ダニクレボンド、総決算 (007 スペクター)

Spectre (2015)
観てから1か月近く経つのに、感想が書けないのはなんでかなぁ?と考えてたんだけど。この作品を観て、今更ながら前作の「スカイフォール」がとんでもなく素晴らしい出来だったんだ!と気づいてしまった。
ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドの総決算と呼んでもいい今回のストーリー。私はもう、彼はこのまま007役を引退でいいと思うんだけどな。お話的にもマドレーヌと一緒に旅立っちゃいましたからね。MI6の建物も、前作では一部分だけ崩壊だったのが、今回の大爆破で木端微塵でしたし。
オープニングで、ル・シッフル、ヴェスパー・リンド、ミスター・ホワイト、シルバ、と、「カジノ・ロワイヤル」から登場した今までの主要人物が画面に現れて、私はすごーく嬉しかったのですが。
オーベルハウザーの、ボンドを恨む原因が、親の愛を得られなかったから、という理由が、…うーん、そうかぁ、まぁそれも理由にはなりえるかなぁ…、と、あんまり納得がいかなかったのですよ。今まで出てきた、敵がボンドの前に現れた理由がそれ!?っていう。こう、スパイものではあるけれど、冷戦は終わったし、国単位で確執が起こりにくい世の中ではあるけれど、急に個人レベルのちっちゃい出来事に落とされちゃったのが、えぇ…?と。
それが引っかかったこと以外は、メキシコの「死者の日」のオープニングから、148分ずっと、素晴らしかったです。建物の屋上の、建物の端、狭い狭いぎりぎりの所を何も気にせず颯爽と歩くボンドの姿勢の美しさ!高いところから落っこちたその下に、ちょうどおあつらえ向きにあるソファにばふん!と着地するのなんて、素晴らしいユーモア。
ショーン・コネリーの007は、極太マジックで間違いを気にせずガッと描く感じのキャラクターだけど、ダニエル・クレイグは、細めで丁寧に、でも1mmの隙もなく、すっと線を引く感じのボンドですよね。私はもちろんダニクレボンドの大ファンだし、カジノ・ロワイヤルから見てきた甲斐があった!って思ったよ。
「ミッション・インポシブル/ゴースト・プロトコル」では最初に登場してすぐ殺されちゃう役だったレア・セドゥが、4年後にはボンド・ガールにまで上り詰めるとは!
モニカ・ベルッチの美しさ。あんな短い時間の登場シーンだなんて、もったいない!!
出てきた瞬間から、あんたは善人役じゃあないよね間違いなく!ていうアンドリュー・スコット演じるデンビー。最後高いところから落下して死亡はちょっと残念だったなー。
上司ながら、現場に出て実践に参加するMってなにげにかっこいいと思うのですよ。演じるはレイフ・ファインズ。渋い…。
そして、我らがQ!「スカイフォール」から、まさかこんなに大活躍のキャラクターに躍進するとは!飛行機嫌いって言ってたのに、ボンドには散々迷惑かけられているのに、ちゃーんとオーストリアまで助けに来るなんて!"I really, really hate you right now"は私には、今年一番の名台詞かも。
ラボで自分の冗談に自分でヘヘヘッて笑っちゃうところは、Qじゃなくて、ベン・ウィショーだった(笑)。
ダニエルがまだまだ続投だとしても、それはそれで楽しみに待ってますよ。
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