プリズナーNo.6

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The Prisoner (2009)


なし崩しにジム・カヴィーゼル祭り第2弾が始まっているようないないような。
全6話。TVドラマなせいか、1話完結ではないものの前回の話のラストが次の話に続かずそこでおしまいってぶった切られて次のエピソードに進むので、最初慣れなくて「???」でした。そういう作りになってるもんだと思えば大丈夫かな。イギリスITVの制作なので、車は右ハンドルだし出口の表記は"Way Out"。

目が覚めたらいきなり砂漠に転がってたNo.6(ジム・カヴィーゼル)は、村(ヴィレッジ)を脱出しようとした老人、No.93が追っ手に撃たれて息絶えるのを見届けた後、通りがかったタクシーに乗ってその村にやってきた。でも自分の記憶ではさっきまでNYに住んでて会社を辞めたところなのに、というところからお話がスタート。

村にいるのはどの人もどの人もみんな善人そうな住民ばかりで、そこを支配してるのがNo.2(イアン・マッケラン)。毎日晴れてるし、建物は作り物のようにみんなきれいだし、で、服や車や建物はなぜか60年代の雰囲気で。ヤシの木が植えてあって空は真っ青で、どことなくビーチの近くな雰囲気なんだけど、村を出るとすぐに延々と砂漠が広がってて。村からは絶対出られないみたい。
でも村での暮らしに疑問を持ったり脱出しようとすると、消される(殺される)運命になるようで。そして村のところどころに出来るでっかい穴。落っこちると永久に出てこられない。中に何があるのかも分からない。

もう謎だらけでこっちもよく分からないまま見続ける状態がずーっと続くんだけど。No.6の本当の名前は?本人も思い出せないし、NYで話していた女性・ルーシー(ヘイリー・アトウェル)とは村でNo.4-15として再会するのだけれど、盲目で、問い詰めてもあなたのことなんて知らないと言い張ったり。でも実は嘘をついていて、目は見えるし6のことも知っていることが分かる。
No.2の息子・No.11-12(ジェイミー・キャンベル・バウアー)は本当に2の息子なの?年齢が離れすぎてない?なんで2は毎日妻にそれぞれ色の違う薬を3錠飲ませてるの、とか、もう色々色々謎が!謎が!解けないし分からんまま話は進む!
そして人を飲み込んでしまうあの丸い白い大きな球はなんなのー、これは「GANTZ」なのー!?村の食事はラップサンドしか出てこないのはなぜ~?

No.2は6の扱いに思った以上にてこずるんだけれど、まぁ彼がここで反抗しないと物語は進まないわけで。記憶喪失みたいな状態で覚えてないから、以前付いてた仕事だよって嘘の弟から言われてバスの運転手やったり、No.2に拘束されたあとは、今度は身辺調査でスパイもどきなことをしたり、学校の先生(!)で盗聴技術を教えたり。そんで次はNo.4-15と恋に落ちて、結婚式まで挙げる寸前までいくんだけど、おそらくずっと前から6に好意を抱いていた313(ルース・ウィルソン)にいきなり本当の想いを告げられキスされて式がご破算になったり、5話目ではNO.2が2人に分裂、同じ顔の2人がガチで乱闘シーン!なにこれ全編ジムさんのコスプレ&プロモーションドラマかよ!ていう展開でたいへんに美味しいのですが、でもしつこいけれど話の筋はすごい分からんままなのです(苦笑)。

村の外はずーっと砂漠なんだけどもともと海があって、記憶ではその海でNo.6は幼い頃弟を亡くしていて、思い出の品を入れた缶が砂の地面の奥深くから出てきたり、ボートや船の錨が遺跡のように錆びた状態で残ってたりするのね。で、村民のある年配の女性が、波の音を聞いたような気がするの、と、村の外を気にかけるようになって。6はもともと外の存在を信じているから、その女性と嘘の弟と6で砂漠中を駆け巡り、とうとうカモメが飛んで、その向こうに海がある気配を感じた瞬間それに向かって走り出す3人の躍動感と言ったら!砂丘を登りきった3人の向こうにぶわーって海が広がって、ここは素晴らしく美しいシーンでした。

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でもそれは幻想だったのか、もう一度訪れるともうその海はなくて相変わらず砂漠ばっかり。


で、最終話の6話目でやっと真実が明かされるのだけど、村は、現実世界のカーティス(No.2)の妻が深層心理の中で作り上げた理想郷で、カーティスが社長であるスメコア社が監視していて矯正させたい人間を「村」に送り込んでいた、というのが結論…で合ってる?すっごい自信ないですが。スメコア社で働いてたマイケルは、その仕事内容に疑問を持って辞職したために村に送られてNo.6になった。同じように疑問を持ったスメコア社のマイケルとは違う部署にいたルーシーは、彼の部屋にいた時に爆弾事故で殺されてしまっているので、社での仕事に疑問を持つことはイコール死なんですね。
村でNo.6が出会うタクシーの運転手や海の音を聞いた年配の女性、そしてもちろんNo.313も実はマイケルが社の仕事として監視してた人々なんです。

で、これにはさらに先があって、カーティスは自分と「夢見る人(カーティスの妻)」の後継者を探していて、マイケルの反骨精神(会社辞める時オフィスの窓に赤いスプレーで"RESIGN"(辞職)って書くくらいだからね)や姿勢に価値を見出して、彼の後釜に据えようとしてたの、かな?だから今までの2が6を従わせようとするもろもろの事はすべてその目的のためで。最後、No.2の思惑通り、彼は村から脱出はせずに、No.2亡きあとのNo.1(ザ・ワン)に就いちゃうんですよ!彼をずっと支えていた313は、No.2と取引をして黄色の薬を飲んだ結果が、おそらくカーティスの妻と同じ状態の「夢見る人」になることに。さらに、6とマイケルは現実世界と村での時間が同時進行で、彼女を救おうとした結果がそれぞれ村でのNo.1の座、NYでスメコア社での社長の座になってるの。

ラストシーン、砂漠でNo.2の隣にもたれかかるように座る313の意識はもうはっきりとはしないけど、一筋涙を流すのね。313を救うために彼女の手を取った6が結果として2の後を継いだ形になったから、彼女が望んでない姿になった6。でももう自分で自分の意思はどうこう出来ない状態みたい。そんな彼女の抵抗の証が涙なのかな。
6も313も、2に良心をうまいこと利用されたという結果になったのです。だから「従え」「いやだ」の勝負は、No.2の勝利で終わったの。
隣にいる313に話しかけるような独り言のような台詞の最後、うっとりとした表情で「いい村にしよう」とにやりと笑うNo.6の表情がね、うわ!って。この人やっぱりヴィランが合うしうまい。

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現実世界でも、スメコア社はカーティスが引退して、社長の座に就いたマイケル。で、一般人の監視を続けるというラスト。ひえー。バシッとした黒のスーツ姿で席に着くマイケルの姿が、貫禄あってさすがのジムさん。

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砂漠の中に立ってたガラスのような2つの塔は、あの中に現実社会があって、そこから村の様子が見られるってことでO.K.?
村の食べ物がラップサンドしか出てこないのは、カーティスの妻の得意料理だったからなんですねー。村でのNo.2の息子も作り上げた架空の人物なので若いし現実世界ではカーティス達に子供はいません。

分かんないー、どうなってるのー、とか言いながらけっこう楽しんで完走しました。


全編出ずっぱりのジム。見ごたえありましたが、いちばんだったのは、どうにかして逃げ出そうとするNo.6が砂漠の真ん中の錆びた錨の傍の鉄柱に括り付けられて、No.2から水はあげないよ~、はい、これ咥えて死んでね、って手榴弾を口に突っ込まれるシーンが大変にエロかったです。

そしてサー・イアン・マッケラン!さすがの貫禄。だってガンダルフですよ、マグニートーですよ!メイキングでの初読み合わせのサーがとても素敵だった。「初日はいつも緊張するんだ」と話してて、こんな大御所でもやっぱり最初は緊張するんだ!と驚きでした。


ジムはこの映画もお約束(!?)の泣いてるシーンがありました。もしかして泣いてないのって「大脱出」くらいか?

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もみあげに少~しだけ白いものが混じってるジム。この後くらいから銀色混じりの髪になったのかなぁ。年齢の割に若白髪。レンタルDVDで見たけど特典映像も入ってました。この作品で2009年のコミコンに出てたんだね!そのコミコンになぜか迷彩服で出席するジムさん。英国俳優ほどではないけれど私服が色々謎な人。

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長い髪を上で結んで止めてるジェイミー・キャンベル・バウアー(左端)がキュート

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