美しくはない万華鏡 (クラッシュ)

Crash (2004)


L.A.での数十時間の出来事を様々な人々によって描いてはいるけれど、私は全体がアメリカの背負う人種差別問題に尽きるんじゃないかなーって思いました。
日本と日本人がもっている「人種差別」という言葉はあくまでそういう単語がある、という認識であって、根本が違うからこの映画が示す問題の深刻さが私はあまり分かってないと思う。
でも、白人、アフリカ系、アジア系同士での差別もあれば、同じ人種同士での差別もあり、生き辛い社会だと思う。

その点以外は、毎日生きている人々の一部分を、「クラッシュ」という映画で切り取ったという感じ。だから、明確なハッピーエンドがあるわけでもないし、登場人物が最初から最期まで悪い人、いい人もいない。でもそれが普通じゃないの?
万華鏡を廻すとキレイな模様が次から次へと形を変えてあわられるけど、この映画は美しくはない万華鏡。でも所々には光り輝くものが見えるよ、といった感じでしょうか。

久々に見たマット・ディロン、懐かしい。彼演じるライアン巡査の行為は許されないことと賞賛に値することが相反して描かれていたので、たくさんのエピソードの中で一番好きでした。

音楽(インストルメンタルの方)が素晴らしかった。

しかしこれが2006年のアカデミー賞だとは、やっぱ今年は地味でしたね…。意地でも「ブロークバック〜」にはあげたくなかったとしか思えんわー。

あと、クローネンバーグの作品にも「クラッシュ」ていう題名のがあるのでこれから間違えそう…。

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