ザ・トレンチ 塹壕

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The Trench (1999)


第一次世界大戦における最大の会戦であるソンムの戦いを描いた作品。

画面がずーっと塹壕の中のシーンで、暗くてじめっとしているシーンが延々と続くのに、最後の突撃シーンで、初めて青く広々とした草原が映し出され、その光景は美しいのに、20歳にも満たない兵士たちは、どんどん銃弾に倒れていくラストは、言葉が出ない。
見ごたえのある映画では、正直なかったけれど、あの残酷なラストシーンは、でも実際戦場っていうのはこうなんだろうな、と思わずにはいられない。軽口を叩き合っていた兵士たちが、出陣の時が近づくにつれ、自分で自分の足を撃って出兵できないことを装う者、号令がかかるまで待っている間に吐いてしまう者、泣き出す者。極限の状況に置かれた人間はどうなるのか。

いつも自分を律していて、どんな戦場でも生き抜いていけそうな軍曹もまた、出撃と同時にいきなり撃たれてしまう。戦場で生死を分けるのは、軍曹自身が言っていた、運なんだろうか。それとも別のものなんだろうか。

現場はいつだって上からの命令に従う他はない。軍曹はそれを知っていても、自分の部下に何もしてあげられない。どんな理不尽な内容にも、逆らうことはできない。なんてむなしいんだろう。そのむなしさを押し殺して、せめて士気を上げるために、部下たちに酒をふるまう軍曹の心に泣ける。そのふるまわれたウィスキーの味にむせるような年頃の彼らなのにもまた涙。


曹長役にダニエル・クレイグ。この人は、こう、現場で叩き上げで成長してきた武骨な俳優なんだと思う。多分、秘密兵器が色々出てきて、きれいなボンドガールといちゃついて、スマートにかっこよく敵を倒すジェームズ・ボンドだったら、彼には似合わなかっただろうな(うんまぁダニエルボンドもボンドガールといちゃついてはいるんだけどね)。


で、これ、ベン・ウィショー祭りの中の1本なんですけどね(彼の映画デビュー作です)。彼だけじゃなくて、すごいキャストで、なんとキリアン・マーフィー、ジェームズ・ダーシーも出てた。当時の若手をめいっぱいキャスティングしたんだろうなぁ。びっくりしました。えぇ?ということは、「クラウド・アトラス」の13年も前に、ウィショーとダーシーは共演してたんだ!


さて、多くの人が気付いている事なんでしょうが、ベン・ウィショーとダニエル・クレイグの共演が多いことにも驚き。この映画を皮切りに、「Jの悲劇」(2004)、「レイヤー・ケーキ」(2004)、「スカイフォール」(2012)と、もう4作品も一緒。しかも、同じ映画に出てるだけ、じゃなくて、同じシーンで顔を合わせて共演してるからねぇ。他に俳優がいないわけじゃないのにねぇ…(苦笑)。実は狭いイギリス映画業界?
まぁふたりは不思議なご縁なんでしょう、きっと。スカイフォールで顔を合わせたときは、お互い、「うわ、この人とうとうボンドになっちゃったんだ!」「若いQって、君か…」と思ってたりして。勝手に想像。ちょっと面白い。


そして私、「Jの悲劇」も「レイヤー・ケーキ」も見てるんですけど。うぃしょくん…どこ?

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コメント

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こんばんは~♪今夜も冷えますね。
ダーシー祭のしすぎで目が痛い武田です。

「ザ・トレンチ」、コメントいただいて調べてみたら、7年前の同じ12月15日に私も見てたとわかって驚きました。
その時はダニボンばかり見ていて、若い兵士さんたちはみんなまとめて「若い人」だった自分の脳が悩ましいです。

ソンムの戦いは、ヨーロッパを疲弊させた酷い戦いだったようですね。
敵を倒せ!という視点でないところがヨーロッパ的なんでしょうか。

ウィショー君にダーシーさん、キリアン・マーフィも出ていたなんてビックリですよね。
いやーん、私も「Jの悲劇」「レイヤーケーキ」見てるのに、ウィショー君覚えてません(ダメダメ)
同じ頃「パフューム」見たはずなのに、なにやってたんでしょう、バカバカ~。(目的のものしか目に入らない許容量の狭い脳なんでしょうか~>絶対そう…)

ウィショー君、舞台にもよく?出てるみたいですね。
いいなぁ、すぐ行ける人…。
すぐ行けない人のために、出演作はせめてDVD化必須にしてもらわないと!!ですよね。

おはようございます。まぁ、なんと7年前の同じ日にこの作品をご覧になっていただなんて!!!すごい偶然。なんかもう、本当に、ものすごくうれしいです。何かしらご縁を感じます(照)。

7年前は「カジノ・ロワイヤル」が公開されて、ダニボン祭りしてた最中ですね。そっか、もう7年も前なのか。「スカイフォール」で無精ひげに白いものが混じっていたので、007を後2作契約しているダニエル。次作を早く撮ってあげてー!と悶絶しております。


この映画を見て、ダニエルじゃなくて、若い兵士たちを演じた俳優に目をつけてたとしたら、相当な青田買いですよね。私の唯一の青田買いは、「ストーミー・マンデイ」(1988)に出てたショーン・ビーンかなぁ。

さて、ウィショーくん、そうなんです、「パフューム」以前は、主に舞台で活躍してたとのことで、過去の記事や写真を見ていると、ものすごい才能のようで。
このあたりはまた改めて記事にしたいと思います。今もロンドンで舞台に立っているので、今!すぐにでも!渡英したい次第です。ぐはぁー!!(魂の叫び)。


もう、うぃしょくんが可愛くって可愛くって、ここ数週間、かなりヤバいです…!まさか年下に落っこちる日が来るなんて。武田さんにおけるダーシーさんな感じでしょうか…?(ダーシーさん、ぎりぎり私と同い年でした)

こんばんは♪

きゃー、12月15日、私たちの記念日にいたしましょうか>笑(東京に向かって、なんとなく手を振ってみます。トリみどりさ~ん)

ほんとほんと、ダニボン、白いものがお髭に混じってましたね。
男の旬のうちにあと2作撮ってあげて~ですね。

すごい、ショーン・ビーンをそんなに早くご存じでしたか!
1988年作品で目をつけるなんて、さすがですわ~。
私ったら、得意の節穴ですので「指輪物語」まで彼をまったく知らなかった…(遅っ)

ウィショー君、いまも舞台にたってはるのですか!今この時も!!
あぁ、倫敦がもっと近かったら即はせ参じるのに(泣)
ほんとこういう時は悔しいですよね。
やっぱり早くダーシーさんとこに嫁にいって、トリみどりさんに泊まってもらわなくちゃだわ。(ダーシーさんがロンドンに住んでるかどうか知らないですが)

この俳優さん年下!!とわかると、以前はちょっと衝撃だったものですが、もうだいぶ慣れました>笑
ウィショー君、だいぶ中毒性のある底知れぬ魅力のある俳優さんですよね。しかも実力派!これはおすすめという作品、ぜひまた教えてくださいね。
舞台などの記事も楽しみにしてます♪

わぁ、では12月15日は記念日、ということでぜひお願いします!毎年何かしたいですねぇ。思えば初めてブログにコメントをいただいてから、もう7年の歳月が経っております。いつか武田さんにお会いしたいです。


ショーン・ビーンは、青田買いになってないです。なぜなら、「ストーミー・マンディ」で目を付けた後、「指輪」で再会するまで何もしてなかったから(爆)。残念でなりません…!

ダーシーさん、どこにお住まいかは分からないのですね。どこのエージェンシーに属しているか調べたらわかるかもしれません。

うぃしょくんはご結婚相手とロンドンに住んでるらしいです。こういう時英語圏の人っていいなぁ。住む国の選択肢がたくさんあるので。

私も、舞台見たい!と言ってるなら英語の勉強せねば、です。

ではまた。東京より愛をこめて♪