the Hour Series 2

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the Hour Series 2 (2012)

1957年、イギリスが核保有国の仲間入りをし、ソ連、アメリカの大国が冷戦まっただ中。世界が不安定な情勢の中、ソーホーのナイトクラブ「エル・パラディ」での踊り子キキに暴力を振るったとして拘束された"the Hour"のアンカーマン、ヘクター(ドミニク・ウェスト)。彼のキャリアや結婚生活が危うくなってきたのと同時進行で、「エル・パラディ」の支配人チレンティはクラブで働く女性たちに、売春、ポルノ写真やビデオの撮影を強要。さらにお店に来る有名人、政治家、財界人たちに踊り子たちを仕向け、一緒にいるところを写真に撮って、それをネタに恐喝。警察には賄賂を贈って買収、その見返りに、ロンドン警察市長のスターンは、キキを愛人に。

さらに、チレンティは、政治家サッチェルや、タフネル・エンジニアリングを経営するタフネルと共同出資者になって、イギリス国内に建設される、ミサイル基地に関わる備品発注で莫大な利益をあげていることが分かり、その事実を公表しようと、"the Hour"のベル(ロモーラ・ガライ)とフレディ(ベン・ウィショー)が調査を進めていく…。


というのが今回のお話…たぶん。わー、書いてて恥ずかしい。うーん、前作以上に自信ない。理解度は60%くらい。今回はさらに難しい!


テーマは、人種問題、人権問題、警察の腐敗、かな。「エル・パラディ」で働く女の子たちは、皆外国人で、イギリスの法に守られないのをいいことに(不法滞在みたいなことになってるからかな?)、チレンティが彼女たちをいいように扱っているんですね。逃げようとしても、住まいもチレンティの部下の手でしっかり管理されてて、逃げられない。

私たちがこのことを番組で放映するから、力を貸して、あなたを守るから、とベルが説得して、踊り子のひとりであり、キキの友人だったローサが情報を提供してくれるのだけれど、彼女はそのことで殺されてしまい、自分たちが思っている以上にこの問題は大きくて、番組のメンバーだけで立ち向かえるものじゃない、とベルは感じるのだけれど(すでにベルはチレンティから脅しを受けている)。

政治家、警察のトップまで絡んだエル・パラディの件を、今夜すぐに"the Hour"内でこれを公表すべき(裏番組の生放送"Uncoverd"で、当事者サッチェルが核問題で出演しているので、それにぶつけたい、ていうのもある)、でも証人が必要。フレディがキキを番組に出るよう説得して、彼女は悩みつつも了承。そして彼女の証言で、次々と事実と関係者の実名が明かされるのがクライマックス。

その日の放送予定を全部差し替えて、大急ぎでこの事件を放送するために、"the Hour"の全員が奮闘する姿が素晴らしくて。そして、ヘクターは、かつて嘘をついて自分を罪人に仕立てたキキと、奇妙にも番組内で向き合うのだけれど。
ヘクターの誠実さが"the Hour"の売りだから、とかつてランドールが言ったように、アンカーマンとしての姿勢が、真実を公表するのにふさわしくて、よくやった!と拍手を送りたくなる。もう、ヘクターは最初からこうだと良かったのに!


そして、メインストーリーと同時に進行するのが、クラランスの逮捕後、"the Hour"に就任した上司ランドール・ブラウン(ピーター・キャパルディ)と、リックス(アンナ・チャンセラー)の話。このふたりは昔付き合っていて、子どもも生まれたんだけど、その行方を捜したが、戦争で、わずか1歳にも満たない年でなくなっていることが分かるんですね。
その事実が分かったときのランドールとリックスのシーン。とても素晴らしいのと同時に、もう泣けて泣けて。ランドールは結局、娘に一度も会うことが出来なかったのですね…。時代に翻弄された彼らの人生に、何て声を掛けたらよいんだろう。


人権問題の一環として2,3話目に出てくるのが、1957年のウルフェンドン報告書(Wolfenden Report)。これはイギリス国内での同性愛者を取り締まる法案につながるのかな?

で、私がよく分からなかったのが、アンガス・マケインの立ち位置。彼は最初、政府から送られてきた"the Hour"の監視人な役目だったんだけど。Series1での事件が終結しても、まだ番組と一緒にいるんだよね。そしてヘクターとはなんだか飲み友達な雰囲気だし。

さらに、マケインが、シャツのボタンを外し、胸がはだけた若い男性と一緒にいるところの写真を撮られて、彼もまた窮地に陥っている、というのがあって、え、マケインも同性愛者だったの!?S1のアダム・ルロイがゲイだったのは示唆されていたけど、アダムとマケインは関係を持ってたの?アダムにルースとの結婚をすすめたのは、マケインが自分の身を守るためでもあったの?すごい分からん…。

最後、彼は、15年間ずっと、政府のために嘘をついたり誰かの尻拭いをする仕事はもうこれっきり。"the Hour"の味方につく、と。びっくり。ほんとに色々とびっくりなキャラクター。彼は政治絡みの台詞が多いから、状況が理解しにくいです…。


さらにもうひとつ、ヘクターと妻マーニーの関係も同時進行。夫が夜な夜な遊び歩いているうえに、女性に暴力を振るった容疑で警察に拘束までされちゃって。離婚こそしないものの、マーニーは、これからは私のやりたいことをやらせてもらいます、と。ヘクターは翌日から、朝ごはん作ってもらえないので自分でこしらえてました(笑)。
でも、マーニーがTVでお料理番組のホストを務めることになったあたりから、自立していくんですね。そして、ヘクターは、彼女の忍耐のおかげで自分の人生がなりたっていることを再認識。さらに、ずっと子どもが欲しいと望んでいたマーニーがとうとう妊娠。ふたりはやっと、ここから本当の夫婦としてスタートできたんじゃないかな。S2のマーニーは、とっても素敵でした。


そしてそして、ベルとフレディの関係。フレディはルースがらみの事件終息後、数か月間旅に出ていて、旅先からベルに手紙を書いたけれど、ベルからの返事は来なかった。でも本当は、ベルは返事を書いたまま出さず、それには、フレディに対する本当の想いが綴られていて。

手紙は届かないまま、読まれないまま、キキを番組に出演させるために、彼女を逃がして自らはチレンティの部下(カミーユにいやがらせをしたパイクとドレイトン)に拘束されたフレディ。事件をあれこれ嗅ぎまわっていたフレディのせいで一斉捜索されてることもあり、エル・パラディに連れて来られたフレディは、私怨のあるチレンティから凄まじい暴行を受けることに(血みどろウィショー!)。

フレディは瀕死の姿のまま、"the Hour"を収録しているBBCスタジオの前にある芝生に打ち捨てられ、血塗れの彼が虫の息で"Moneypenny..."とつぶやいて、このシリーズはおしまい。


えー、これで終わり!?続きもなし!?嘘でしょう!?なラストです…。ありえん、ほんとに。どうしてくれよう。



さて以下は雑多な感想。長いよ!

・ランドール役ピーター・キャパルディが渋い~。DVDに収録されているBehind the Scenesではメガネを外しているんだけど、もんのすごくかっこいいです

・いつも間が悪いアイザック。ドアを開けて入ろうとするたびに「今はダメ!("not now!")」ってみんなに言われちゃってる。でも彼は、フレディが不在の間頑張ったので、今じゃアシスタントじゃなくて、"the Hour"チームのメインメンバーなんですよ。さらにラジオドラマの脚本も手掛け、採用されて放映までされている。やるじゃん

・今回のベルのお相手は、ライバル番組"Uncoverd"のプロデューサー、ビル・ケンドール。奥さんを1年ほどまえに亡くして、一人娘がいる男性。珍しくフレディがベルと彼との付き合いを歓迎していて、子どもがひとりいるんだ、と話すビルに、フレディが「ベルは子供が好きだよ」とか(もちろんこれはフレディの嘘)、ワインを持って家に行くよ、と言うビルに、「彼女は白が好みだ」と教えてあげたり。なかなかいい雰囲気だったから、最終話の彼の態度にはがっかりだったな


で、肝心のフレディ&ウィショーくんですが。色々書きたいことがありすぎて、別記事で書いた方がええんかな?と思いつつもこのまま突入します。

まず、1話目が始まって23分後まで、フレディ出てこないんですよ。さらに、やっと出てきたと思ったら、全然以前と雰囲気が違ってて。顎髭はともかく(これは2話以降なくなる)、髪型、スーツ、雰囲気、すべてが違ってて、正直戸惑った。え、この状態で最後までいくの?と(髪型や髭は、多分「The Hollow Crown」を撮っていた関係?)。ところが、S2Ep01のラストで、フレディが自分のフラットで、ベルに女性を紹介し、

「彼女はカミーユ。僕の妻なんだ」



えーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!フレディ、結婚してたの!!!

ウィショーの役柄に、「若くして死なない、もちろん自殺もしない、ヘテロセクシャル」に、「既婚者」が加わった!

ベルじゃないけど、もう本当にびっくりした。あー、そうか、そのせいなのね、フレディが変わったのは。S1の無鉄砲で向こう見ずで怖いもの知らずでちょっと意地が悪くって、早口でまくしたて、表情がくるくるくるくる変わるフレディが本当に魅力的で大好きだったのだけど(あの着っぱなしのツイードのスーツもね)。


Series2のフレディは、すっごくシック。スーツはカミーユが見立てたものだそうですよ。演じるウィショーくんは、細いけれど肩がしっかりあるので、襟が大きいコートもよく似合ってる。右腕をしゅっと上げて、腕時計の時間を見る仕草なんか、最高。


それにしても、あんなに落ちつきのなかったフレディが…!ベルがことあるごとに、「ちょっと、子供じみたことはしないで」「もう、いい加減大人になってよ」って言ってたけど、フレディは大人になったのですね…うん…でもちょっとさみしい…。


でも、2.05ではカミーユとは別れてしまったフレディ。本当は、本当は、ベルもフレディもずっとお互いを想っていたのに、それを口に出すことなく、いつも冗談ばかり言ってはぐらかしていたようなものだったけれど。あぁ、ずいぶん回り道をしたんだね。フレディがベルに"I miss you"と言い、とうとう最終話では、

you are possible with me

ですよ!もう、光り輝くような笑顔のフレディに、嬉しさと泣きそうな表情が入り混じったベル。やられました。
そしてベルが出さなかった、フレディに書いた返事の手紙。これがラスト、モノローグで入るのですが。この手紙の中身がね、もう、涙、涙で、ずいぶんと泣かされました。バックに流れる音楽も、胸を締め付けられるような美しい旋律で。もー、最終話は泣いてばっか。

やっとお互いの想いが通じ合ったのに、あのラスト。あのラスト!


Series3が作られないのはもう決まっちゃったけれど、せめて90分くらいのスペシャル番組か何かで、続きを見せてほしいな。フレディは生きているの?ベルとフレディの関係は?ヘクターはITVへの引き抜きがなしになってしまい、どうなるんだろ?番組"the Hour"の行方は?知りたいことばかり。



さて、Series2は、ライティングが素晴らしくて、特に、2.02は、屋外も屋内も光の当たり具合が素敵。特にフレディのシーン。Series1は、スタジオ内は暗いし、外に出れば曇ってるか雨降ってるか夜のシーンばっかりだったのでね。


ということで、フレディ大量投下(最後の2枚はS2Ep01とS2Ep06から)。

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2.02での討論の司会してる時の指の仕草が本当に素敵…。すっごく美人に撮れてるわぁ…!ちょっと、この時の照明さんと撮影監督呼んで来て!

ベルとケンドールがクリスマスパーティの行われている建物の階段で話すシーンも、薄暗いのに、ふたりの表情がとってもきれいでした。



今回はこれまで。また何か書いておきたいことあったら追加しておきます。


以下追記

・アンガス・マケイン役のジュリアン・リンド=タット。なんと「ザ・トレンチ」に出てた!これ、別に記事立てときます。

・BBCAmericaの the Hour のサイトが、本家よりいい。キャラクターに合わせて作ったオリジナルカクテルだなんて素敵じゃない。

このドラマのスタジオのセットが360℃見られるサイト。酔いそう。

http://www.eyerevolution.co.uk/virtual_tours/the-hour/#.UpYTGpfN9E4.twitter

・しぶーいキャパルディ。イギリスの長寿番組「ドクター・フー」の主人公、12代目ドクターでした。
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コメント

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え~~~~!!!

ここでおしまいて!
ここで打ち切りて!!
(ふんふん。ほんで?ほんで?)と読ませていただいてたら、ずっこけましたわ~。
すごい終わり方!!
面白かったのに~。(トリみどりさんの紹介のしてくださり方、続きがめっちゃ気になるブラボーな筆!!)

なかなかハードだし、中身濃いですね。(英語字幕でも理解するの、難しそう(T_T))
なのにここで??
こんな宙ぶらりんでは、登場人物たちのその後が気になってしゃあないですね。

さらにさらに、ウイショーくん(大量投下>笑 ありがとうございます)を美人に撮ってくれてるわかってる人たち(♪)って、まぁ、素晴らしいお仕事ぶりではありませんか。
(フレディさん、既婚者て!そのせいで大人びちゃった?て!!いろいろ変化をこの眼で見たくてうずうず)

楽しませていただき、ありがとうございました♪

こちらにもコメントありがとうございます。だいぶ何度も書き直し、じっくり推敲してアップしたので、お褒めにあずかり恐縮です。そんなこと言われたら、調子に乗ってしまうじゃないですか♪


わー、もうほんとにね、ひどいですよね打ち切り。BBCに行って、続きを作れー!と抗議したいです。別に6話なくてもいいので、せめてスペシャル番組とか。外国のTV局はあんまりそういう発想ないのかしら?打ち切りっつったら打ち切り!なんでしょうかねー(涙)。


うぃしょーくんはクラシックな時代が似合いますね。今思うとQ役の方が現代っ子でびっくり。スカイフォール撮影時に、台詞の中のIT用語が全然理解できなくって、監督に助けて!って言ってたエピソードも、なんか納得できちゃいます。


ベル役ロモーラ・ガライは、武田さんが購入された"Nicholas Nickleby"にも出演してますね。が…字幕、ないなんて!

そうですね、トリ頭の私が思いつく方法は、ネットでスクリプトを探して照らし合わせながら見る、というのはどうでしょう…。うぅ、いい策が見つからなくてごめんなさい…。