ダークナイト・ライジング

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The Dark Knight Rises (2012)


コミック・ヒーローものではあるものの、今の世の中勧善懲悪で済む単純な世界ではないことは重々承知だけども。なんだろうこの見終わった後とってもすっきりしなかった感……。そしてとにかく上映時間が長い。三部作の最後の作品だから色々描きたかったことはあるのだろうけれど、2時間44分ってちょっと長すぎやしない?もうちょっとタイトに絞らない?しかも話が平坦で大きな盛り上がりや心をガッと掴むシーンがなくて。オープニングシークエンスはすごい迫力だったんだけどなー。最初がすごかったからその後がつまんなく感じちゃったのかな。
あとバットマン=ブルース・ウェインはバットマンスーツを着たら超人的な能力があるというよりは、うなる財力で乗り物や武器を作ってもの言わせてる部分はあるので今回はヴィランのベイン(トム・ハーディ)との対決は意外とガチ勝負の殴り合いだし、その結果徹底的にボコられたバットマンは負けを喫してしまうんですが、そこまでひどくやられちゃうと見てるこっちはなんだか悲しくなってきてしまって。結局最後に核爆弾を海の沖まで運んだのが唯一バットマンが活躍したシーンってのがなぁ。ノーラン版バットマンって1、2作目もこんな感じだったっけ?過去作をよく覚えてないのも敗因だったのかも。
あと私は役者目当てで見てきたようなものなので、今回ゴードン本部長(ゲイリー・オールドマン)が負傷して前半はほぼベッドに寝たきりだったのと、アルフレッド(マイケル・ケイン)がブルースの元を去ってしまったのがものすごくショックで。アルフレッド、何があってもあなたはブルースの傍を離れてはダメなの!そういうキャラっているよね。この人たちは絶対一緒にいないとダメだよっていう人物。なのに離れちゃうとこっちはかなりダメージ受けるのでほんとやめてほしい……。
なのでゴードンの代わりに警官のブレイク(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)、アルフレッドの代わり(?)にキャット・ウーマン(アン・ハサウェイ)が活躍したお話でもありました。主要メンバーの出番が減って新しい登場人物が多くの時間を占めたのも話がとっちらかった印象に思えたのかも。レヴィットとハサウェイの演技はとても良かったのでそこは文句なしなんだけど。

ということで、ストーリーについての感想はかなりマイナス評価ではありますが、キャストがすさまじくゴージャスでした。キリアン・マーフィ(フレームなしの眼鏡姿最高すぎだしまさかのスケアクロウ再登場)、マシュー・モディン(なっつかしい!)、バーン・ゴーマン(お前これにも出てたのか)、ベン・メンデルソーン(クレニック長官!)と見応えありありでした。しかしノーランは同じキャストを起用するのが好きだよねー。レヴィット、トムハ、キリアン、マリオン・コティヤールと勢ぞろいで、「インセプション」のアナザーワールドだよって言われても信じちゃう。

で、前述のジョゼフ・ゴードン=レヴィットですが、実質話が始まって2/3までは彼がお話を引っ張っていったようなものだったし、まともな感覚の警官なのもあって、彼だけは見てて嫌な気持ちにならなかったし共感できた。演じるレヴィットは、なんというかちょっと不思議な俳優さん、というイメージが私の中にずっとあって。すごく大柄でもマッチョでもないし、きっと草食系って言われちゃうんだろう線の細さなんだけれど、役柄を選ぶのがうまいというか、もちろん本人の演技力もあるんだろうけれど独特の路線を開拓していると思う。彼の作品は「インセプション」しか見てないから、これを機に他のも見てみたいですね。


監督はクリストファー・ノーランですが、脚本は弟のジョナサン・ノーランも一緒に手掛けてます。

で、ここからは「パーソン・オブ・インタレスト」絡みかつS5ラストのネタバレの感想になるんですが(なので未見の人はここから先は読んじゃダメです)、ジョナサン・ノーランはお兄ちゃんとは別に自分にとってのバットマンを撮りたくてPOIを作ったの?リースは「コスプレをしないバットマン」と書かれた記事はよく知られているし、私はクリスチャン・ベイルとジム・カヴィーゼルはすごくよく似てるって前々から何度も言ってるしここでも時おり書いてるけれど、今回この映画を見ると、まさかジョナ・ノーランは似てるのを狙ってPOIに彼をキャスティングしたのか?とさえ穿ってしまう。
「ライジング」自体もネイサン役ブレット・カレンやグリア役ジョン・ノーラン(しかも吹替はフィンチ役牛山さん(笑))も出演してて、かぶりすぎでしょ。
まぁ他の人がとっくに指摘してるだろうけれど、ゴッサムシティはもちろんNYがモデルだし、
アルフレッドとフォックス=フィンチ
ゴードン本部長=カーターとファスコ
バットマンの意志を継いだロビン(ブレイク)=ピアーズ、ジョーイ、ハーパーの別チーム
と考えると、死んだと思わせておいて実は生きていたブルース・ウェイン=リースになるはずが、最後は死んでしまったからねぇ……ラストはこの映画と同じ線を期待していた人にとってはあんな終わり方になって、ジョナサンめ、よくもリースを死なせたなと思う人は多いのかも。そうかPOIは「ダークナイト・ライジング」のアナザーバージョンだったのか。
さらにこの映画はレンタル店で借りて視聴したのですが、ケースにはディスクが2枚入ってて、1枚は本編、もう1枚は海外ドラマの第一話のみが3つ入ったディスク。そのうちのひとつがPOIだったという、もうほんと笑えるんだか笑えないんだかなオチでした。


正月早々とても暗い映画でスタートの2017年になりましたが、今年はどんな映画に出会えるのか、楽しみです。
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