POI S1 Ep18

Identity Crisis

*S3以降のネタバレあり

対象者ジョーダン・へスターの情報が少ない上写真もなし、そしてクレジットカードや請求書、どれもみな2つずつ持ってるってことから、ひとりは本物、もうひとりは同じ名前を語る別人だろう、と、フィンチとリースが分かれてそれぞれ「ジョーダン・へスター」を探すところから始まるお話
フィンチはセキュリティのある玄関を住人が入る時に一緒に入れてもらうんだけど、リースの方はおそらくEp11にも出てきた、どんな鍵もたいてい開けられる、自分で加工して作ったであろうバンプキーをグイッと差し込んであっさり侵入。ふたりがそれぞれ取る手段が違うのが面白いよね
「どっちが先に正体を暴けるか昼食を賭けよう」「いいね、私は今インド料理の気分だ」…この賭けは結局どっちが勝ったのかな?女性のジョーダン・へスターの部屋からフィンチを脱出させるためにリースが取った手段は、なんとその部屋があるマンションのスプリンクラーを感知させ、部屋中を水浸しにしてその騒ぎに乗じて逃げるという方法。上から下まであの高級スーツとコートを濡れねずみにし、立たせた髪もぺしゃんこにして帰ってきたフィンチにタオルを投げてよこし、"Welcome back."(おかえり)とにやにやな顔のリース。どうやら賭けは精神的にはリースの勝ち(笑)
どうにもこうにもフィンチの尾行はぎこちなくて、見ているこっちもひやひやします。ジョーダン(女)も後をつけられていることは分かってるしね。だからフィンチが追って入ってきた書店で自分から声を掛けたんだな
フィンチは通りで男性ふたりつきまとわれた(ように見える)にジョーダン(女)を助けたつもりだろうけれど、実はこっちが黒幕なので、つまりフィンチは余計な邪魔をしたことになるのか。うーん、これ2回目以降の方が意味が分かって面白い!
ジョーダン・へスター名義の3つ目の部屋。そこはMDMAを作る工場となっていて、男たちが部屋に小ぶりのドラム缶を運ぶ場面もあって、これはもう「ブレイキング・バッド」そのまんまの世界ですね
フィンチがジョーダン(女)とお茶をするお店の窓からの景色が素敵
リースは金属製と思われる長い定規のようなものをコートの中から取り出してトラックの窓に差し込みドアをあっさり開けちゃうんだけど、それが50cmはあるけっこう長い棒でして。この人コートの内側にどんだけ色んなものを隠し持ってるんだろう
このエピは上からの俯瞰図や人物を真下から撮ったりと、カメラワークが独特で面白い
この事件におけるファスコの力って大きいよね。ジョーダン・へスター(女)の本名はメアリー、彼女が実は加害者だったことを暴いたし、彼女の昔の写真を見つけてリースに渡し、さらにメアリーのせいで冤罪で収監されていた男性の釈放にも立ち会い、彼の再出発を見送ることまで。最後はリースに頼まれてフィンチを連れて帰ってきたし、ファスコの好感度がじわじわ上がります
趣味や話が合うジョーダン(女)につい甘くなってしまったフィンチ。しかも勧められてお酒まで口にしていまい。以前リースから「現場では食べるな」って強く言われてたのにね
リースもまたジョーダン・へスター(男)は被害者だと気付いた時にはすでに遅し。フィンチが飲んだお酒には、MDMAが盛られていた!
「気分は最高だが どうやらハメられたようだ」ってラリってもそれなりに冷静に事態を分析するフィンチ
インカムで連絡を取っていた相手はいったい誰なの、とジョーダン(女)に問い詰められてフィンチが「私は言わないよ」ってするお口チャックのジェスチャーがまたものすごく魅惑的なのですよ

 

"Hello Detective, just in time for dineeeeeer!!!"って、もうフィンチだいぶどっか遠くの世界にいっちゃってます。迎えにきたファスコの「おいおいメガネは大丈夫なのか」っていう表情がこれまたいいんだな…(笑)



ファスコに助け出されてパトカーの助手席に乗ったフィンチはご機嫌。警察無線だのサイレンだのあちこちスイッチを触りまくった挙句、「ぐふふふふふ」って笑ってる
一方、被害者の方のジョーダン・へスターを助けたリース。彼に銃を向けられても、安全装置を外してないぞってアドバイスした上に一瞬で取り上げ、同時に銃口の向きをくるっと変えてて、これすごい!



IDを奪われヤクの売人の汚名まで着せられたヘスター(男)。犯人に一矢報おうとそれなりに一生懸命考えたプランを、「ひどい計画だ。だが気に入ったよ」と、リースは積極的に対象者に介入してます
ジョーダン・へスター(メアリー)は逮捕され、本物のへスター(男)は、ありがとう、人生を取り返してくれて、とリースに握手を求めて去っていく。こういう終わり方で解決するのはよいね
Ep12あたりから、たんに「人助け」をするのではなく、やり直したいと思う人物にもう一度そのチャンスを与える助け方に変わって来てるんですね。そしてリースもまた、そういう人たちとともに生き直している
さてこのエピではドネリー再登場。実は彼はカーター以上に積極的にスーツの男を追っていて、かなり細部まで調べ上げていて。リースのしている「人助け」は、ドネリーから見ると「高額な報酬をもらって汚れ仕事をしている」人物に。見方を変えればそう見えるんですねぇ…。そしてスーツの男のボスはイライアス、CIAのスノウがリースの仕事の後始末を担当、とドネリーは推測。なるほど。これは本当のボスであるフィンチの姿がまったく見えないからこういう推理になるのだなぁ。フィンチのガードは本当に固いし、存在さえ感知されていない彼は、いざとなったら部下や周りの者を切り捨ててあっさり姿を消すこともできるのだなと。もちろんフィンチはそんなことはしないけれど
今後はFBIがカーターのバックアップをするからスーツの男を逮捕しよう、ということになってしまい、カーターにとってはまずい展開に

このエピソードの見どころはもちろんエンディング。廃図書館に戻ってもまだハイなままのフィンチは、リースに向かって話をしよう、何でも聞いてくれっていつもの鉄壁ガードの態度はどこへやら、やたらと会話をしたがるんだけど、通常運転じゃないフィンチに対しては、それに付け込んであれこれ尋ねるリースではないんですね。本当に紳士。
でもリースに「おやすみ、ハロルド」と言われてフィンチの返した言葉は「おやすみ、ネイサン」。まさかの爆弾発言。本当にこのドラマは最後の最後、ほんの数秒で大どんでん返しをやってくれます。
果たしてフィンチはどの辺りからリースのことをネイサンだと思い込んでいたのか。そして「おやすみ、ネイサン」の言葉は、リースに聞こえたのか否か。フィンチはいつまでもネイサンという過去に囚われている。そもそもこの図書館自体がそうだしね。
そしてこのシーンに流れる曲がまたあまりに幻想的で美しくて。この先の廃図書館の運命を思うと、ここはもう今は決して戻ることのできないはかなく夢のような場所であり、死んだ男ふたりが誰にも知られずひっそりと息をひそめて静かに過ごすにはこれ以上ない、ある意味天国であり閉じられた世界。それが美しくなくてなんだというの。
全てのエピソードを見た後改めてこのシーンを見ると、もう悲しくて切なくて、私はいつも涙がこぼれそうになります。

POLIÇA - "Amongster" (Official Music Video)

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