天賦の才 (ロード・オブ・ウォー)

Lord of War (2005)

両親から絶縁されても、弟を失っても、妻と子に去られても、長年にわたって追ってきた捜査官によって逮捕されても、それでも彼が武器商人としての人生を続けるのは、本人が言うように「才能があった」からなのか。虚しい話ではあるけれど、これが恐ろしく説得力があり、そういう商売をしている連中がたくさんいることも、十分すぎるほど伝わりました。そういう意味ではストーリーの進み方がよくできており、後から知ったのは「ガタカ」の監督なんですね。あの淡々とした語り口はここでもまた魅力的でありました。

ニコラス・ケイジはその淡々としたストーリーの中で、さらに淡々とした主人公ユーリーを演じてましたが、よく合ってた。さらに言うなら、同じ武器商人として、こちらは時代の波にうまく乗れなかったワイズ役のイアン・ホルム、夫の職業を敢えて聞かず、夫の愛を信じた妻・エヴァ(ブリジット・モイナハン)、ひたすらにしつこく追う捜査官・ヴァレンタイン(イーサン・ホーク。個人的にはこの彼は非常に好きだ)、武器商人としての仕事に耐えられなくなって破綻した弟・ヴィタリー(ジャレット・レト)と、どれも皆、調和がよく取れていて、見やすかったですね。

こういう、上部の悪事を描く映画は最近特に増えたと思うし、さらに憂鬱になるのは、それが事実であり、悪事や戦争で儲けていい思いをしている者はたくさんいるってこと。彼らにとっては、戦争や諍いは、あった方がいい、というのが現実。


扱うテーマは重けれど、映画としてはかなりの出来。
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コメント

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寡作な方のようです

こんにちは!調べてみると、この監督さん、「ガタカ」がデビュー作で(すごい!)、その後もそんなにたくさん撮っているわけではないですね。質の良さを重視、といったところでしょうか?

昔はアメリカって、弱きを助け、アメリカン・ドリームを夢見て頑張れる希望の国だったはずなのに、今はもうがっかりすることばかり。日本はそんなアメリカに似てほしくないです。心からそう思います。


体調を気遣ってくださりありがとうございます。メルさんも夏ばてしないようお体に気をつけてくださいませ。

ニコラス刑事

うちは彼のことこう呼んでます。部下は刑事(デカ)プリオね(これはオリコカードのパクリだけどさ/笑)。

ニコラス、おそらく年を取って、脂がだいぶ落ちたんだと思います。でもそこがかえって良くなったし、作品選びもなかなか、と思うので、最近彼の出演作をけっこうチョイスします。
おっさん万歳~。

あ、そうか~!

これ、「ガタカ」の監督さんだったんですね~!
今これ読ませてもらって初めて気がつきました(^^;;)
「ガタカ」はやっと最近見たばかりなんですが、あの映画もなかなか良く出来た映画だったなぁ、と思ったんですが、これもほんとに上手く作ってありましたね~。
この映画で初めて知ったことも多かったし、問題提起をしつつ、面白く仕上がってました。

そうそう、出演者の役どころも、それぞれちゃんと調和がとれてて、ほんとに見やすく、思いテーマで難しくなりすぎる可能性もあったのに、見てるこちらを惹きつけてわかりやすいものにもなってましたよね~。
アメリカってやっぱり・・・とがくっ~~~~としたのが今でも残っています。

まだまだ暑い日が続きそうですので
体調にきをつけられて、のんびりゆっくりしてくださいね~♪^^

ニコちゃん

トリみどりさん、こんばんは。
私、ニコラス・ケイジが苦手でほとんど出演映画は観ていないのですが、これは評判がよかった(?)ので観ました。
ニコちゃんのどことなく飄々とした様が映画の雰囲気にあってて、そんなにキライじゃなくなりました(笑)
トリみどりさんがおっしゃるように、イーサン・ホークもよかったですね。