エージェント・オブ・シールド シーズン3

Agents of S.H.I.E.L.D. Season 3 (2016)

ハンターとボビーがいなくなったり、死んだウォードが体を乗っ取られてハイヴとして復活したりとか、今シーズンもいろいろあったけれど、S2までとは違い、ヒドラやインヒューマンズとの関係がメインになってきて私にはもうあんまり面白みがなくなってきたので来シーズンは見ないかなと思いました。
全体を通した感想はないですが印象に残ったエピがいくつかあったのでそのあたりだけ書き留めておこうかと。

なにがすごいって、Ep05の「4722時間(4,722 Hours)」が非常に秀逸な話で、久しぶりに「ドラマという43分間の枠でここまでできるとは!」と驚かずにはいられないエピソードでした。しかもこれ、映画「オデッセイ」より前の2016年8月の放映なんだよね。こういう話を考え付いて、それを実際に映像で表現してしまうアメリカのドラマはやっぱりすげーやと思いました。何もない星でなんとしても生き抜くシモンズが本当に素晴らしく、それでいて心細い感じも表現していて、このエピで今まで以上に彼女を好きになりました。
あの星で何年もひとりで生き抜いてきたウィルが、コールソンたちが助けに来たときにはもう殺されていたのはとても悲しかった。彼を元の世界に戻してあげたかったです。

そしてS3でものすごく成長したのはフィッツ。S3冒頭でモロッコに向かったフィッツがちゃんとジャケットとタイを着用して目的地に乗り込む姿に成長したな、男になったなー!と思いました。
そして扉の向こうの世界に行ったフィッツはとうとうウォードにとどめを刺します。彼を殺すのはフィッツというのはすごく理に適っていると思う。S1ではフィッツはウォードを慕っていたけれど、彼はフィッツが思うような理想の人物ではなかったんだよね……バス(S1でシールドが基地にしていた飛行機)の部屋に閉じ込められシモンズと一緒に部屋ごと海に落とされたとき、フィッツはウォードのことをどう思っていたんだろうか。私怨とはちょっと違うけれど、でも海に落とされた後遺症に悩まされ、それでもそこから苦しんで、でもがんばって持ち直したフィッツは、ウォードを断罪する正当な理由があると私は思ったのです。
そのウォードが謎の生物に体を乗っ取られて復活したのは、まぁそうだろうなとは思いました。ウォードと演じるブレット・ダルトンってたぶんレギュラーメンバーの中ではかなり人気あるだろうから、その彼をそう簡単に降板させることって絶対ないと思うんですよ。彼の立ち位置は「ブラックリスト」におけるトム・キーンと演じるライアン・エッゴールドに似てるなとも。でもS3ラストでは大気圏を出て行ってさらに核弾頭爆発ですから、さすがに二度目の復活はないかな。
ちなみに第一話のウォードってどんなんだっけなと久しぶりにパイロット見たら、わぁ若~い!てなった。けっこう変わるもんですね。

そしてハンターとボビーの降板。私はときどきお茶目ででも普段は口の悪い(笑)ランス・ハンターがとても好きで、その元妻のボビーとのかけあいもすごく好きだったのですが、まさかのEp13で降板でした!これは本当にショックだった。もうあのふたりが見られないなんて、しかも突然のことで、嘘でしょ!?と。そしてこのエピソードもストーリーが素晴らしいだけでなく、ライティングの青が本当にきれいで、去りゆくボビーとハンターを輝かせるかのように、ふたりがとても美しく撮れていて、うっとりしました。
今後シールドとは一切かかわらないという条件で処刑を免れロシアから出国できたボビーとハンター。インターポールからずっと監視されているせいで、ふたりに接触できないシールドのメンバーは、バーの席にばらばらに座り、ふたりにショットグラスのお酒を奢って杯をかかげ、別れを告げます。これがもう号泣せずにいられないシーンで。見てるこちらはもちろんメンバーのうちマック、シモンズ、デイジー、ボビーも涙を見せるのですが、これは決して役の上だけではなく、演じてる俳優の感情から生まれた涙かなと思う。というか、そう思いたい。それほどまでに心動かされた名シーンでした。さよならボビー&ハンター……!

imdb見たらハンター役ニック・ブラッドはイギリス人なのですねー。そしてトップページの彼の写真、めっちゃ男前……!(ちょっとジョナサン・リース・マイヤーズっぽいかも?)

フィッツの男があがり、お笑い担当のハンターがいなくなったので、今後は終盤に登場したジョン・ハナ演じるラドクリフ博士がその役目を担うのかなぁ。
デイジーとリンカーンの絆というか、どちらかというと恋模様かな、こちらはあまり関心がなかったのでシーズンフィナーレも私にはあまり響かなかった。そのデイジーはどうやらシールドを出て行ったみたいですが。

アメリカのドラマはS3から大きく方向転換するのが多いかなぁという印象。それについていければその先の視聴も楽しいのかも。



暗くなるまで待って

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Wait until Dark (1967)


これすごく怖くてでもとても面白い話でした。終盤での部屋の中が真っ暗になるシーンは、本当に本当に真っ暗。画面がぜんぶ真っ黒。なにひとつ見えない。何が起こっているのかまったく分からなくて。今だったらわずかに人の陰が分かる、くらいの暗さで怖さを煽ってくるんだろうけれど、多分当時の撮影技術ではできなかったからかもしれないせいか、本当に画面が何も映ってないただの黒ってかえってめちゃくちゃ怖い。真っ暗闇の中で犯人に追い詰められた盲目の女性、スージー(オードリー・ヘプバーン)の悲鳴だけが聞こえ、彼女はどうなったの!?殺されてしまったの!?とほんとにハラハラドキドキさせられました。
目が見えない代わりに彼女の武器は音。夫の友人や警察を装って部屋に入ってきた男たちが、スージーには見えないから分からないだろうと思ってやっていたことを実は彼女は全部"お見通し"ならぬ"聴き通し"とでもいえばいいのか、どうして手すりや冷蔵庫、ブラインドの紐を掃除しているのか(男たちが自分の指紋を拭き取っていた)、なぜ冬なのに何度もブラインドを開け閉めするのか(外で見張っている仲間を確認するため)、ロート親子が同じ靴を履いているのはなぜなのか(同一人物がロート父とロート息子のふりをしているだけ)、と、彼女は鋭い聴覚だけで状況を判断するわけで。そして男たちとスージーを観客のわたしたちだけが両方見ることができる、という面白さ。スージーは見えなくて怖いけど、わたしたちは見えるから怖い。
家じゅうのライトを消して回って、犯人には見えない、分からないだろうと思ったら、家の中でたったひとつ明かりが残っていて、それは冷蔵庫の中の明かり、というのも、特別な品ではなく、どの家にも必ずある日用品ってのがまたとても親近感と恐怖感をあおってくれました。
電球を外しては床に落として割るっていうのは室内でも靴を履く生活だからできることだなーって。日本じゃ無理だ。
あと犯人たちがスージーをだますためとはいえ妙に芝居上手でちょっと可笑しかった。
オードリー・ヘプバーンのあまりにも長い睫毛はもちろん(瞬きしたらバサバサ音がしそう!)、人形を運んで殺されてしまったリサ役の俳優さんもバービー人形みたいな容姿でとってもゴージャスでした。
そしてほぼスージーの住まいの中で話が進むので、舞台を見ているような映画でもありました。というか私は今猛烈に舞台が見たい……ロンドン……ニューヨーク……。

しかしこのスージーの写真家の夫が彼女に冷たすぎやしないですか? 中途で失明した妻を叱咤激励してくれてるんだろうけれど、盲目のチャンピオンを目指すんだ、とか、いずれ俺のスタジオまでひとりで行けるようにならないと、とかさー、すごい上から目線でイラっとしちゃった。もうちょっと妻に優しくしろよって思っちゃった。


目が見えない人が主人公の映画って他にもいくつかありますが、最近だと「ドント・ブリーズ」かな? 他には「瞳が忘れない/ブリンク 」、「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」、「ブラインド・フィアー」など。探せば他にももっとありそう。目が見えないことをハートウォーミングなドラマに仕立てるかスリラーに持っていくか。私は断然後者が好み。


G.I.ジェーン

G.I. Jane (1997)

この映画のデミ・ムーアはtoo muchだよなぁ……と思うのですが他の人、特に女性の感想はどうなのだろうか。ヴィゴが出てなかったら絶対観てない。だから2度目の視聴だけどやっぱりヴィゴしか観てなかった(笑)。なんだろう、この映画でデミは強い女性、男性と同等になれる私、を演じたかったんだろうか。女性のマッチョイズムというか。ついでに言うとこの辺はジェニファー・ロペスにも似たものを感じる。もちろんこういう強い女性を好む人もいるとは思うんですが。私は男性/女性、お互いできることをしてできないことは助け合って生きていけばいいじゃんって考えるので、できない、もしくは不可能なものを性別が理由でむりやり求められる状況だとしたらそもそも最初からその基準は間違っているんじゃないかと思うのですよ。
海軍の特殊部隊SEALsはこの映画で描かれたようにそうとう厳しい訓練と最終テストをクリアしないと入れないんだろうけれど、どれだけ厳しくても女性が志願してきたら最初から拒否せずにまずは門を開けばいいと思うんだけどな……でもマスター・チーフ(ヴィゴ)の言う通り、女性であるという理由で作戦の足を引っ張ったり他の隊員も巻き込んで犠牲になるなら女が入るのは迷惑、という考えも分からなくはない。じゃあいったいどうすりゃいいんですかね?こういう命題に明確な答えや解決法を見つけるのは難しいですね。
チーフは確かに鬼軍曹だしめっちゃくちゃ厳しいけれど、仲間であるオニール(ムーア)を疎ましく思って彼女を助けようとはしない他の候補生に対しては、容赦なく叱責したり海に突き落としたりするのは男女関係なく公平だよね?
終盤の、全員が訓練生の身分なのにいきなり実戦に出ることになって、チーフが負傷したものの無事任務を終えて帰還するってのはそれはさすがにないだろうとは思いましたが、無事最終テストに合格したオニールのロッカーにD.H.ロレンスの詩集が入っていたのはちょっとぐっときました(もちろんその詩集を置いて行ったのはマスター・チーフ)。
でも彼女を巡るワシントンでの政治的駆け引きは結局どうなったんだとも思うし、わりと都合よく終わった映画だった……。

全体的にシリアス調ですが、実地訓練でどろどろに疲れているところに座学で作文の時間が入れられて、おまけに薄暗い部屋の中にチーフの意地悪な計らいでスローテンポのオペラが大音響で流されたら、そりゃ訓練生のほとんどが寝るよねっていう。このシーンには爆笑だった。


スナイパー・ヴィゴ!

あとなぜか実地訓練の設備の中にある、木の板で作られた模擬の壁に「終」って書いてあるんですよ。漢字で。

なんで漢字なんだ。


ところでこの映画ってジム・カヴィーゼル出てたんですね!まったくノーマークだったので慌ててimdbを確認してきました。ものすごくびっくりした。女が入ってきたぜってオニールに対してあれこれ絡んできたり嫌味を言ったりしてたんだけど、訓練中の自分の行動のせいで全員が捕虜になる原因を作ってしまうけっこうなバカ野郎でもあるんですが。拷問を受けても屈しないどころかマスター・チーフをフルボッコにしたオニールを見直したスロヴニック(カヴィーゼル)はそのあとバーで彼女に向かって困ったような顔をしながら素直に謝って。やだなにそれかわいい!それ以降はいつも彼女の後ろで見守るようにそっと立っているのがまたいい感じで(背が高いからそういう風に見えるだけなんだけどここは都合よく解釈させて~)。

ヴィゴとカヴィーゼルが共演してるという事実を知ったら内容はともかく私にとっては突如美味しい映画になった。

the Bourne Supremacy

The Bourne Supremacy (2004)

2004年の映画を2017年の今見ると、ボーン役マット・デイモンもキリル役カール・アーバンもわっかーい!ってなりますね(にこにこ)。でもマットをこの役にあててくれてほんとありがとう!って毎回見るたびに感謝したくなる。もう数え切れないくらい何度も繰り返しばかみたいに見ている映画でもあります。好き。

劇中での重要な台詞は以下の4つだと思うので、それを抜粋してみようかと。

MARIE : Because sooner or later, you remember something good.
BOURNE : I do remember something good. All the time.
過去の記憶が未だ曖昧で悪い記憶が悪夢となって繰り返し見るボーンを励ますように「きっといつかいいことも思い出すわ」と言ったマリーに「いい思い出は覚えてる。いつも」と返すボーン。彼にとってのいい思い出=マリーとのこと、なんですよね。記憶がないボーンが生きるあやふやな世界と自分を繋いでいてくれるのはマリーだけ。だからこそ、トレッドストーンに追われていると思ったボーンが、
"We don't have a choice." (選択肢なんてない)
と言ったことに対して
"Yes, you do." (いいえ、あるわ)
と断言したマリー。しかしそれが最期の言葉となったマリーが死んだことでボーンは生き方や考え方を変えたと思うし、アボットに対しても
"She wouldn't want me to."
マリーがいやがるから殺さない
と言ってボーンが殺すのではなく、録音した会話が入ったレコーダーと銃を机の上に置き、アボットに自首か自殺、どちらにするか自分で決めろと部屋を出て行く。
そして非公式で最初の任務となったロシアの政治家、ネスキーとたまたまそこに居合わせた彼の妻を暗殺したことを思い出したボーンは、ロシアへと赴き、事件以降孤児となったネスキーの娘の元を訪れ、
"When what you love gets taken from you, you wanna know the truth. "
愛する人を奪われたら、真実を知りたくなる
と話す。

"There's no place it won't catch up to you. It's how every story ends. It's what you are, Jason, a killer. You always will be."
アボットから「どこにいても追われるんだ。過去は変えられない。お前はこの先もずっと暗殺者だ」と言われたけれど、ボーンは続く「アルティメイタム」でやっと記憶を取り戻し、それでも殺人という罪を背負ったうえで自分の意志で正しい方へと生きてこうとするラストだったので、彼は愛する人を失っても、その先どこで何をしていようとも必ず希望がある人生を送ってると信じてる。だからこそ余分な続編は作らないでほしかったな~!って思ってます。

はー、ほんとこの映画は好きすぎる。モスクワでのカーチェイスのシーンは最高だし、アクションと撮影方法がこれ以降に生まれた作品に多大な影響を与えたことは007なんかを見ればよく分かるよね。POIも間違いなく影響を受けているし、私は最初の頃はジョン・リースはボーンにとてもよく似てるなぁと思いながら見てたくらいなので。
それほどにアクション映画のターニングポイントになった作品だし、これを映画館で観れたことは本当に幸せだったと今も思う。そしてやっぱりジェイソン・ボーンという人物の描写と解釈が素晴らしい。これに尽きる。だから何度見ても新鮮で心に響いてくる。もう本当に本当に大好きだ。

ピッチ・パーフェクト、ピッチ・パーフェクト2

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Pitch Perfect (2012)
Pitch Perfect 2 (2015)

明るく楽しく元気よく。そして見た後ハッピーになれる映画。最近私はちょっと疲れてたようで、こういうのを求めていたみたいで。今の気分にぴったりでした。そんなに難しいこと考えず楽しく見ただけなので、軽~い感想。

なぜこれを見たかというとアナ・ケンドリックが出てたからです。「ザ・コンサルタント」ではすごくちっちゃく見えたのは隣にいるのが192cmのベン・アフレックだからかと思ってたけどそうじゃなくて彼女は身長が157cmなのでほんとにちっこかった。んん~、アナケンかわいいよアナケン!目の周りがアイラインはっきりくっきりの大学生役もかわいい!てなる。なんかこう、リスとかハリネズミといった小動物を愛でる感じ……?2ではちっこいのをからかわれてたから周りからもそう見えるんだと思う。あぁ可愛い。

お話はいたって単純で大学のアカペラ部が全国大会優勝を目指してがんばる、というストーリー。2時間で何を描くか、どこに焦点を当てるか、映画ってその取捨選択はとても難しいと思うのですが、1作目はベッカ(ケンドリック)がアカペラ部に入って人とのかかわりを深めるのと、全国大会へ向けての練習と、伝統を崩したくないリーダー、オーブリーに、新しさを取り入れないと、というベッカ。大会でどの曲を歌うのか、その選択も描かれてたかな。2作目ではアカペラ部内のメンバーの友情にフォーカスを当てていました。なので2作目を見てると、練習はしなくていいの?と感じるのと、いきなり新しい曲で本番に勝負しに行く感じがちょっと唐突ではあったけれど、この辺はドラマ「glee」を先に見てるから物足りなく思えたのかも。歌が完成されていく過程をじっくり描いてほしかったかな。でもこれって基本コメディだと思うのでそんなに細かいことを気にせず気軽に見ればいいんじゃないかな、とも。

劇中に出てくる曲がどれもこれもまぁ私の心と思い出をくすぐってくれました。だっていきなり最初にAce of Base の"The Sign"ですよ(サビに入ったとたん思いっきりゲロ吐かれたけどね)!もう懐かしくって懐かしくって。私の青春といっても過言ではないのです、Ace of Baseは。他にももう書き切れないほどたくさんのヒット曲が出てきたし、アカペラでハモるならアン・ヴォーグがぴったりじゃんと思ってたらちゃんと2で出てきたのも嬉しかったし、そして1での「ブレックファスト・クラブ」(1985)の使い方はうまいなぁと思いました。この映画に思い入れがそうない私でも、最後の大会でこの映画のエンディングのSimple Mindsの曲が出てきたのにはちょっと泣きそうだった。つーかもう1980年代の映画や音楽ってオールディーズみたいなもんなのかな。2で大学に入学したエミリー(ヘイリー・スタインフィールド)が「ジョージ・マイケルって誰?」って言ったのには私すごくショックでした。ま、まじか、ジョージ・マイケルを知らんのか。自分の歳を感じました……。

それにしてもさ、スポーツとかコンテストとか、アメリカの大会の解説者ってみんなどうしてあんなに辛らつなの~。けっこう手厳しいし嫌味も多いし、あんなの言われた本人が聞いたらめっちゃへこみますよ……。

1がヒットしたことで2はすごく予算がついたらしく、衣装や演出がすごくゴージャスになってた。こういうところは超分かりやすい。すでに3作目も現在ポストプロダクションに入ってて全米公開は2017年12月22日なのも決まってます。時期的にクリスマスムービーって感じかな。楽しみ。