POI S5 Ep10

The Day the World Went Away

通算100話目おめでとうございます!
そしてもうタイトルから切ないんですけど!前回あんなに感動的でさわやかなエンディングで〆ておいて、その直後の回にレギュラーを2人もさくっと消すとはね、マジで鬼ドラマですよ!
今回も延々と感想を書き綴っていてしかもそれはすべて終わってから振り返ったら全然見当違いな見方をしてるんだろうな的な感想ですが、まぁこれも今しかできない予測とか想像とか仮定なのでね。
このエピから最後まではおそらくハロルド・フィンチの物語。実質的な抗争はリース、ショウ、ファスコが受け持って、フィンチはサマリタン&グリアのおじいちゃんと全面対決かな。
フィンチはマシンをクローズドにしましたが、そうする前にルートはマシンのプログラムに勝手に(!)あるコードを入れた、と。それはフィンチの命令でしか発動しないとルートは言ったけれど、それはなんだろう。今後のキーになる可能性はあるね。あと3話だし。
とうとうマシンがハロルド・フィンチの番号を弾き出し、セイフハウスもサマリタンに見つかって、ここももう戻っては来られない場所になりました。どんどん追い詰められていくフィンチたち。ソファとキッチンらしき場所の仕切り代わりになってる家具の下にはごっそり武器が隠されていたんですね。あーリース君、この人は本当に大型銃火器がよく似合う。
イライアスがフィンチを連れて行ってかくまったアパート。ここはS1Ep07のチャーリー・バートン回と同じアパートでした。とっても懐かしい。時おりカーテンをめくり、外をのぞくフィンチ。薄汚れた安アパートの部屋の中でなお高潔さを保ってはいるものの、にじみ出る疲れと何かを悟ってしまいつつある悲し気な佇まいのフィンチがなぜかものっすごくセクシーでした。
そしてそして、イライアス!!せっかくここまで頑張って生き残ってきたのに!!!あぁぁ残念すぎます。イライアスもまたフィンチのために死んでいき、そして間を空けずルートも死に、フィンチが腹を括るには十分すぎるほどのあまりに大きな大きな代償でした。イライアスだけで1話使ってもいいくらいだった。このドラマの中での彼の存在感はとても大きかったですもん。こういうところは13話なのがとても残念。そしてイライアスは自分の死をもってフィンチから噴き出す闇を見ずにすんだのですね。なんて恐ろしいドラマなんだ…。

そしてマシンが自ら選んだ「声」は、なんと死んだルートのもの!思うにこのシーズンはすごく「声」が重要視されてるように思えます。前回の"Sotto Voce"のVoceもイタリア語で「声」だし。で、当然のことながら私は速攻でS5Ep01のオープニングのモノローグをもう一度見直しました。あれはルートが生き残って話しているのではなくて、マシンがルートの声を使って語りかけてるんですね。そしてマシンは"we(私たち)"って言ってるから、自分もフィンチやリースの仲間のようなもの?だと認識して話してるんですね。ここまで来るともう立派なひとりの人格。
そして今更ですが、開発中のフィンチが対話したりチェスをしたりいろんなことを教えている時のマシンはオープンシステムだったんだ。この期に及んで何を言っているのか感ありありでたいへんに恥ずかしいですが、私の理解力はとても低くて。S4Ep11で、人間の命をチェスの駒のように扱ってはならない、と教えるフィンチが私はとても好きだった。

フィンチが反逆罪に問われてる1974年の出来事ってarpanetに不正浸入したことだったっけな?これってもうS3ではっきり年号が出てきてたっけ?S3は1度しか見てないからな~。それからずっと逃げ続け、デジタルの痕跡は一切残さず今まで生きてきたのか。そうとうに用心深く過ごしてきたのだな、と改めて感心。だけど今回の逮捕でフィンチはついに顔写真と指紋を採取されてしまって。指紋が警察のデーターベースに登録されてしまったのはかなりの痛手なのでは。そして不正侵入の際に行われたフィンチの父親に対する事情聴取の書類だけは、デジタル化の前だったから残ってたんですね。うわ…これはフィンチも想定していなかったのでは…。フィンチを取り調べてるFBI捜査官って、きっと当時その事件に関わってた人なんだろうな。
そして取調室でのフィンチ。もうね、怖い、本当に怖かった。この独白のエマさん、本当に本当にすごい演技。あの部屋にいるのはマイケル・エマソンではなく、ハロルド・フィンチだった。人間の運命など簡単にどうとでもなる世界になりつつある中、フィンチにとって目の前で脅しをかけてくるFBIなんて、脅威でもなんでもない。
「私は君を殺すことに決めた」。そう語りかけた相手は監視カメラを通してすべてを見て聞いているサマリタン。
独白の中で言っていた、フィンチが自分に課して守ってきて、それが正しいことだと、そうすれば勝てると思ってきたルール。それは
Adminを優先しない
特定の誰かに価値を付与してはならない
どの命も対等。有用・無用の区別なく救う
かなぁ?まだ他にもいくつかありそうですが。そしてそれらはネイサンを失った時に最終的に決めたルールかなとも思います。ハロルドはずっとそれを遵守してきたのに、大切な人は次々と殺され、正しい世界にはならなかった。ではそのルールを破った時にフィンチが出る行動は?つまりは上記と反対のことをすればいいんですよね。自分を守るようマシンに命令し、特定の誰か(リースやショウ、ファスコ)を優先し、死んでいい命(サマリタンやグリア、その他マシンと自分にとって脅威となる人間)とそうでない命がある、とフィンチが仕分けしてしまえば、そしたら世界は正しい方向に進むのだろうか?心情面も含めてフィンチ自身も救われるのだろうか?リースたちを死なせずに済むのだろうか?
自分自身にルールを課していることで、闇が噴き出すのを抑え留めていたのだろうかと思うと、過去のフィンチにはそうなってもおかしくはない分岐点はいくつもあったのかも。カーターが亡くなった時、リースが出ていきマシンとフィンチを糾弾した時、マコート議員を殺さない選択をした時、グレースが浚われた時、サマリタンが稼働した時。でも今回とうとう、イライアスとルートの死でそうなったってことか…。そうか、フィンチはついに決心した、というか、自分自身を解き放ってしまったのかと思うと…親しい人を一気に2人亡くしてようやく決断したのかと思うと、もうちょっと早くしてほしかったな、という思いも私はあるんだけど…うーん、私はなかなかフィンチに感情移入ができなくて。彼を理解するのはとても難しい。
フィンチの目指したい方向って、最終的にはネイサンの描いていた世界だと思うのです。彼は無用の人々を切り捨てることはできず、自ら銃を手に取りその人たちを救おうとしていた。S5Ep01ではいずれ人口超知能が生み出されるなら、ハロルド、きみが造るのがいちばんふさわしい、と言ってもいたしね。フィンチにとってのネイサンは常に正しかったのだろうな。

刑務所内の柵の前でひとりでポツンと佇むフィンチの後ろ姿がものすごく印象的でした。表情は全く分からないのに、彼の体全身から発せられるのは、もう今までのハロルド・フィンチではなくて、変わってしまった別の誰かであり、これが深い闇を抱えた本当のハロルドの姿なのかも。異常で異形で、ただひとり彼だけがどこか違う世界に住んでいて、決して誰も触れられない姿に見えて。このドラマって人の背中や後ろ姿で心情を映し出すのがものすごくうまい。
そして彼の本当の姿が表に燻り出された今、もう昔のように人助けをしていた頃に戻れるとはもうとても思えない。今のハロルドには、味方や仲間でさえも、サマリタンに勝つために必要な駒にしか過ぎないと思う。
刑務所内の公衆電話のベルが鳴り、フィンチに話しかけてきたのはルートの声を選んだマシン。この瞬間フィンチがルートの死を知ったのも素晴らしい展開でした。
そしてマシンの力を利用して、暗闇に乗じて刑務所から出たフィンチは、リースの元に戻るのではなくひとり離れていったいどこへ行ってしまったの?そして彼は何をどうするつもりなの!?分からない。まっっったく分かりません。
リースはまたフィンチに会えるよね?あのふたりはこれっきりじゃないよね?もしそうだったら辛すぎる。
離れ離れになっているけれど、リースは今のフィンチをどう思っているんだろう。どんな姿で何をしてきても彼はフィンチをそっくり受け入れるだろうけれど、この先リースが守るのは、フィンチ自身の身の安全ではなくて、大きく変わってしまった中身だと思う。でもリースは直接今のフィンチの姿を見ていないのでね。このドラマでのリースって、フィンチの肝心な時を見ていない、その場にいないことがけっこうあるよね。まぁいたらいたでお互いがお互いの闇を覗き見るにはあまりにもハードな内容になっちゃうけれど。リースは普通の人生から背を向けて決別はしたけれど、もう闇の中にはいないかな。だから次はフィンチを助ける番であってほしい。

今エピでひとつだけ分からなかったのは、なぜジェフ・ブラックウェルが受けた命令は、助手席の人間=フィンチを暗殺することだったのか。グリアはフィンチを殺そうとはしてないのだから、だったらジェフは誰の命令を受けてるの?ジェフに直接会って話をしたり指示を出してるモナはサマリタンの人間じゃないの?


今回でルートは退場しましたが、正直彼女に対してあまり好意も思い入れもなかったので、あーそっか、残念だった…くらいの印象でした。イライアスがショックすぎたのものあるけれど。正直、マシンの声が聞こえるだけで、なんであんなに戦闘能力が高いのよっていつも彼女が銃を手にする度にちょっと鼻白んじゃうのです。今エピも、運転席にいた彼女がかかとでハンドルを操作しながらルーフトップから顔を出して大型銃で追跡相手を襲撃って、それ本当ならリースの役目じゃんって思うし、何よりトリッキーすぎる!車にはひとりで乗ってたわけじゃないんだからそこは助手席にいるフィンチにお任せしようよ。フィンチだって部下が撃たれた時はアクセル思い切り踏み込んで車をぶっ飛ばすような人間ですよ!現場で思い切ったことをするフィンチがまた見たかったな。
12歳の時からずっと隠れて生きてきたルート。でもようやく居場所を見つけることができたとショウに話し、あなたが暗闇から光の当たるところへ引き上げてくれた、とフィンチに感謝の言葉を述べていた。フィンチは彼女を救ったのですね。そしてルートはフィンチの身代わりのような形で死んでいった。
全シーズン通してこのドラマにおけるルートの役割は果たして何だったのかな、と考えます。私は未だにルートがS1ラストでフィンチを浚ってS2の最初で椅子に拘束したり剃刀の刃で彼の手のひらを切ったことを許せずにいるのですが、ルートは最初から最後までマシンを神とあがめ、それを造ったフィンチを崇拝していた。S3以降はフィンチの仲間になり、マシンを自由にしてあげて、彼女を信じてと何度もフィンチに訴えてた。マシンから見ると、自分を創り出してくれたのはフィンチだけれど、システムをクローズドにした彼よりも、自分の声にずっと耳を傾けてくれたルートがいちばんの理解者だったのでは。だから彼女の声を選んだんじゃないかな。
そしてこのエピでルートは「この世界全てがシミュレーションなのよ」とショウに語ったけれど、彼女は自分の人生はマシンの世界の上になりたってる、もしくはマシンが構築した世界のなかに自分がいると考えてたのかな。彼女の考えでいくと、最後の最後に、実はこのドラマはフィンチがリースをスカウトしたところから全部マシンのシミュレーションでした、な終わり方だったらどうしよう。そしてまたあの橋のたもとでふたりが出会うところから何度も何度もやり直しだったりして!怖!
で、S5の冒頭の件に戻ると、ルートの声でモノローグが流れるので、このドラマのラストはマシンは生き残っている、で決まりですね。


さて残念ながらイライアスとルートが死んでしまったので、あと3話ではもう誰も死なないとは思いますが…というか、そう思いたいのですが…フィンチは「いずれ私は死ぬだろう」と言ってましたが、そう言っている人ほど死なないような気がしてきた。生き残ったマシンは今後も管理する/できるかは別にして、やはりフィンチが管理者であってほしいので。


残りあと3話。のこり、あと、3話!!

Nine Inch Nails- The Day The World Went Away

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