ブルー・ジャスミン

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Blue Jasmine (2013)


も、もうなんか見てて主人公ジャスミンの生き方が痛々しすぎて辛い映画だったよ……。
すごくハードな状況を乗り切ってきたのはよく分かる……いや、乗り切ってはないのかな、彼女は。言動は怪しいお金があった頃の習慣をそう簡単に変えることはできないんだよね。それでもどうにかして乗り切ろうと彼女は彼女なりの精一杯の努力をしていると思うよ。なんとかして今の悲惨な状況を変えようとしている姿は哀れでもあり。だから素敵な金持ちの妻を亡くして独り身の男性に出会ったら自分を偽ってでも、どうにかいい方向へと持っていこうと嘘を吐く。そんな彼女は悪いことをしているとは思うけれどでもそれを私は責められない。だって本当に必死なんだもの。
堕ちた自分の姿を認められない。ジャスミンは心の弱い人間だけれど自分はそうはならないと誰が言える?私は強い人間ではないし毎日の生活において現実逃避してる部分も多々あるのでよけいに辛かった……のかな。

ケイト・ブランシェットはもう何にも文句つける部分がないです。なぜどんな役もこなせてしまうのか。怖い。すごい。それでもこの映画ではしわや目の下のクマやはげ落ちたマスカラがリアルで私はこういうの歓迎だな。

妹の彼の友人エディ役にマックス・カセラ。マックス・カセラ!そう、「天才少年ドギー・ハウザー」でドギーの家にいつも窓から入ってくる親友ヴィニー役の人だ!いやー懐かしいです!小柄なラテン系の雰囲気、全然変わってない。思わずにんまりしました。


マシ・オカと糸井重里の対談

読んだのは半年くらい前だけど面白かったので備忘録。

アメリカで、こころは折れないの? マシ・オカさんと糸井重里、日米の違いをおしゃべりする。

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

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5 Flights Up (2014)


これはあたりだった!しかも「ブルックリン」(2015)から間を置かず見たことで場所と時間がつながってる感じがしてタイミングもばっちりだった。多分これ、一度でも家を買ったり売ったりした経験があるならめっちゃくちゃ分かるし笑えるし同感できる映画。
40年以上住んだアパートメントの5Fの部屋を売りに出すことになったカーヴァー夫妻が、売るのと同時にその後住む場所を買おうって決心したあたりから話のスピードが加速して面白かった。売買が同時進行ってもう気が狂いそうなくらいあれこれあれこれ考えることが山積みなうえに、面白いのはオークション形式で売り手/買い手が決まるようで、他にも買いたい人間がいれば当然駆け引きがあるのがスリリング。買いたいと思うと値段を釣り上げて何としても手に入れようとするし、もちろんほんとに手に入れられるのかと焦るし、でも動くお金はかなりの額だし、こんなの人生に何度もないことだから本当に売って/買っていいのかと決められない。その心理、よく分かる。すごくよく分かります……!そして保証金に手紙を付けるのもへぇーって感じでした。NYだしもっとドライなやり取りかと思ってたので、心情に訴えるのもありなのかぁ、と驚き。
揺れ動く夫婦の間にやり手の不動産仲介エージェントである姪のリリーがあれこれ指示を出してきてさらに話がややこしくなるし、でも最後は納得できないことに巨額のお金を払うのは納得いかない、と自分のアパートメントを売ることも、新居を買うこともやめると夫のアレックスは決めたのだけど。その判断、私は正しかったと思う。
あのね、本当に決められる時って、驚くほどスムーズに物事が進むんです。だからどんな些細なことでもなにか引っかかることがあるならそれはやめたほうがいい。今後のカーヴァー夫妻にはいつか必ず何かしらのご縁があってアパートメントが売れる日も、条件にあった新居が決まる日も必ず来るよ。これ、間違いない。

内覧会に来るいろんな人たちに呆れたり唖然としたり(内覧会めぐりが趣味って分かる、分かるよ……!)、売り時のタイミングが夫婦で違っててけんかしたり、もうほんと夫婦あるあるでそれが爆笑ですごく楽しい映画だったし、こういう大きな出来事を乗り越えたふたりの絆は強まったと思うよ。

キャストが絶妙で、カーヴァー夫妻役モーガン・フリーマンとダイアン・キートンはぴったりだった。M・フリーマンって副大統領とか補佐役が多いからこういう役柄はとても新鮮。ダイアン・キートンがNYを舞台にした映画に出るのはぴったりすぎでしょう。
そしてやり手仲介エージェントのリリーにSatCのミランダことシンシア・ニクソン。さらにカーヴァー夫妻が買おうとした部屋の仲介エージェントの、これまたリリーに負ける気しないミリアムにPOIのグレースことキャリー・プレストン。このふたりには水面下で火花散るやり取りが絶対あったに違いないと思わせる雰囲気が両人ともめちゃめちゃマッチしてて、想像するだけで可笑しかった。


それにしても、マンハッタンの部屋よりブルックリンEVなし5Fの部屋の方が相場が高いって本当にびっくり。まぁ広さとか周りの環境もあるから一概には言えないけれど。前述の映画「ブルックリン」の1950年代には、マンハッタンより安いから移民が多く住む治安もよくない地区だったのが、今じゃお洒落で地価も上がってリッチな場所へと変貌したんですね。面白いなぁ。
ウェブでNYの不動産広告をちらっと覗いてみましたが、サイト内には地域ごとの犯罪率マップもあってさすがアメリカというかNYというか。

ビジュアル・エフェクト

先日BSで「スピード」(1994)が放映されてるのをたまたま目にして、冒頭の30分ほど見入ってました。さすがにキアヌ若ーい!冒頭のエレベータのシーンから面白い~って思いながら見てたのですが(この映画は私の生涯ベスト10に入ります)。バスが爆弾で吹っ飛ばされるシーンを見て、うーん、最近の映画やドラマと何か違う、でもそれは何だろうとしばらく考えてました。で、その原因はたぶんこれ。

本物の爆薬を使って吹っ飛ばすと黒煙が多く混じる。

VFXやCG処理した爆発って黒煙がすごく少なく見える。その方が視覚的にきれいな爆発に見えるからだと思う。あと炎のオレンジ色が若干薄いようにも。本物はもっと重たい感じのオレンジかなぁ。
ちなみに「マッド・マックス 怒りのデスロード」は2015年の作品だけど全部リアルで爆発させてるので黒い炎があがるあがる。見てるこっちも燃えます~。

特殊効果って昔はSFXって言ってたけど今はもうそう言わない?VFXとかCGとか?

VFXの会社CoSAが作ったプロモ動画。加工前/後の違いや制作過程が興味深い。

CoSA VFX Main Reel 2015

CoSA VFX Person of Interest Season 5 - VFX Reel


LOST シーズン4

Lost Season 4 (2008)

S4の何がびっくりって、全14話だったことです。てっきりフルシーズン22話あるかと思ってたし、人気なのに打ち切りってわけじゃないしどうして?と思い調べたら、あー脚本家のスト!あったねそういえば!!この時期に放映中のドラマはみんな製作がストップしてましたが、そっか、LOSTもその頃のドラマだったのですね。

ということでS2~3に比べるとあっという間に駆け抜けて終わってしまったのが寂しい。なぜならすごく面白かったから。S4の最初の方はデズモンドに起こるタイムスリップのような現象に時間が費やされて、え~そっちに話が行っちゃうの?と思ったら、ヘリコプターで島にやってきた4人やそのヘリが発着する船に残っている連中の目的は生存者たちの救出ではなく、ベン(ベンジャミン)・ライナスの捕獲と島の残りの人間の抹殺。それが理由でロックたちとベンが行動を共にするようになり、このあたりから話が方向転換して俄然面白くなりました。
思うにロックとベンってしかるべき時期に母親からのしかるべき愛情を注がれなかったゆえの今の人生かなと思うので、私にはこのふたりはやっぱり似た者同士に見えるし一緒に行動するのも妙にしっくりくる。なんというか波長が合っているというか。ベンがもしジャックと共に行動したら、ジャックはまじめすぎてつまんないし、ソーヤーとだと多分行動開始から10分以内にキレたソーヤーに射殺されそうだし。ただでさえベンは以前ソーヤーにフルボッコにされてるしね。
しかしそれに伴いルソー、カール、アレックスが死亡。特にアレックスが容赦なく射殺されたのは驚きでした。ベンと血がつながってないのは、まぁそうだろうなとは思いましたが、しかしベンはベンなりに彼女を愛していた。このあたりから彼もまた血が通った人間なんだなと思えて好きになったなぁ。彼はその後オーシャニック航空の生存者たちとは別の手段で島を出て、チャールズ・ウィドモアに復讐しようと世界中を駆け巡っているようで。
いやいやしかしベンがジュリエットに恋してたとはね~。自宅に招いて彼女にディナーをふるまうシーンは見てるこっちが照れくさくてどうしようもなかった。冷血なベンジャミンも人の子だったんだな、と。でもジュリエットの気持ちはベンには向かずグッドウィンに。だから彼を危険な任務に就かせてうまいこと消したけれど、ジュリエットが次に心を寄せたのは自分の腫瘍を取り除く手術をしたジャック。うわ、切ない~と思わせる一方で、「オーキッド」の地下にやってきた船の男を殺し、C4が作動するスイッチを起動させたベン。「船に乗ってる人たちを皆殺しにしたんだぞ!」と怒るロックに"So? (それで?)"と言い放ったのはぞっとしました。


そしてS4から何度も出てくる島から出た後の世界。生き残って島から救出されたのはなんとたったの6人という事実に私はかなりのショックを受けました。もう少し多いかなと思っていたので。6人とはジャック、ケイト、ハーリー、サイード、サン、そしてアーロン。もしかして最後まで見たらそうじゃない世界が存在するのかもしれないけれど……かなり厳しいな、というのが正直な感想。ロックとソーヤーは生き残るんじゃないかと思ってたし。あーあーこれじゃもうグランドフィナーレ見たら私泣いてしまいそう。
ベンは助けてもらったのと引き換えに、ジャックとケイトに「島から出ていい」と。その場に一緒にいたハーリー、サイードと共にヘリコプターに乗り込み、先に船に着いていてあとからヘリに搭乗したサンとアーロンがそのまま生還できた6人となったんですね。ソーヤーも一緒に乗りましたが、積み荷を軽くしないといけないという操縦士の言葉に自ら海へと飛び降りました。これはいちばん体重が重いハーリーをかばうためってのもあるかなぁ。ソーヤーとハーリーは仲良かったので。
島を出た後の世界でジャックとクレアは異父兄弟なことが分かったんだけど、そうするとアーロンはジャックの甥になるよね。事実を知らされてジャックは驚愕してましたが、巡り巡ってジャックがアーロンの父親代わりになるなら、全く知らない他人じゃない誰かが面倒を見るよりいいと思うんだけどな……。

前述のメンバーが墜落したヘリから脱出してボートで漂っているところを助けたのはペネロペ・ウィドモア。ドラマのトーン全体が、何が真実でどれが嘘なのか分かりにくい中で、デズモンドとペネロペの愛のパートは揺るぎない事実っていうのが私は好きでした。だからボートを見つけたのがペネロペっていうのはすごく素敵。
しかし娘が彼らを必死になって探す一方で、父親のチャールズ・ウィドモアは奇跡が起きるその島を利用したいと考えてるようで。でもチャールズはその島と奇跡のことをどうやって知ったのかが私はよく分からない。
それにしても世の中ほんとに色んな人間がいるんですね。何にもない孤島なのにそれに利用価値を見出したら乗っ取って自分のものにしたいっていう発想になるのかぁ。金があるから思いつくことなのかなと思いつつも、どうやったらそういう考えになるの?すごく欲深いよねぇ。


S4最終話もけっこうなクリフハンガーで終わらせてくれました。勢いが衰えることなく次シーズンに持っていくのはすごいと思うし、島を動かすってこりゃまたずいぶん大技を仕掛けて来たな、と。残り2シーズンは、移動して消えた島とその島に残った/残された人々と島を出た6人とベンのお話、になるのだろうか。
そしてS4終盤に名前だけが出てきて6人に関わる人物、ジェレミー・ベンサム。それはいったい誰のことなの?という謎は最後の最後に明かされました。昼間訪れた葬儀社に、夜中にまたやってきて忍び込こんだジャック。棺のふたを開けたところへ暗闇の中から現れたのはベン。「ひとりではあの島に入れない。全員で島へ戻らないと」と言い、ジャックも戻りたいと思っている。そしてジャックが開けた棺の中に横たわる男は、なんとジョン・ロック。彼がジェレミー・ベンサムらしい。
ベンの思惑は?なぜ戻りたいのか?島に残された人たちは本当に永遠に戻ってこられないのか?島に残りたいと思った人間はそのままそこで暮らしていけるのか?いまだに謎は山ほど残されているし、その謎がすべて解き明かされるかどうかは分かんないけど、残りのS5、6に期待。あとリチャードを筆頭とする、ベンと鏡の反射でコンタクトをとっていた武装した集団はどういう人たちなの?


ヘリで救出にやって来た隊員のひとり、マイルズにケン・レオン!これもすごくびっくりしました。レオン、お前か~!ってなった(笑)。ヘリの救出隊員レジーナにゾーイ・ベル。スタントじゃなくて俳優として出てるのは久しぶりに見ました。
そしてサン役のキム・ユンジンって、「シュリ」(1999)で主役の俳優さんなんですね!懐かしすぎです。気が付かなくてごめん!これには夫も驚愕。何せ初デートで観に行った映画が「シュリ」だったので。当時は「デートでなぜその映画を選ぶの!?」ってみんなに言われたけれど、でもすごくいいお話ですよね。また見たくなったよ~。