コーチ・ラドスール 無敵と呼ばれた男

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When the Game Stands Tall (2014)


思いがけない掘り出し物でした。

151連勝を続けるデ・ラ・サール高校アメフト部。しかしその連勝が止まった時、どう立ち直るのかというお話。ボブ・ラドスール(ジム・カヴィーゼル)というコーチは、連勝することではなくてアメフトを通して人間として成長し、その結果が勝つこと、連勝すること、である、という姿勢なのね。だけど、周りはやはり勝ち続けることを求めるし、華やかなアメフトの世界。日本で言うと、おそらく高校野球の強豪チームや花形選手と同じような位置づけなんだと思うけど、マスコミは来るしTVや新聞に自分たちの名前が載るし、大学やプロからスカウトは来るし当然女の子たちからはモテるし。まだまだハイティーンの子たちには浮足立っちゃう環境なのも仕方がないかな。私だって、今この年齢だから振り返ると過去は通過点でしかなかったと分かるけれど、その渦中にいる時はそんなん考えもしないもんなぁ。


しかしラドスールは、アメフトが人生の全てではないということを選手にことあるごとに話していて、皆を失望させるなら死んだ方がマシ、と語る選手に、「たかがフットボール。死ぬんじゃない」と返すし、「(アメフトは)君たちの成長を助け、自分の足で立ち、世界や社会や地域に出て行った時、信頼に足る存在であるように」、と説くのです。
アメフト部にいたあの時が俺の人生のピークだったぜ、という人生にはなってほしくない。アメフト部での経験は、あくまで通過点、そこで経験したことを人生の糧にしてよりよき人間になってほしいことを伝えたかったのでは。

コーチの話には聖書からの引用も多くて、けっこう宗教色が濃いなぁと感じました。

アメフト部で華々しく活躍していても、厳しい家庭環境の生徒もいて問題も出てくるわけで。両親を相次いで亡くし、友人に「マイアミに行ってプロになる。弟を養わなければ」って話した子。その年齢ならまだそんな心配や義務なんてないのに。そういう状況には胸が詰まるし、スポーツや学校の成績が優秀でなければ一生町から出られないだろう環境は、将来がなかなか見通せない、希望を持つのが難しい人生でもあるんだろうと想像もつく。

進学が決まり、両親も大喜び、その矢先に撃たれてなくなっちゃう生徒のエピソードは、親の気持ちを考えると涙、涙でした。


アメフト部の選手役でおそらく将来有望な若手俳優が多くキャスティングされているはず。この中からスターは生まれるかな?
ボブ・ラドスールの妻役がローラ・ダーンだった!わー久しぶり。なんか雰囲気優しくなったわぁ。

エンドロールで劇中使われた曲のリストが流れるんだけど、「悪の法則」の予告にも使われてた曲があって気になっていたのでそれが"Sail" ()だったのが分かったし、あと、ジャレッド・レトの名前を見つけたので、なんでジャレッド?と思ったら、本人がリードボーカルつとめてる"30 seconds to Mars"の曲が使われてたんですね!調べたら、ワールドツアーも敢行しててびっくりです。多才だなぁ。

AWOLNATION - Sail (Official Music Video)

Thirty Seconds To Mars - Do Or Die

家の間取りが気になる私は、ラドスール家のキッチンカウンターの造りが素敵だと思いました。お料理作ってすぐ出せるし、タイル張りだから汚れもさっと拭けるし。大きな家なのに、ここだけこぢんまりとしていつも家族が集まってる感じがいい。コーチ仲間のテリーが家族同然な雰囲気でちゃっかり一緒にパンケーキ食べてるし(笑)。




この映画のジムは、おそらく私生活もこんな感じかな?と思わせる雰囲気。しかしこの人は、サングラスをするとぐっとマフィアの幹部候補度が高くなるのはなぜに?
ラドスールが喫煙者、というくだりで、最近の映画は本当に喫煙シーンが減ったなぁ…と実感。


LAで行われたスクリーニングの時の写真の笑顔が素敵だったので。いいなぁ、向こうではティーチインやスクリーニング等、役者や監督との距離がとっても近い気さくなイベントがごく普通に行われてて。心底羨ましいです…。



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