POI雑感 リースのこと

S5Ep03の軽いネタバレあり。
503が後からじわじわ来て考察したくなったので。ファイナルシーズンなのでね、どんな些細なことも思いの丈は全て語っておこう、な勢いです。
解釈に時間が掛かる私はS5のレビューも本当はしばらく置いてから書いた方がいいんだろうなぁと思ってます。今思うとS1、2はほぼ一話完結でレビューしやすかったんですね。


503ラストでカーラから「あなたは孤独な人生だから最初から失うものがない。幸せがどういうものか知らないから、それを願いもしないし欲しいとも思わない」(ちょっとうろ覚えですみません)と言われたリース。「あなたの人生は闇の中」「私たちそのものが闇なのよ」(S1)とカーラから言われていたのは、CIAで暗殺という任務に就いてたからだと私は思ってました。でもそうじゃなかった。
リースは多分孤児だったんじゃないかと私は勝手に推測してますが、例えCIAに入局しなかったとしても彼の人生はおそらく最初からずっと孤独で闇の中。スカウトしたCIAから見たら、身寄りのない彼は暗殺という任務を遂行するにはこれ以上ない逸材なだけでなく、本人のスキルもそれにぴったりと言わんばかりに成績優秀。彼にとってそれは嬉しいとかやりがいを感じるというより、多少の良心の呵責はあったとはいえ(108での初任務後の戸惑いや動揺、316でダニエル・ケイシーを逃がしている)、スカウトされたら合っていたからその仕事を続けた、くらいな位置づけかも。
本人もそれは自覚していて、"I don't particularly like killing people, but I'm very good at it."…「人殺しは好きじゃない、でも俺にはそれが得意なんだ」って、101でリースがファスコに自分の能力を分からせるために脅すように言ってたけれど、よく考えるとものすごく哀しい台詞。

私はフィンチとリースは濃い目のブロマンスな関係だと思ってて以前記事にもしたけど、それも今思うとちょっと違うなって思ってて。リースは上で書いたように、もともと人生に何にも持ってない人だったけれど、ようやく得られそうになった幸せ(=ジェシカ)を失ってしまい、同時にオルドスで組織の裏切りに遭って生きる意味を失い死んだも同然になってしまって。そんな状態だったリースを、例のラップトップに自分が関わったからという理由があるとはいえ、雇って救ったフィンチに対してリースが彼に度を越した感情を抱くのはごく自然な流れだったんじゃないかと今は思えるの。人生にもう何にも残されてなくて、何にも求めていない彼が唯一大切に思うのが、自分を救い出して仕事(生き甲斐)を与えてくれたフィンチだけって、ずっとずっと長い間孤独だった男が願うにはあまりにもささやかすぎる幸せじゃないかと思うのです。とてもとても泣けてくる…。
つまりリースの求める幸せや生き甲斐ってどんな形をしててもいいの。その対象が有形無形だとか、人だとか人以外のものだとかは関係ない。それがたまたま同性で年上のハロルド・フィンチだっただけで、たぶんその相手が女性でも何歳でもリースの態度や考えはそんなに変わらないような気がする。
でも実はその相手とは知らないうちにもうすでに過去で繋がっててその運命からはどうやって逃れようにも逃れられないのが、このドラマにおいて猛烈に切なくて魅力的で同時にものすごくセンシティヴな要素だと思うのです。だからふたりの関係はとても慎重に扱われるべきだし、周りがそう簡単に触れてはいけないものでもあるよね。
なのでこのふたりの関係はどういうものかと問われたら、ブロマンスじゃないと今は思う。強いて言えば…うまく言えないけれどなんとか表現するとしたら、絶対に逃れられることのない悲しい運命によってお互い身を縛られた関係、かなぁ。「運命のふたり」ではないような気がする。あんなことがなければ決して出会うことのなかった、まったくタイプの違うふたりなので。


あともう一つ考察しとこう。
リースの服は、全エピソードを通してほぼいつも黒のスーツに白のシャツ。これは彼の人生に色がないことも暗に示していると思う。家族は前からいないし趣味もなければ友人もいない。うら寂しい廃れた図書館の中で、ただひっそりと生きているモノクロの死人。だから人助けをしているのにも関わらず時々リースが死神のように見えるのはそのせいかな。
リース自身も対象者に対しては彼らを守るにせよ叩きのめすにせよ多少強引なまでに自分のやり方を貫くけれど、他においてはパートナーのフィンチに対して決断を預けてたり、あんたに従うよって部分がけっこうあって、自身の明確な意思は実はそんなにないんじゃないかと。
でも311~313でフィンチの元を去ったリースはいつもの黒スーツじゃなくて私服姿で、彼のマシンとフィンチへの不信感をはっきり表したことが色のついた服で表現されているんじゃないかな。
その点フィンチはもうちょっと人生に色があるよね。趣味もいくつか持ってるし、亡くなった親友ネイサンの息子ウィルのことはとても目を掛けてて、おそらく実子のように大事にしてたみたいだし。食道楽な部分も見受けられるし、人生にこだわりがいっぱいある。だからか彼のスーツはいつも華やかでたいへんにおしゃれ。
過去自分がしてきた過ちや大切な人たちを失ったことと、今の人生をどう送るかは彼の中ではまた別の話で、この辺割り切っているというか、ハロルド・フィンチはこういう人間ですよ、というのが服装を通してよく分かる。


私自身の見方や考察がどうしてもリース寄りなのでリースのことばっかり書いちゃいますが、「パーソン・オブ・インタレスト」はいろいろあったけどやっぱりジョン・リースの物語だと私は思ってて。人によってはフィンチとリースの物語だと思うかもしれないし、フィンチとマシンの物語だと言うかもしれない。色んな見方があっていいし、正解はひとつではない。そもそも正解なんて最初からないのかもしれないんだし。
でもこのドラマの一番最初はリースの「孤独から救ってくれる人に出会えたとき、人は変われる…だがその人を奪われたらどうなる?」の台詞で始まったので、最後も何かしらリースの台詞や彼のシーンで終わると嬉しいかも。どんな形の最後を迎えようともね。


いつかフィンチサイドからも深く考察できたらいいなぁ。

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コメント

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No title

こんばんは。(というか、ただいまです。京都についたら寒かったです(^^;)

興味深く面白く拝見しました。
愛あればこその考察ですね。私のしょせん薄っぺら。

>でも311~313でフィンチの元を去ったリースはいつもの黒スーツじゃなくて私服姿で、彼のマシンとフィンチへの不信感をはっきり表したことが色のついた服で表現されているんじゃないかな。

おお。爆睡していてすまん、リースぅぅぅ
なるほど、私服かぁ。
今夜は「亡霊」だけど、そのままS3も放映してくるといいな。
確認してみなくちゃいけませんわ。わたし。

おかえりなさい

帰省お疲れ様でした。こちらも今日は寒い一日でした。早く扇風機片づけなきゃ。

POIという名の重箱の隅をつつき過ぎてそろそろ重箱に穴が開いちゃいそうなんですが、楽しく視聴&妄想しております。

311~313のリース君は、もう人助けの仕事は辞めます!ってフィンチに宣言して家出しちゃったので、毎日判で押したように着てた制服のような黒スーツは脱ぎ捨てちゃったんですね。だから色があるんでしょ?と言われればそれまでなんですが、ドラマや映画で人物の服にキャラクターや心理を反映させるのって割と見受けられるかな、と個人的には思ってて。

今夜のBSフジは213ですね!これもPOI史上最高に素晴らしいエピですね。210~213が私の中でのPOIはいちばん盛り上がった部分でした。