ブラッディ・サンデー

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Bloody Sunday (2002)

驚くべきことに、すでにこの映画でポール・グリーングラスの映画のスタイルは出来上がっていた!彼の手腕にかかれば、エンターテイメント性を追求すれば「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」という素晴らしい作品に昇華され、ドキュメンタリー性を追求すれば、「ユナイテッド93」やこの作品のように、自分が本当にその場にいるかのように、かつ、この後何が起こるか知っているがゆえに怖く悲しく身が引き裂かれさえする気持ちになる。それくらい、彼の作品は心を持ってかれる強い力がある。

もともとはジャーナリストだったけれど、監督の手腕がものすごく際立ってて。監督ってどうやって映画の作り方を学んでるのー!?やっぱ現場に放り込まれてOJTな感じかしら。


この作品は政治家のジェームズ・ネスピットを中心に進んでいくのだけれど、まずファーストシーンが、ネスピットが会見で、平和的デモ行進を今度の日曜日にします、と話しているのと交互に、警察(アイルランドを治めているイギリス側)が「どんな集会も禁止」と政令を発表するシーンが進むのですよ。このシーンだけで、あぁ市民とイギリスは敵対関係にあるのだな、と一発で分かる構成。最近自分自身の集中力が落ちたせいか、最初の10分で気持ちをつかまれないと、見る気が起きない。映画の導入部って、非常に大きなウェイトを占めてるんだな、と実感。

平和にデモが終わるはずだったこの行進は、「血の日曜日事件」として大きく知られるようになるんだけれど、本当にその現場が今実際目の前に繰り広げられているような撮影で、見る側に衝撃を受けた最後、エンドロールはU2の"Sunday Bloody Sunday"が流れる。この歌詞がまた、さらにもう一撃をこの映画に与えている。もちろんこの曲自体は「血の日曜日事件」を歌ったものではあるんだけれど、U2が訴えているものがつい最近までアイルランドで起こっていたこと。そんなに昔のことではないんだ、と、色々思いました。

この作品は製作総指揮にジム・シェリダンが加わっていて、もちろんジム・シェリダンと言ったら「父の祈りを」ですよ。アイルランド生まれの彼が関わっているのはすごく納得だし、この映画への思い入れを感じました。

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コメント

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こんばんは~♪今日も、横殴りの粉雪でした。寒い…

うわ、ポール・グリーングラス監督は、この作品ですでにグリーングラス節確率してますか!
それは見なくちゃなぁ。

高校時代、米人の英語の先生が、「君たち、U2を聴いてるか?世界に目を向けてるか?ぼけっと日々を過ごしてる場合じゃないぞ!世界は動いてるんだ!」ってめっちゃ怒ってたの思い出しました。
聴いてるよ!考えてるよ!この激動期をぼんやりなんかできるかい!って洋楽好きの友人と、U2の歌詞についてよく議論したりしてましたっけ。
でも、今思うとやっぱり相当青くさかったナと。

この映画、メモっておきます♪

授業中に生徒にそんな風に語りかけてる先生、なんて熱いんだ!と思ったら、アメリカ人の方だったんですね。
私はU2を90年代に知ったので、多分80年代の彼らの方がもっと怒れるバンドだったと思う。

ポール・グリーングラスは本当に職人芸で、「キャプテン・フィリップス」はすごく好きだし、主役のトム・ハンクスはもっと評価されてもいいのに、て思いました。