あなたを抱きしめる日まで

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Philomena (2013)


これはとてもとても重い映画だった…邦題はね、これ原題と内容を考えると、付けるの難しかったと思うのよ…生き別れた母と息子がお互いを探しあう話、みたいな感動系でこう付けたんだろうし、物語の本質はそこではないけれど、しかしこれよりいい題名があるかと問われたら、かなり難しい…。

もうね、言葉が出ない作品でした…。特にラスト。フィロミナにも息子のアンソニー(マイケル)にも嘘をついてお互い相手を探し続けていたふたりを故意に会わせなかったシスター・ヒルドガードを、フィロミナと一緒に真実を探し求めた記者シックススミスは許せない。だから彼女を断罪し、彼女に謝罪の言葉を強要する。けれどフィロミナは「あなたを赦します」と。ただそれだけをヒルドガードに伝えて修道院を立ち去る彼女の心境はいったいどんなものだったのか。それは本人にしか分からないけれど。
「赦す」ことって、泣いて悩んで苦しんで、それでもそこから這い上がろうともがいた者だけが行きつく場所というか、本人にしか辿り着けない境地だと思うのです。だからシックススミスにはフィロミナに賛同や共感は出来ないだろうし、彼女も自身の気持ちを周りに分かってはもらえないことを知っていると思う。

息子は自分の亡骸を生まれた修道院に埋めてほしいと願った。ここなら生涯会うことのなかった母が見つけれくれると信じて。息子を探してアメリカまで足を運んだフィロミナでしたが、巡り巡って実はすぐそばにいたのですね…。
アンソニーがスーツの襟に着けたいたアイリッシュ・ハープのピンバッジ。たとえ覚えていなくても、自分の生まれ故郷やルーツはとても大切なものなのだな、と思いました。

それにしてもイギリスって本人の許可なく勝手に子供を親元から離すことをよくやってたんですかね?「オレンジと太陽」(2011)で描かれたのも、子供の時にイギリスからオーストラリアに勝手に移住させられた強制移民の話だったし。あとなんでアイルランドの修道院ってあんなに厳しいの?「マグダレンの祈り」(2002)もそうだったし、見ててとても辛かった。人権侵害も甚だしいですが、つい最近までそれが当たり前の世界が存在してたことに私は驚きを隠せません。



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