderabra"なんて単語初めて知りました。

そしてあんなに華麗にピアノが弾けるなんて、羨ましい…。



カンヌ国際映画祭のプレスカンファレンスで、「癌になってもソダーバーグが復帰を待っていてくれて…」と涙ぐむマイケル・ダグラス。ええ話や。

http://www.youtube.com/watch?v=1ky8DoE5W2s

Behind-the-Candelabra_Michael-Douglas-Matt-Damon-leather-jacket_Image-credit-HBO.jpg

いつまでも「わぉ!」が続く人生は…難しいよね。

年末のNHK BSプレミアムの映画覚書 (追記あり)

12/13
午後11:45~午前1:27 「恋人までの距離(ディスタンス)」

12/20
午後11:45~午前1:06 「ビフォア・サンセット」

1月からの3作目公開に向けての放映だとしたらNHKにしては珍しいわー。


そして、12/31、午後6:20からは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が3部作一気に放映!うわー、久しぶりに見よう!リアルタイムじゃなくても見よう!!うれしいな、懐かしいな!!

その他にも、

12/6
午後11:45~午前1:48 「カティンの森」
や、
12/31
午後1:30~5:17   「風と共に去りぬ」

などなど。豪華なラインナップ。


「風と~」は、いい加減、今見ておかないと、人生の最後に、「あぁ見れなかったな…」と後悔するよう気がする。

【追記】

げぇ!私、時間だけ書いて、放映日を何にも書いてなかった!!いったいどーゆー記事なんだよ。

あ、12/13は「アメイジング・ブレイス」も放映ですね。これ前見逃したからこれもチェックチェック。