小さな中国のお針子

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Balzac Et La Petite Tailleuse Chinoise/巴爾扎克与小裁縫 (2002)

書物が人に与える影響を、こんなに美しく描いた作品って、今まで見たことなかった。都会から来た、学や文化のある青年ふたり。「お針子」の女の子。彼らの触れ合いは、知を通してドラマチックに変化し、お針子は、山奥の貧しい村から外へ、それは、自分の人生に、さらなる知を求めて旅立った。彼女のその後はこの映画では語られることはなかったけれど、悪いものではないと思う。最悪、仕立ての知識があるから、食べていけると思うしね。

TVもラジオもなく、毛沢東による文化大革命の下に許されたものだけが人々の娯楽や知識であった時代に、物語を求める人間の姿が、かくも貪欲で、そして物語の持つ力を改めて知り、心動かされました。こう、お話を聞いて自分の頭の中に、それがどんなものであるか、想像力豊かになる経験を、もう私はずいぶんとしていないので。

子供の時、寝る前に読み聞かせをしてもらった経験が思い出されました。

思い出は美しいもの。あの村での3年過ごしたこと、村は今はダムの底に沈んでしまったこと、二度とお針子には会えなかったこと。ルオとマー、ふたりとも彼女を愛したこと。でも、時がさらに流れ、人生の終盤に差し掛かっても、きっとふたりはそのすべてを覚えているんじゃないかな、決して辛い思い出としてではなく、ね。



お針子の女の子を演じたジョウ・シュンが、ちょっとツンとした可愛さで、でもお茶目な面が見られて、とっても可愛いんです。
そしてあの大自然。こんなところに人が住んでるんだ、という驚きもあるけれど、ただただ純粋に、美しい場所だなぁ、とため息。

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